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2話 騎士

1人の男性が慌ただしく走り、酔いつぶれた戦士達をかわしながらぶつかりながら、机にうつ伏せるアエルに向かって声を上げ、呼びかけるが、アエルは寝息を立てていた、男性は少し息を切らし、声を上げたのにもかかわらず、起きないアエルを注視した後に、体を揺らし話す。

「おい!、俺、見たんだよ、お前がいたの、なあ起きろよ!!」

アエルは眠そうに顔を上げ、男性の方を見る、男性は少し青ざめた顔を見せており、起きたアエルに勢いよく話す。

「こえーよ、俺死ぬのかな!!、同じ顔のやつ見たら、食べられるんじゃなかったか!」

アエルはぼんやりとした顔を見せ男性に揺らされていると、酒の臭いがしない男性が、少し青ざめた顔の男性の頭を小突き、少し馬鹿にしたように話す。

「それを言うなら死ぬのはアエルだろ、お前の頭の中は鉄の事しか覚えられないのか?、それにな、アエルと同じ顔なんて、顔を変えた侵入者とかだろ、ほら前に噂になったじゃねえか」

それを聞いてもまだ青ざめた顔の男性は情けない表情を見せていると、アエルが立ち上がり「トイレ〜」と言い、便所のある場合にふらふらと歩いていく、少ししてアエルはふらふらと歩き戻って来る、2人はまだ同じ話をしており、酒の臭いがしないほうが少し面倒くさそうに話す。

「だから、フード被ってたなら、お前の見間違えだろ、いい加減にしねえと殴るぞ、アエルと同じ顔じゃねえよ」

アエルは自分と同じ顔と言う言葉を聞き、酒の臭いがしない男性の肩を掴み、話す。

「それ気になる、ねぇ〜その子何処にいた?、詳しく聞かせてよ、いいでしょ?」

酒の臭いがしない男性は振り向き、アエルを見ると少し目を見開き、俺は知らないと答える、少し青ざめた男性はアエルに向かって話す。

「俺あそこで見たんだ、えっと…ボボオの食堂で、たぶんそこにいるよ」

アエルは少し考えた後に「あの不味いとこ?」と呟き、2人に手を少し振りその場所に向かう、アエルが行ったのを確認した後に酒の臭いがしない男性が大きく息を吐き、話す。

「おい、お前も見たか?、アエルのあの顔、あれは相当きてたな」

先ほど青ざめていた男性はアホそうな顔を見せ「お前の背中で見えなかったよ、どんな顔?」

酒の臭いがしない男性は先ほどと違う意味でため息を漏らし、答える。

「笑顔、ただあいつが戦士になって7年、多くの戦場で笑みを見てきたが、あれほど隠す気のない笑みは見たことないな」

ほんの少しの静けさの後、先ほど青ざめていた男性は「笑顔なら、良いことじゃないのか?」と考えなしに発言し、ケツを思いっきり蹴り飛ばされる。


アエルは頬を上げ、ご機嫌に道を歩く、その姿を見てすれ違っていく戦士達は少し困惑の表情を見せる、アエルは少し迷いながら歩き、自分の戦う意味とさらに強くなれるかもと言う、その期待に胸を躍らせながら進み、ボボオの食堂を見つける、アエルはご機嫌にボボオの食堂に近づくと、感覚で何かを感じ取り、先ほどまで見せていた、表情とは違い、鋭い表情見せ、視点を2階に向けると、窓から小柄な機械が投げ出される、それを確認し、アエルは迷う事なく跳躍し、窓から部屋に侵入する、中に入ると少し見知った戦士の一人が少女に斬りかかっており、アエルは迷う事なく、踏み込み見知った戦士が斬りかかるよりも速く近づき、力ずくで見知った戦士を投げ飛ばし、部屋の壁に叩きつける、瞬時に少女の方を向き、顔を近づけ、少女の顔を見つめる、アエルは鏡などはほとんど見ることはないが、その少女が自分に似ていると確信する、ただ幼い頃の姿であることに少し疑問を持つが、それよりも自身の運命に出会えたことで笑みを浮かべる、アエルはリーアの手を優しく握り、話す。

「やっと現れてくれた、私の運命、それじゃ行こう」

そう言い放つとリーアは不安な表情を見せ立ち尽くす、アエルはそれを気にすることなく、リーアの手を引き部屋を出ようとすると、先ほど投げ飛ばした見知った戦士が声を上げ呼び止める。

