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一国の異世界が世界を救う  作者: アドミラル
第一章 地球編
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第五話 国防軍出撃と緊急事態

 達也たちは援軍としてカルデラ王国に救援を出した総理大臣のお願いを叶えさせるために国防軍全軍を日本に来させた。

 竜龍は連絡で国防軍に時空の鳥居をまたいで待機するように伝えたのもあり、集合場所は日本側の時空の鳥居前だった。


「とりあえず現状の戦況を伝える」


 達也は国防軍の隊長でもあったので、総理大臣から聞いた日本の戦況を伝えた。

 まず日本は二日前から侵略を受け、今の今まで各基地にいた自衛隊で防衛線を維持していた。日本の持つ集団的自衛権は達也が日本に来る少し前に使用した。だがもはや戦況は厳しく、各基地が協力して日本海側の防衛には成功し、海上自衛隊と航空自衛隊の連携で威嚇程度に迎撃が出来た。しかし北海道方面の戦況はかなり劣勢であり、ほぼ侵略されてしまい津軽海峡で戦線を抑えてるだけだった。

 そこで達也は今の戦況を鑑み、北海道への援軍は達也、郁弥、春波、杏、紀和の五人を除く十人全員が出撃、援軍の隊長は竜龍に任せた。ただ達也たちはただ待っている訳では無い。達也は郁弥から日米同盟でアメリカと同盟なのに動かないアメリカに不信感を持ち、最悪の事態を想定して予備戦力として待機することになっていた。


「なんか、みんな来たのは正解だったかもしれないね」


 春波は達也にそのように言った。確かにカルデラ王国の周辺国家は剣や弓が主流の兵士が相手だが、地球は銃などの近代武器が標準装備でミサイル等といった切り札的な近代兵器を多数所有している。

 対してカルデラ王国は複数人を殲滅するために武器を進化させてきたので、防弾装備を持っている兵士はいない。しかも広範囲に被害をもたらす武器しかない。つまりカルデラ王国の武器や兵器は、自分たちより格下を倒すために想定した装備しかないので、もしも陸軍を出撃させてしまったら同格との戦闘に慣れてないし、そのような想定もしていないので、甚大な被害を受けて帰ってくるオチまで見えた。


「なら我々が敗北してはならない理由ができたな」


 今回の国防軍に課せられた目的は二つ、一つは日本の領土を奪還すること、もう一つは敵の戦力がどれほどかを調べることだった。だから失敗は許されず、敗北することも許されない状況になった。だが敗北してならないのは日常茶飯事であり、自国でも同じようなことをしている国防軍に取っては心配にならないことだった。ただ敵が少し強くなっただけである。

 そして達也の指示で十人は松岡柚葉が人から竜の姿へ変身し、その姿になった柚葉の背中に乗って北海道方面へ飛んでいった。

 松岡柚葉は竜族と人族の間に生まれた竜人族であり、人のときは大きな赤い尻尾と流線型のツノが二つ頭に生えて赤い髪と目をした女性だが、竜の姿になれば赤い鱗をまとった巨大なドラゴンの姿へと変化する。


「柚葉・・・街燃やさないかな?」


 柚葉は見た目通り炎を吐くことができる竜人族であり、しかも柚葉はオリジナルマジックの竜神である。竜神とはオリジナルマジックの一つであり、竜族か竜人族以外で授かることのできない特殊な力、その力は自分が使える魔法を強化するという単純な能力である。しかし技術を磨けば磨くほど、その力は強大になり、柚葉が吐く炎は五千度を超える熱量を持っている。

 達也もそうだが戦場でむやみに炎を吐くことを禁じていた。しかし今回は敵の強さを図るためにわざと炎を吐く可能性すらあった。


「まあその時は資材などを損害賠償として渡しましょう」


 春波は達也の手を握った。


「イチャイチャしないでくれないか不愉快だ」


 郁弥は春波と達也に殺意を向けてかなり不機嫌な声で言った。

 達也と春波は実は夫婦である。白井春波は人族と魔族の間に生まれた人魔族である。人族や魔族でもかなり珍しい種族であり、特徴として見た目は完全に人間だが、魔力量が魔族の中でも上位に位置する魔力量であることだ。しかし春波は人魔族であるだけで魔力量は殆どなかった。そのせいでどこに行っても虐げられていた。それを助けたのが達也だった。それから仲が良くなり、夫婦まで向かえた。

 郁弥は全世界を探しても最も長く生きているのに、今まで婚約どころか恋人すらできなかったのもあって、近くで恋人や夫婦がイチャイチャしていると本能的に怒りが湧き出るようになった。

 予備戦力として待機していると、総務大臣が走って達也の所に来た。


「大丈夫ですか?一応、今は夏ですよ」


 日本は夏の時期で、しかも達也たちが来た日は炎天下でかなり高い気温だった。そんな気候で総務大臣はスーツ服で走ってきたのである。

 だがそれでも総務大臣は伝えなければならない事があった。それはアメリカが発表したことである。なんと国連の常任理事国が全会一致で日本を国連から追放して、アメリカが日本に宣戦布告してきたのである。

 アメリカがここまで大胆に動くのは予想外だったが、これで手加減をする必要がなくなった。


「杏と紀和はタッグで日本本土にある基地を片っ端から殲滅せよ。私と郁弥は沖縄の奪還へ向かう。春波は今すぐ援軍に向かったみんなに事情を伝えて、ここに戻って最新情報を集めるようにしてくれ」


 達也は流石にここまで大胆にアメリカが動くと思っていなかったので、国防軍の戦力を殆ど北海道に向かわせてしまったが、竜龍が状況を理解して最適な戦力配分をすると信じた。


「一つ聞きたいのですが、外務大臣はどうしたのですか?」


 郁弥はこれ程の問題が外務大臣以外で来るのはおかしいと思い、総務大臣に聞いてみた。すると外務大臣がスパイで、ここまで戦況が劣勢になったのはその外務大臣のせいだった。その外務大臣の名前を聞いた郁弥は驚いて、少し後退した。


「戦力なんだけど・・・俺に任せてくれ」


 郁弥は久しぶりに本気の目になってくれた。今までの余裕さや優しそうな表情を変えたのである。

 達也は郁弥の表情を見て、戦力配分を変えて日本本土は杏と紀和だけにして、残りは全員で沖縄の奪還へ向かうことになった。

これはフィクションです。現実とは全く関係ありません

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