可愛い子
「これじゃ 駄目だ」
そう言って あっさり企画書を 突き返されてしまった
この企画書を作るにあたって 毎日 仕事が終わってからも
会社に残って ずっと作業をしていた
家に帰ってからも 資料を読み漁って データもたくさん見て比較をして
毎日たくさんの時間を この企画書に 費やした
それなのに
「こんなにも あっさり 返されちゃうんだ」
上司は ろくに見向きも しなかった
まるで 余計な仕事を 増やしてくれるなと
面倒だと 言いたいかのような
そんな 表情を浮かべながら
雑に 企画書を受け取って 簡単に サーッと目を通しただけで
「駄目だ」の たった一言で 終わらされてしまった
一方で
「この企画書 ちょっと 難しくて~
どうやったら もっと 上手く作れますか??」
わざとらしい 可愛い子ぶった声が 聞こえてきた
本当に 嫌気がさす
その 難しさを乗り越えて 上手く作るのが 企画書なのに
「ああ これか
大体 上手くできてると思うぞ
あとは そうだなあ…」
なんて 言いながら 上司が指導する声が 聞こえてくる
私と話すときとは まるで別人
声の様子だけで 嬉しいような 楽しいような
そんな表情を 浮かべているのが わかっちゃう
可愛い子って 本当にずるい
顔が良くて 愛想や愛嬌が あって
それだけで こんなにも 態度に差が出ちゃうのね
実力がどうとか やる気や能力 努力とか
そんなものは まるで 二の次で
お気に入りの子が 贔屓されて 良い待遇を受けて
私のことなんて 全く 見向きもされないなんて
こんなの あんまりだわ