「アエル!、ふざけやがって、そいつは侵入者だ、どこに連れて行きたいかは、知らないが今ここで殺す」

体を震わすようなその声を聞き、リーアは我に返り、アエルの手を離そうとすると、アエルはリーアの腕を引っ張り、自身の胸に抱き寄せ、見知った戦士に向かって話す。

「確かにふざけたよ、刺さなかったんだから、だけど今度は突き刺すよ、2日目で眠るのは嫌でしょ?、ロブラ」

ロブラは2人を睨み、持っている武器を強く握りしめる、その敵意を見たアエルは笑みを浮かべ、動きを逃さないよう目を見開く、少しの沈黙の後、ロブラが首を横に振り「殺す!」そう言い踏み込む、アエルはそれよりも速く動き、胸に抱き寄せたリーアを部屋の外に投げ出し、ロブラに近づき掴みかかろうとするが、ロブラが剣を横に振り、アエルを一歩後ろに下がらせ、心臓を狙い鋭く突き刺す、ただアエルはいつの間にか短剣を右手に握っており、それを使いロブラの剣を受け流し、ロブラの右腕を左脇で固め、短剣をロブラの喉に深く突き刺し、ロブラの片足を払い、押し倒す、ロブラは喉を突き刺された時点で死が確定しており、それ以上の追撃は必要ないにもかかわらず、アエルは何度か胴体を突き刺し、殺害する、アエルは立ち上がり部屋の外に投げ飛ばしたリーアの方を見るが、リーアの姿が見えず、アエルは「え?」と呟き、首を傾ける。


怖い、おかしい、なんで、そのような言葉を頭の中でぐるぐると回しながら、リーアは必死に走り、先ほどの2人がいた場所から離れる、しばらく走りリーアは物陰に隠れ、膝を抱えてうずくまる、手紙に書いていた人物が死んでいた、その事を思い出し、悲しい顔を見せ、それと同時に共に行動していた小柄な機械が居ないことに気づき、寂しさから涙を見せる、リーアはしばらくの間その場に留まり、少し平常心を取り戻し、この村に留まり続けるのは危ないのではないか、いやこの村にもういたくない、そう結論を出し、リーアは入ってきた場所を目指し、歩き始める、意外にもリーアは道を覚えており、そこそこの時間で入ってきた場所に着く、リーアは少しの不安と安堵を感じながら村の外に出れる、そう思っていると、門の前を何人かの戦士が塞ぎ、武器を手に取る、その戦士達はロブラと共にいた戦士達だった、リーアは殺されるそう思い、振り返り逃げようとすると、乾いた血で両手を染めるアエルが立っており、リーアが気づいたのを見て、顔を小柄な機械で隠し話す。

「リーアこんな場所にいたの?、ずいぶん探したよ、ほら~、一緒に帰ろ?」

それを見てリーアは涙を見せ、声を漏らし、その場に身を任すように力なく座り込む、その姿を見てアエルは困惑の表情を見せ、小柄な機械に「リーアの側に行って」と言い、小柄な機械を地面に下ろす、門の前を塞ぐ戦士達はアエルの言動を見て聞き、少し顔を引きつる、ただその表情はすぐに真剣で殺気を感じる顔になる、アエルは片手に剣を持ち、もう片手に手斧を持ち、ゆっくり歩き戦士達に近づく、戦士の1人がアエルに声を上げ話す。

「アエル!、ロブラは殺したのか?、いや殺したな、それ以上近づいてみろ、タダじゃ…」

アエルは警告を聞こえていないように歩き続け、その姿を見た戦士の1人が「遠慮するな!!」そう声を上げ、アエルに向かって走り始める、それに続くように他の戦士達も迷いもなく走り始める、アエルは狂ったようにも思える笑みを浮かべ、戦士達に立ち向かう、しばらくの間辺りに鉄のぶつかる音と怒声、人が放つ音を響かせ、リーアの前に誰かが座り込み、顔をのぞかせる、その人物はアエルであり、複数個の切り傷と打撲の跡があるが、アエルは気にすることなくリーアに笑みを浮かべる、ただリーアは縮こまっており、アエルは血で濡れた手を自身の服で拭い、リーアの頬を両手で挟み、話す。

