*第10話*
「えっと・・・この英語の訳は・・・」
とてつもなく英語が苦手なあたしは
だいぶ苦戦中。
基礎は普通なんだけど、入り組んでくると
こう・・・なんていうか、全部が全部記号に見えてくる・・・
後、リーリングのは得意だけどリスニングがとてつもなく苦手だ。
「もう・・・外国なんていかないんだから
英語なんていらないよー・・・」
そんな嘆きを言っていると
インターホンがなった。
「出ていいの・・・かな?」
一応玄関まで行き、外を覗く。(先輩の家はマンションらしい)
と・・・多分先輩の友達か・・・彼女であろう人が立っていた。
「さすがに先輩起こさないとね、うん」
「ちょっと待ってください」と少し声を落として言い
サササとリビングに戻り、先輩を起こす。
「哉也先輩、お客さんですよ!」
先輩は「ん・・・誰・・・?」と言い
うっすらと目を明ける。
「えっと、先輩のお友達か彼女さんか知らないけど
とりあえず、いますよ」
「・・・小泉か・・・だりぃ。鈴羽出て」
「い、いやですよ。」
「っ・・・たく、面倒くさい・・・・。」
「いいから、出てください。あたしはおとなしく待っときます」
「・・・しゃぁね」
先輩は渋々玄関に向かい、ドアを開ける音がした。
ちょっと気になったが、おとなしく待っとく約束だ。
英語はもう嫌だから、数学でもしようかな・・・
英語のセットを型付け数学の教科書とノートを出す。
数学は公式とかに当てはめるのがほとんどだから
とても楽しい。そういう勉強はかなり好き。
1問目をといてるとき、先輩が戻ってきて
小声で「鈴羽、ベットに寝て!」と言ってきた。
意味不明だったが、かなり急いでる様子だから
ベットにもぐりこんだ。
すると耳元で「少しだけ待ってて」と言い
耳に何かをつけられたと思うと音楽が流れ始めた。
・・・イヤホンね。会話、聞かれたくないんだ。
そりゃそうだ。後輩が聞くような内容じゃないかもしれないし
もしかすると、小泉って人は彼女かもしれない。
あたしは大人なしく音楽を聴いて、待っていた。