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絶望勇者と私の後半戦  作者: 川井田ナツナ


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3/8

3:めしうまクエストゲット

 ビシオンとマッチングした日以来、文通を始めて早三週間――。

 手紙の彼は会って話した時とは違う印象だ。


 書かれている内容は明るい口調で、まるで元気な子供とやり取りしている気になる。


「……本当に同一人物か……?」

 

 何とも気味が悪い。

 新手の結婚詐欺かとも思えるほど、ビシオンの手紙には私を気遣う言葉で溢れていた。



 婚活イベントでは私から「選んで」と言ったものの、実際にはもう二度と会うことは無いだろうと思っていた。

 というのも、マッチングした二人には冒険者ギルドから『一時金』が出るのだ。

 

 まあ、要するにデート費用である。


 一時金と言っても返済の義務はなく、あくまでも国と冒険者ギルドの善意だ。

 お金に困っているわけではないが、貰えるものはもらう――という『勿体ないオバケ』が私に囁くのだからしょうがない。


 そして、仕事からの帰り道――。私に『勿体ないオバケ』が囁く――


「本当にこれっきりの関係で良いの??」


 と。しかしながら、会うための口実がない。

 また、ビシオンから手紙の返事はくるものの――一向に誘ってくる様子がないのだ。


(そういえば……勇者なんだっけ? あの人……)


 私の足は自然と冒険者ギルドに向かっていた。


 

 クエストの依頼表が張り出されたボードを前に。


(何度見ても、どれが良いのかわからん……。ドクロの数が多いのが良いのか、報酬が多いのが良いのか……??)


 後からやってきた冒険者たちは次々とクエストの書かれた紙を持っていく。

 冒険者登録したものの、私が過去に受注したのは【庭の草むしりを手伝って!!】というのを一回だけ。


 そのクエストは三時間ひたすら、庭の草むしりをするというもの――。

 腰の痛みと、暑い日差しに耐えながら行った――広い庭を持つ公爵のお家のメイドさんが出したそのクエストは……今思い出しても本当に地獄のようだった。


 ――――と、一つのクエストが目に留まった。



 【迷宮の番人 ~ミノタウロス一体の討伐~】



 他のクエストは群れだ、十体の討伐だと――やたら数が多いが『一体だけ』で良いなんて何てコスパ最高なのだろうと胸が高鳴った。

 

(それもドクロマークじゃなくて十字架マークで安全そう!! それに……こっちには勇者がついている! 余裕余裕!!)


 そのクエスト表を手に、受付けに行くと同行者を聞かれ――。

 気に弱そうな女性職員は胸をなでおろしたが何だったのだろう……。


 ギルドからの帰り道――。


「ビシオン――めしうまクエストゲットしたわよ!!」


 彼も見ているかは知らないが、月に向かって――そう叫ぶのだった。

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