「リーア?、探したい何かがあるんでしょ?、こんな場所で留まり続けていいの?」

その言葉を聞き、リーアは恐る恐る顔を上げる、アエルは続けて話す。

「それにお腹も空いてるんでしょ?、私と一緒に行こうよ、ふかふかのベットもあるよ」

それでもリーアは首を縦に振らずにいると、小柄な機械がおぼつかない足取りでリーアとアエルの間に入り、リーアに向かって音声を発する。

「リーア、コノ人ニ、同行を、勧めます」

リーアは小柄な機械が動き、音声を発したことに驚きと喜びで「え?」と声を出し、小柄な機械を胸に抱える、小柄な機械は少し籠った音声で言葉を発する。

「衝撃で、一部機能が、戻リマシタ、リーア、コノ人ニ、同行を」

それを聞き、リーアは少し不安気にアエルの顔を見て「わかった…」と言い、アエルはそれを聞き、リーアを持ち上げた後に抱え「いくよ!」と言い歩き始めるが、リーアが呼び止め話す。

「待って、一つだけお願いを聞いて欲しいの、ご…ご飯にお肉が食べたい…です」

アエルは笑みを見せ、答える。

「それなら良かった、肉系がほとんどだったから、美味しいのは多分食べられてる…、それでも余ってる物も不味くはないから」

そう答え、アエルは中央にある、建物を目指し、歩き始める。


アエルの部屋がある、大きな広場に着き、そこはアエルが出ていった時よりも人が居り、騒がしくしていた、アエルは自身の部屋に向かおうとすると、行く手を塞ぐように数人の戦士が立ち尽くし、その中からアエルの父親が現れ、少し低い声で話す。

「娘よ、ロブラを殺したと聞いた、なぜ殺した?、あいつはいい戦士だ」

アエルは何の躊躇いもなく答える。

「うん、殺したよ、後子分達も、なぜ?、そんな事聞いて意味ないでしょ?」

アエルの父親は腕に抱える、リーアに強い視線を向けると、アエルが話す。

「理由…、私のお姫様をいじめたから?、もう行っていい?、じゃーま〜」

アエルの父親は眉を寄せ、少し怒りが見える口調で話す。

「お前は、強くなった、ただ兄達のように良い戦士ではない、戦士になれ」

アエルは「はいはい」と適当に返事を返し、自身の部屋に戻る為に歩き始め、途中で立ち止まり、食事をしていた、1人の若い戦士の肩に触れ話す。

「頼み事を聞いてよ、この子の着替えと出来るだけ美味しそうな肉系のご飯、私の部屋に持ってきてよ」

若い戦士は「は…はい?」と言葉を漏らし、アエルはその言葉を返事と受け取り「ありがと」と言い、自身の部屋に戻る、隣に居た戦士の1人が「あーあ、聞かないと殺されるぞ」と笑いながら話し、若い戦士は「そ…そんなー、嫌だー!」と声を漏らす。


アエルは自身の部屋に入り、腕に抱えていたリーアを地面に下ろし「血、洗ってくる」と言い放ち、アエルは部屋を出て行く、リーアは少し落ち着かない様子で部屋を歩き回り、少し遠慮しながらベットに腰を掛ける、しばらくして足音が聞こえ、その足音は部屋のドアの前で止まり、ノック音が鳴る、リーアが返事を返そうとすると、外にいる人物が話す。

「あ、あのー、アエルさん?、持ってきましたよ、居ますかー?」

リーアは少し急いでドアの前に行きドアを開ける、ただドアを勢いよく開けたせいなのか、若い戦士は少し怯えたように話す。

「すいませんー、遅くなりました!、どうか命だけはー!!」

リーアが何も言わずにいると、若い戦士は恐る恐る薄目を開ける、リーアが目の前にいることに気づき、若い戦士はしっかりと目を開け、部屋を少し覗き込んだあとに話す。

「アエルさんは居ないんですね…、良かった、あのこれ着替えです、それとスープです、す…少し僕なりにアレンジしたんですけど…、許してください」

若い戦士はそう言い終えると、少し困ったように立ち尽くす、リーアは受け取ろうと両手を前に出し「ありがとう」と言うが、若い戦士は小さく首を横に振り、話す。

「あの…受け渡すよりも、運んだほうが…、あの…入っていいですか?」

リーアは頷き、若い戦士は恐る恐る部屋に入り、衣服と食事を机の上に置き、少し急いで部屋の外に出ようとするが、リーアがそれを呼び止め、若い戦士は足を止め「な…なん、ですか」と少し緊張した様に返事を返す、リーアは「本!、本が読みたいの」と話すと、若い戦士は驚いた顔を見せ話す。

