*第2話*
「な、なんのこと?」
とりあえず否定してみる。
けど、多分いや絶対に無意味だ・・・
「否定権無しだろ?さっき俺とめぇあったとき
あわあわと顔引っ込めたくせして」
「うっ・・・やっぱり見てた・・・?」
さすがに恥ずかしい。
あたしがイケメン好きってばれたんだよね・・・
「まぁ、かいちょーがイケメン好きってのは
だーいぶ前から知ってたけどね」
「は!?」
さすがのあたしも声を張ってしまった。
「なんで知ってんの!?」
「1年のときからずーっとサッカー部員みてただろ?」
「・・・ハイ」
やられた。
ばれてたなんて思いもしなかった。
あれ・・・1年から知ってるって・・・?
「も、もしかして先輩?!」
「ビンゴー」
ま・・・まさか・・・先輩だったとは・・・
「す、すみません・・・」
「なにが?」
「いや・・・なにがってかどこまでも・・・」
「別に俺はいいんだけど。てか、俺の事今日まで知らなかったわけ?」
「えぇ、まったく存じて居りません・・・」
「珍しいな?俺、鈴架学園No1にもててるんだけどな」
「あー・・・すみません、そっち系まったく興味ないんです」
「イケメン好き、なのに?」
「うっ・・・えぇっとですね・・・あたしご・の・み!のイケメン好き、なんで・・・」
「じゃあ、俺は会長好みと?」
「Yes・・・」
「くっ・・・会長って意外と面白いな?」
「さぁ・・・そうなんでしょうかね・・・。目つき悪いのに
変わりはないですけどね・・・・」
「そうか?あ、わかった髪の毛だ」
そういうと先輩はあたしを引き寄せて
くるっと反転させて、髪の毛を上げた。
「や、ちょ、せんぱい!?」
ぱちんっと音がなる。
な、何の音!?
「ほら、くくったら全然かわいいじゃん」
またくるっと反転させて
ドアで反射したあたしを見せた。
いつも髪の毛をたらしっぱなしのあたしは
自分が髪の毛を上げている状態に
違和感を感じた。
「どうよ?」
「・・・なんか変な感じですね」
「いつもたらしっぱなしだからだろ」
「まぁ・・そうなんですけどね・・・」
そこからは完璧に沈黙が続いた。
あたしはふと、思ったことを質問した。
「あの・・・先輩、なんでサッカー出てないんですか・・・?
まだ引退ははやいんじゃ・・・?」
「あぁ、俺、脚怪我してんだよ」
「へ!?大丈夫なんですか?!」
「まあ、ちょっとした打撲だから。大丈夫」
「なら、いいんですけど・・・」
やっぱり心配だった。
あたしの心の気づいたのか先輩は
あたしの頭を撫ぜて
「大丈夫心配しないで」
さすがにちょっと恥ずかしくて「書、書類作業に戻ります、お大事に・・・」
といって席に戻った。
「あ、俺ちょっと見といていい?」
「へ?!え、あ・・・はい」
あたしはなぜこんなに不自然な返事をしているのだろうか。
とりあえず書類作業を進めていく。
目の前で見学している先輩がものすごく気になるけど・・・
「サッカー・・・戻らなくてもいいんですか?」
「別にいいんだよ、どーせでないし」
「そう・・・ですか」
・・・戻ってほしいような戻ってほしくないような・・・
面倒くさいこの気持ち
・・・いったいなんなわけ?