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一国の異世界が世界を救う  作者: アドミラル
第一章 地球編
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第三話 開門

 カルデラ王国では緊急で時空の鳥居の建設を急がせた。だが途中から建設作業に合流した郁弥のおかげもあって、一晩のうちに完成したのである。

 達也は次元移動装置である時空の鳥居の開発成功を朝に聞いて、すぐに時空の鳥居がある王城の地下二十三階四号室に来た。


「どこまで終了している?」


 達也はあまりにも早かったのと、朝早くに叩き起こされたように開発成功を聞いたのもあり、少し興奮気味な所があった。だから達也はいつも通り聞いているつもりだったのだが、声が少し苛立っていた。

 建設作業をしていた人たちは達也の声に少し恐怖してしまった。だが郁弥が建設作業の責任者が持っていた報告書を奪い取って達也に渡した。


「あとは私が座標を入力すれば終わりだ」


 郁弥は最後に残っている自分の仕事が残っていることを達也に伝えた。達也は郁弥から渡された報告書を見ていると、郁弥に報告書を押し付けた。


「完成してくれ」


 郁弥は達也に押し付けられた報告書を受け取って頷いた。

 数時間後、達也もようやく目を覚ましていつもの優しい声で建設作業の人たちと話していると、国防軍が全員集合した。


「隊長、本当に私達が出るのか?」


 国防軍はカルデラ王国の軍部にある中で少数精鋭で一騎当千に匹敵する強さを持った人が集められている。総兵力は十五人しかいないが、一人一人が少なくとも数百人以上を相手できるほどの戦闘能力を持っている。

 そして国防軍の隊長である達也に質問したのは竜龍だった。竜龍は白髪の赤目で軍部の総軍団長も務めているのもあって、カルデラ王国軍の軍服を着ている。


「過剰戦力だと思うか?」


「その心配をするんだったら両極端だと思うかな」


 竜龍は現状のカルデラ王国を心配していた。

 カルデラ王国は周辺国家と戦争状態であり、文明レベルや軍事力では圧倒しているが、敵には圧倒的な兵数を持っていた。陸軍と空軍で軽々と抑え込んではいるが、たまに数のゴリ押しで防衛線を突破してくる時がある。その時の人数にもよるが国防軍の中で誰か一人を出撃させないといけなかった。だから最後の砦とも言える国防軍全戦力を次元移動先に全て傾けるのは心配になってしまった。


「大丈夫だ。そうさせないために事前に遠距離砲撃型要塞砲で敵戦力の大半を吹き飛ばしたからな」


 達也が言った遠距離砲撃型要塞砲とは、敵の大規模総攻撃に対処するために開発された列車砲であった。全長55m、全幅9m、全高15m、口径1000mm、砲身長50mとかなりの巨体で、しかも四本のレールの上で移動の制限と重量が2,500トンであるがゆえに移動速度もかなり遅い。しかし大口径砲から放たれる5.5トンの榴弾の威力は榴弾砲用に開発された装甲板50mの厚さに甚大な被害をもたらすほどの威力を持っていた。そのためこの遠距離砲撃型要塞砲は各要塞に一両か二両ほど配備されていた。

 達也は竜龍の許可なく勝手に要塞砲を運用したことに怒りが湧き出し、思わず反射的にゲンコツさせてしまった。

 すぐに和解をすると、ついに時空の鳥居が開いたのである。そして郁弥は次元移動先がどうなっているのかの現状を伝えた。殆ど達也が予想した通りだった。しかし今までの経験を踏まえると軍を動かしてしまうと、裏切りが起きるかもしれないと思ってしまった。


「それはない。私が保証する」


 郁弥は達也の心配事は理解しているつもりだった。だから達也の心配を少しでも柔らかくさせるために自分という保証人を出した。

 なぜ郁弥が保証人になれるかと言うと、これから向かう場所はある意味で言えば郁弥の故郷であり、帰省でもあったからである。だからこそ次元移動先にいる人たちがどのような人たちなのかだいたいのことは理解している。だから達也たちは信用することができた。


「ならば行くぞ」


 達也は堂々と歩き出した。

 達也の背中を追うように郁弥と竜龍も歩き出した。

 他の国防軍の人たちは援軍として出撃してもらうために来ているので、一旦待機してもらっている。

これはフィクションです。現実とは全く関係ありません

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