「本ですか?!、僕!、好きなんです、本!、色々持っていますよ、何が読みたいですか?」

リーアは興奮した若い戦士を見て、少し困惑し、リーアは少し考えた後に「アミストの冒険記」と言うと、若い戦士は何度か頷き返事をする。

「わかりました、明日には持ってきますね…、あ…あの、本が好きって事は、他の戦士の皆に言わないでください、お願いします」

そう言い終えると若い戦士は部屋を出ようとすると、アエルが部屋の入り口に立ち、若い戦士を見つめていた、いやうっすらと睨んでいた、それを見た若い戦士は「いつから!!?」と少し震えた声で叫び、何度も口をパクパクとし、体を震わす、アエルはそれを気にする事なく、部屋に入り、話す。

「最初から?、びっくりしたよ、部屋に入るから、殺してやろうと思った、でもありがと~」

それを聞き、若い戦士は逃げる様に部屋を出て行く、少し沈黙が続き、リーアが少し睨むようにアエルを見て話す。

「何で酷いこと言うの?、あの人良い人なのに、酷いよ」

アエルは少し首を傾げ、返事をする。

「良い人なの?、私には分からないから、変に近づかれて殺されるのは嫌でしょ?」

リーアは少しムスッとし「そんな事しない」そう言うが、アエルは「あれでも戦士だよ」と冷たく言い、リーアに近づくが、リーアは更にムスッとし話す。

「あなたも戦士!、だったら私を殺すの?、近づかないで」

その言葉を聞きアエルは立ち止まる、少し緊張感が走り、小柄な機械がリーアの目の前に現れ、音声を発する。

「アエルハ、助けます、リーア、落ち着いテ」

それを聞きリーアはハッとした顔を見せ、アエルの顔を見るが、アエルは笑みを浮かべており、にこやかに話す。

「戦士なんて辞めるよ、私はリーアの為だけに生きるの」

アエルはゆっくりとリーアに近づいていき、続けて話す。

「リーアが私に死ねと言えば死ぬし、生きろと言えば生き続ける、だからね、リーア、私に戦う意味を教えて」

アエルがそう言い終える頃には、リーアの目の前まで近づいており、リーアはその言葉の重さに、少し引いていた顔を見せていた、リーアが何も喋らずにいると、アエルはリーアに飛びつき、ベットに押し倒す、アエルはゆっくりと顔を近づけていき、リーアは混乱した表情を見せ、手元にあった枕を勢いよくアエルの顔に叩きつける、叩きつけた後にリーアは不安気な表情を浮かべ、アエルを見つめる、アエルは何とも言えない表情を見せており、小さく「やるね~」そう呟き、笑みを浮かべ、リーアをくすぐる、リーアは少し我慢するが、すぐに笑いのダムが崩壊し、笑い声が部屋に響く、しばらくの間2人は戯れ、少ししてリーアが眠りにつく、アエルは少しリーアの様子を窺い、小さな声で話す。

「約束は守ったよ、話を聞かせてよ、変なの?」

アエルに小柄な機械が近づき、ゆっくりと話し始める。


夜が明け、偽物の日の光がリーアを照らす、リーアはまだ少し眠そうに起き上がり、大きくあくびをすると、ドアを少し重い音で誰かが叩く、リーアは若い戦士が本を持ってきてくれたと思い、ドアに向かおうとすると、アエルがそれを止め、小さな声で話す。

「リーア、何か違う、少し隠れていて、私が行くから」

そう言い終えるとアエルは、置かれた剣を手に取り、ドアを開ける、扉の先にはアエルの父親と複数人の武装した戦士が立っており、アエルの父親は部屋の中に入ろうとするが、アエルは前に立ち塞がり、話す。

「朝早くから何?、3日目だし、戦いの準備しなくていいの?」

アエルの父親は少し面倒くさそうに話す。

「今週は戦はしない、子供は何処だ?、娘よ?」

それを聞きアエルは鋭い表情になり、口を開く。

「へー、戦わないの?、あの子、起きたら居なくなってたよ、何で探すの?」

アエルの父親は少し苛立ったように「神々の意志だ」そう言うと、アエルは「見つけて殺す?」そう聞くと、アエルの父親は何か言おうとした瞬間に、アエルは自身の父親の首を狙い勢いよく剣を振る、後ろにいた武装した戦士の1人がそれを止め、アエルは後ろに下がり「変なの!、煙」そう叫び、その言葉に従うように、リーアに抱えられた小柄な機械が黒い煙を瞬時に部屋中に生み出す、アエルはリーアを腕に抱え、窓を突き破り、外に出る、意外にもアエルの父親は冷静に「追え」と武装した戦士達に言い放つ。


