水たまり
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
ご了承下さい。
水たまりは好きだ。子供っぽいと言われるかもしれないが、それでも。
雨は好きだ。雨粒の音や、それが落ちたときの音も、大好きだ。
中学生にもなってこんなことを言うなんて、やはり子供っぽいと言われる。
長靴のまま足を力強く水たまりに踏みこめば、思い切り水が飛び散る。そんな姿も素敵だ。
「……明日も降らないかな」
明日の天気は晴れ。天気予報を見なければ、こんな嫌な気分にはならなかっただろうか。
私はまた、水たまりに足を踏み入れる。
ただ、その水たまりを不思議に思った。力強く足を踏み入れたのに、水しぶきが立たない。
世界が不思議と静かになった。雨が止んだように、静寂の布にくるまれた。
ふとその水たまりに視線を向けた。今思い返せば、それが駄目だったのだろう。
目があった。
それと、目があった。
それは目だけ。目だけがそこにあり、その目が私を見ている。
なのに、どうしてか、私はそれから目が離せない。
雨粒が私の鼻先に落ちた。すると、その目は逃げるように消えてしまい、布が私から離れた。
何だ、何だろう。あれは、何だ。分からない。
ただ頭の中で、ずっと見てくる。離れようとしない。
私は変わらず歩き続けた。
家に帰っても、体を拭いても、その目は私の頭の中にずっといる。ずっとこちらを見詰める。
不思議と怖くはない。むしろ心地が良い。この目がとても愛おしい。
雨は好きだ。水も、好きだ。水たまりはもっと好きだ。そこから私を見るその目はきっと、私のことが好きなんだ。
お風呂に入った。浴槽に目は見えない。浴槽のお湯を手ですくっても、私が見たい目は見えない。
明日は晴れ。
私はてるてる坊主を逆さまに吊るした。
明日は大雨。
洪水注意報が発令された。同時に、大雨警報も。
突発的に現れたゲリラ豪雨らしく、私は居ても立ってもいられなくて外に飛び出した。
大粒の雨が、私を見ている。ああ、分かった。
これは違うんだ。理由なんてない。ただそこにいて、誰かを見詰めるだけ。そこにあるだけで、何の目的もない。
そこに蟻がいる理由なんて誰も考えない。そこで蛙が鳴いている理由なんて誰も考えない。それと同じ。そこにいるだけで、そこにあるだけ。
だけど人はそれに感動し、そして何かを思う。たったそれだけ。私はこの目を愛した。水たまりに、目が見える。
今まで見てこなかっただけなんだ。ほら、もう音も聞こえなくなった。
そこに、あるだけ。ほら、見れば見つめ返してくれる。これはただ、それだけ。
蛙が鳴くのと、同じ理由。
もっと見たい。あの目と視線を交わしたい。ただそこに居続けたい。水たまりの中に入ってしまいたい。
信号は変わる気がないらしい。雨粒に照らされた車のライトは私を照らし、もう何も聞こえないのに音を鳴らす。
赤信号は私の目では全て青信号となり、雨粒はもっと私を楽しませた。
目が見える。目が、私を見てくる。ずっと見ていたい。ずっと見られたい。
誰かが、橋のフェンスを揺らしている。誰かが叫んでいる。でももう何も聞こえない。
私の足下、そのもっと下には、膨れ上がって土砂を混ぜた川が見える。
そこに、もっと大きな目が見える。それは私を見てくれない。私は、私は見られていたいのに、あれは私を見てくれない。
許さない。
許さない許さない。
許さない許さない許さない。
「ああ、そうだ」
私を見て。私も見ているから。水の中まで、貴方に入ってあげるから。私を見ていて。そこにいるだけで良いから。
「お願い。お願い! お願い!!」
大きな大きな水たまり。きっと大きな音が鳴る。
私は一歩踏み出した。
最後まで読んで頂き、有り難う御座います。
ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。
ホラーは私の栄養素です。ホラー書かないと死んでまうんです。
あれはただそこにいるだけです。理由なんてありません。偶然見付けて、偶然見られた。たったそれだけの理由です。
何かあるわけでもありません。あれはそう言う物です。あれはただそこにあっただけです。
怖い物でもありません。ただそこにいるだけの蟻を恐れる人はいませんから。それと同じです。
雨粒の一つ一つを気にする人がいないのと同じ理由です。
あれは何でもありません。そこにいるだけです。
そこにいるだけです。
そこにいるだけです。
そこにいるだけです。
ヒント「蛙が鳴いている」
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