*第5話*
「それじゃあ、この書類、職員室に
届けてくるので待っててください。
あ・・・いや先に帰ってもいいですけどね」
苦く笑って、あたしは職員室に向かった。
職員室は生徒会室と実は一番離れている。
言えば学校の端と端にあって
行くのに5分はかかる。
この学園、無駄にでかいんだよな・・・
廊下にはあたしの上靴の音しか聞こえないものだから
不気味で時々キョロキョロしてしまう。
暗いのはいつものことだけど
なぜか今日は寒気がしてならない。
「早くいかないと・・・」
スタスタと歩くものの
やはり寒気がする。
「もういや!」
あたしは猛ダッシュで廊下を走った。
職員室ドアの前であたしは胸をなでおろした。
暗いのはなくなったけど
寒気はまだして、気持ち悪い。
気持ち悪いけど先輩を待たせてるから
職員室にツカツカと入った。
「失礼します。書類、置いときます」
「はーい、ご苦労様です♪」
英語担当の西戸先生がココアを
おいしそうに飲みながら返事した。
「失礼しました。」
職員室ではあくまでも鈴架学園.生徒会会長.美原鈴羽なのだ。
真面目を突き通すに限る。まあ、会長だし。
職員室を出ると、そこには先輩が
壁に背中を預けて立っていた。
「先輩?!」
「迎えに来た。会長、いちいち往復するのもいやだろ?」
「いやまぁ・・・はい。」
「俺だって面倒くさいってーの。ほら、帰るぞー」
「は、はい」
そっか、あの寒気、後ろに先輩がいたからだ
そう思ったとき、また寒気を感じた。
学校からあたしの家まではおおよそ15分程度の道のり。
まぁまぁ近いほうだとは思う。
「かいちょーなんか元気ないけど?」
「あ・・・えと、さっきから寒気がして・・・」
「寒気?」
先輩は後ろを振り向いたけど、誰もいなかったようで
また前を向いた。
「廊下歩いてるときは、先輩が後ろにいるからかな・・・って
思ったんですけど・・・」
「俺、かいちょーが行った後外の渡り廊下からいったから
それはないな」
「そうなんですか・・・ってそこ通るの禁止ですよ!!」
「あ、そういえばかいちょーって会長だもんね、ごめんごめん」
「・・・むちゃくちゃ馬鹿にされてるような気がするんですが?」
「うん、馬鹿にした。ごめん」
「んもーっ!クシュンッ」
「何、寒い?」
「い、いえ・・・別に・・・クシュンッ」
「寒気って、もしかして・・・」
「へ・・・?ふわ・・・わわ・・・」
「美原?!」
先輩の声とともに、あたしの意識は途切れ
あぁ、あの寒気は風邪だったんだな・・・と気づいたのだった。