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一国の異世界が世界を救う  作者: アドミラル
第一章 地球編
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第一話 平和を求めて

 カルデラ王国首都の中心にある王城の中に国王の執務室があった。その執務室には二人の男がいた。

 黒い髪の中に赤い髪が線のように入り、黄色の目をして細い体で着物を着ている男が白井達也、カルデラ王国の国王であった。


「郁弥、こっちの情報を調べておいてくれるか?」


 達也はオリジナルマジックでソファーにだらけている男まで紙を浮かして渡した。男は浮いている紙を取ると、その内容を読み始めた。

 黒髪で青色の目と水色の目をして、スーツの上にロングコートを着ている青年の顔立ちをしている男は海藤郁弥、カルデラ王国の国王たる達也の秘書のような立場として共に行動している。


「良いのか?もしこれが事実だったら、お前の孫を殺すようなもんだぞ」


 郁弥が読んだ紙には第三都市を管理している貴族が責務を放棄していることが書かれていた。

 カルデラ王国は長年戦争をしているのもあり、国土は広大で首都と同等の規模を持つ都市は第一都市、第二都市と区分されるのだが、その都市の数は実に八十七都市を超えながら、まだ国土には余裕がありすぎるぐらいだった。だから各都市では貴族が管理して、市役所のような仕事を任せていた。だがその仕事を放棄、悪用したりする貴族には、権威の失墜か処刑されるかだった。毎年一回以上は行われるのだが、ついに達也の子孫にあたる貴族が仕事を放棄している可能性があると連絡が入ったのである。

 達也は他の書類に目を通しながら郁弥の質問を聞いた。


「確かに心苦しい。だけど仕事の放棄と悪用をする者は消さねばならない。例えそれが我が子であろうとね」


 郁弥は達也の表情は変わっていなかったが、どことなく悲しそうな雰囲気があった。だがそのことを伝えてしまえば、達也の覚悟を不意にしてしまうから黙って別の話にした。


「そう言えば例の計画はどうなってる?」


 郁弥が聞いた計画とは次元移動装置開発計画である。

 次元移動開発計画とは、長年の間戦争が絶えず、終戦させるための手段を取ったが、それでも講和に持ち込むどころか交渉することすら出来なかった。だから今の常識だけに囚われるのではなく、別世界での交渉術や講和時の方法などを提供してもらうために移動手段を手に入れる必要があった。だからカルデラ王国の持つ圧倒的な技術力を活かして、次元移動を可能とした装置を開発している。


「次元移動装置開発計画だな。予定通り三ヶ月後、緊急であれば一週間以内に終了すると書かれている」


 達也はちょうど読んでいた紙に書かれていて、郁弥にその紙を浮かせて渡した。

 カルデラ王国は殆ど計画に成功しているに等しかった。あとは技術の粋を集めて建設中の時空の鳥居を完成させるだけだった。だが建設が完成するだけで細かい技術開発には郁弥の手助けが必要だった。


「じゃあ一日でも早くしたほうが良いかもしれない」


 達也は郁弥の言葉を聞いた途端に机の横にあった三色のボタンがあった。手前から強化ガラスで蓋をされた赤いボタン、青いボタン、黄色いボタンがあった。その中で黄色いボタンを押すと、電話機が突然三色ボタンの上に現れた。すぐに電話番号を打ち込んで受話器を取った。


「私だ。次元移動装置開発計画で行われる時空の鳥居の建設を緊急で完成させてくれ」


 達也が電話をかけたのは時空の鳥居建設現場だった。だがすぐに繋がるとは思っていなかった。なぜなら今は建設作業時間中の十五時であり、電話をかけた事務所には人が出払っていると思ったからだ。

 だから王城と軍事施設なら強制的に留守番電話になる黄色いボタンを押して電話をかけた。

 電話をかけ終わり、受話器を戻してもう一度黄色いボタンを押すと電話機が消えた。


「・・・どうして急がせた?」


 達也は遅れながらも郁弥に聞いてみた。

 郁弥はソファーから起き上がって、そのまま立ち上がった。


「少しまずいかもと思っただけだ。確証はないけどね」


 郁弥はそう言い残すと、執務室から出ていった。

 達也は郁弥のオリジナルマジックと能力を考え、急がせた理由に最悪の状況と面倒くさい状況が思い浮かんだ。もし達也が思った通りになってしまったらと考えてしまうと、ため息をつくほどだった。


「最悪の場合は見捨てて、面倒くさい場合は・・・助けるか・・・」


 達也は気乗りしなさそうに助けることにした。だが面倒くさい状況に応じては助けずに見捨てることも考慮に入れている。

 達也は他のことも考えながら青いボタンを押すと電話機が現れ、今度は違う電話番号を打ち込んで受話器を取った。青いボタンは黄色いボタンとは違い、留守番電話にならず通信ができるようになっている。


「こちら国防軍副隊長、龍鬼竜龍です」


「カルデラ王国国王兼国防軍隊長の白井達也だ。臨戦態勢を維持視するように全体に伝えてくれ」


 達也は電話で副隊長である竜龍に細かい事情も伝えて、いつでも出撃できるように伝えた。


「了解、何人かプライベートで街に出ているから今晩に伝えるけど大丈夫?」


 竜龍は達也の事情を聞いた上でそのように伝えた。

 達也はもちろん了承した上で準備を始めた。

これはフィクションです。現実とは全く関係ありません

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