アエルはしばらく走り、少し高い建物のベランダに身を隠す、アエルは少し悩んだ顔を見せており、リーアが「どうしたの?」と聞くと、アエルはそれに答える。

「どう出たら良いかなーて…、それは別に大したことないか、それより食べ物…」

アエルは首を横に振り、少し落ち着く為に別の話をする。

「リーア…、私は騎士になるよ、リーアを助けた騎士みたいに…、違う、リーアだけの騎士に」

リーアは少し驚いた顔を見せ、それと同時に謎の騎士が自分を助けた事を何故知っているか、と言う疑問が生まれ、アエルに聞こうとするが、何かを破壊する音が聞こえ、意識を音がなる方に向けると、一人の大柄な戦士が壁を破壊し、勢いよくアエルに飛びつき、自分もろとも地面に突き落とそうとする、アエルは瞬時に辺りを見た後、他に敵が居ないのを確認し、それを受け入れる、すぐに強い衝撃が襲い、小さく短く唸り声を出した後、手に持つ剣を手放し、拳を大柄な男性の顔に向けて叩き込む、大柄な男性はそれをもろに食らい、背中から倒れる、アエルはマウントを取り、冷静に拳を大柄な男性の顔に向けて何度も振りかざす、数ど殴りつけると、大柄な男性は一切動かなくなり、アエルは立ち上がり、上にいるリーアに向けて話す。

「リーア、終わったよ〜、ジャンプ、受け止めるから、は〜や〜く〜」

リーアは下を覗き、高さに少し怖気づき、躊躇していると、誰がリーアに話しかける。

「そこは危ないですよ、早くこっちに、リーアさん」

リーアは声がした方に視点を向けると、本が好きな若い戦士が少し薄暗い部屋に居り、手招きをしていた、リーアは一歩そちらに進むと、下からアエルが「リーア?」と声を上げる、アエルの声を聞きリーアは戦士と言う言葉を思い出し、下に飛び降りる、アエルはリーアを優しく受け止め、腕に抱え、走り始める、少し薄暗い部屋の中、本が好きな若い戦士に誰が話す。

「なんだ、ハズレか、俺も上手くいくと思ったのによ、早く行こうぜ、手柄取られる」

その言葉を聞き、本が好きな若い戦士は「そうですね」と返事をする。


アエルはまたしばらく走り、リーアが村から出ようとしていた、門の近くに着く、ただ多くの戦士が2人を待ち構えており、それを見たリーアは不安気な表情をアエルに向ける、アエルはリーアを降ろし、狂ったような瞳を覗かせ、話す。

「リーア、外を目指して走って欲しいの、私を信じてくれる?」

リーアは少し震えた手でアエルの手を握り、頷く、アエルは優しく手を握り返し、続けて話す。

「絶対に護るからね、リーア、いつでも良いよ」

少しリーアは目をつむり、リーアは勢いよく走り始め、門の付近にいる戦士の何人かがリーアに気づく、その中の1人が「来たぞ、足を狙え」と言い、弓をリーアに向けて放つ、ただその矢はアエルの剣によって弾き飛ばされる、先ほどの声で他の戦士達も状況を理解し、武器を手に取り、リーアに向かって走り襲いかかる、ただその全てをアエルが斬り伏せていき、放たれた矢は叩き落されていく、その姿を見て、戦士達の標的は自然とアエルに向いていく、リーアは門に近づくと前に簡易的な壁が作られており、通り抜けることは不可能だと気づく、リーアはすぐに門の上を目指すが、そこには弓を持つ戦士が居り、数人がリーアを狙い澄ましていた、ただ狙い澄ました矢が放たれる前に、斧が体に突き刺され倒れ込む、リーアが門の上に近づくと、胸に抱えている小柄な機械が音声を発する。

「クッションにしてください、ソレヲ勧メマス」

それを聞きリーアは門の上から飛び降り、小柄な機械をクッションにする様に落下する、小柄な機械は不思議と弾み、その衝撃でリーアは少し転がり立ち上がると、門の上から放たれた矢が見え、思わず目を閉じる、血の臭いを乗せた風が吹き、リーアが目を開けると体を血で濡らすアエルが矢を掴んでいた、アエルはその矢を捨て、リーアを腕に抱え、森に走り逃げていく。

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