表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出戻り魔術師のセカンドライフ  作者: 無口な社畜
第一章 元王都魔術師隊士の帰郷

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/65

21 有言実行

「では、交渉が上手くいったら連絡しよう」

「ありがとうございました。では、失礼します」


 次の職の目途と母さんの事を聞けた事で叔父さんに対する用事は終わったので帰る事にする。

 正直な事を言えばコネでの入隊は本意ではなかったけれど仕方なかった。


「そう言えば今住んでいる場所を聞いていなかったな。姉さんの家はもう無かっただろう?」


 流石にその辺の所は把握しているらしい。


「マーモットさんの経営している宿屋ですよ。食堂も兼ねている」

「マーモット? あの男は宿屋と食堂を経営しているのか?」


 まあ、知らなくても当然か。マーモットさんがこの町に帰ってきていた事も知らない位だったし。


「そうですね。詳しい場所の説明をしましょうか?」

「いや、いい。どうせ行くのは使用人だ。態々王都の学園に行ってまで何をやっているのかと思っただけだ」


 そうですね。

 ただ、俺も人の事は言えない。

 その後はお互いに別れの言葉を告げて叔父さんの屋敷を後にすると、宿屋に戻った。


 戻ると既にナターシャは戻ってきていたようで店で働いていたが、こちらに一瞬だけ視線を向けただけで仕事に取り組んでいた。

 ちゃんと自分で言った事を守っているらしい。


 何となく寂しい気持ちも無い訳ではないが、ナターシャがミーシャと繋がっている可能性が捨てきれない以上、ホッとしている自分もいた。

 俺もそのまま部屋に戻る為に宿部分に入ったのだが、昨日みんなで食事を取った部屋の前でアリーシャさんが手招きしていた。


「何でしょう?」

「おかえりなさい。食事、まだでしょう? 持ってきてあげるからここで食べてね」

「え、それは……」


 何となく背後を振り返る。

 こういう場合宿泊客は食堂で食べるものでは? 少なくとも、朝食は食堂で食べた。


「いいから。どうせナターシャと何かあったんでしょう?」

「……ナターシャが何か言いましたか?」


 もしもそうならこの人も……。


「いいえ? ただ、『お兄ちゃんの食事には私は手を付けないから安心して』って伝えてくれって。何を安心するのかしらね?」

「ああ、そういう……」


 何と言うか、徹底している。


「今のあの子はちゃんと料理も出来るし、何ならお店に出してるメニューもあるのよ?」

「いえ、別にナターシャの料理が食べたくないってわけじゃないんです。ちょっと色々ありまして」

「そう」


 俺の言葉にアリーシャさんは何かを察したのか、それだけ告げると「待っててね」と言って出て行った。

 その後少し待っていたらアリーシャさんが料理を持ってきてくれたのでついでに聞きたい事を聞く事にした。


「一つ聞きたいんですけど、この町の魔術師隊の拠点ってどこにあるんですか?」

「拠点? みんながいる所って事?」

「そうです」


 俺の問いにアリーシャさんは目をパチパチとした後にすぐに答えてくれる。


「町の中心に領主様のお屋敷があるのは知ってるよね? その両脇に建物があるんだけど、正門に向かい合って左側にある建物が魔術師隊の宿舎じゃなかったかしら?」

「宿舎? 魔術師隊は宿舎に住んでいるんですか?」


 もしもそうなら、魔術師隊に入れれば住居の心配は無くなる。


「みんなじゃないみたいだけど、殆どの人はそうみたいよ? 隊長さんとか、お金を持っている人とかは自分の家から通ってるみたい。でも、普段はみんなあそこに集まってるわねぇ」

「ありがとうございます。左側の建物ですね」


 という事は、反対側の建物は騎士団の拠点か。

 宿代も馬鹿にならないし、ここは叔父さんに何とかしてもらうしかないな。

 まあ、あの様子だと無理やりにでも入れてくれそうな気はするが、何事も楽観視するわけにはいかない。


 その後部屋に戻って少しゆっくりした後、次の日を迎える。

 起きた後に、今日はどうしようか。

 そう考えている矢先の事だった。


「アレク君。なんだかグローリィさんの使いだって人が表で呼んでるんだけど……」


 ノックの音の後に聞こえてきたアリーシャさんの言葉を聞いた後、窓から外に目を向ける。

 そこには、昨日叔父さんの屋敷で会った使用人の女性がこちらを見上げている所だった。


 ……いや、確かに叔父さんは急げとは言っていたけど、流石に早すぎないか? 気持ちの整理も何も出来てないんだけど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