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え~~こんにちは。スギ花粉です。この人・・・誰だが分かるでしょうか?分からない人すいません。まぁ・・・本編の補足みたいなものですので。ではどうぞ~~

ジョルンは思う


(何ということだ・・・・・・・・)


国王は結局、理由をつけられ・・・軍の統率権を法王からもぎ取れなかった


神王の軍との戦いはまったく無駄だったといえる。


魔法が効かないという神王との闘い・・・・・・法王の命令といえど、他の将軍たちは恐れをなした


そこで国王が自ら名乗りを上げたのだ・・・地位向上の機会とみたのだろう


そして・・・・・・・国王派の私が指揮することとなった


だが、それでも大将は別の将軍・・クレア・オークハートという小娘がとることになった


ギリっと歯を噛みしめる


今でも、自分が鍛えた兵たちの叫び声が聞こえる


(・・・・・まったくもって暗愚だ)


今や魔国との戦いが本格化している。


そんな中・・法王の怒りの矛先は北だ。


北部総督のソロス・スタットックが理由をあげ、兵を出さないのだ


これは反乱だと息巻いているものもいる


もともと北はアートス神の信者が少ない、昔からの精霊信仰が盛んなのだ


それに僅か100年・・・・・・・北部の人々はなお独立意識が強い。


反発するのも仕方ないだろう


「ハァ・・・・・」


(自分も・・・もう歳だ・・・後何度・・・本格的に戦えるのか・・・・)


闘ってこそ・・・・・・・武人だ


自分の人生は戦がすべてだったのだ


幼き頃から軍学を学び、若くして将軍となった


・・・・・・・・・・・実力でのし上がったという自負もある


事実・・・・・ドラグーン王国との戦では数々の戦功をあげた


味方からは名将と頼りにされ・・・敵からは軍神と恐れられた・・・


それが今や帝都で新兵の訓練などをやらされている


・・・・・・・・・・・墓場は戦場と決めているのだ


だから、魔国戦には参加させてくれと申し出た


だが・・・・・・断られた。


老骨扱いだ・・・・・・・


その時・・廊下の先からとある人物が歩いてくるのが見えた


「これは光の勇者様」


とジョルンは挨拶をする、その白い髪の女性は礼儀正しく挨拶を返してくれる


「おはようございます・・ジョルン将軍」


「この度の魔王討伐の件・・おめでとうございます。見事・・役目を果たされましたな。後は、我ら軍人にお任せてください」


というと勇者は少し顔を曇らせる


「・・・・・はい、ありがとうございます」


「???」


ジョルンは少し違和感を感じたが、今度は勇者の方から質問がきた


「ジョルン将軍は・・魔国戦には参加されないのですか?」


「・・・・・・・私はもう歳です。後は才能ある若者に任せても良いと思います」


「そんな・・・・模擬戦の時の動きは勉強になりました。素晴らしい動きでしたのに」


「いえいえ、勇者様の指揮ぶりもなかなかのものでしたよ」


実際、この勇者の指揮は素晴らしいものがあった。


(・・・・他の将軍にも見習ってほしいくらいだ)


これで武術まで極めているのだから、恐れ入る。


「・・・・私など・・まだまだです」


やはり・・・少し様子がおかしい


ジョルンは勇者に会ってから感じている事を言ってみることにした。


「勇者様・・・・何やら悩んでおられますね?」


「・・分かりますか?」


「はい・・・年の功とでも申しましょうか・・・・迷いは武人にとって一番の敵ですよ・・その悩みが何かは私には分かりません。ですが・・・後悔しない決断をなさいませ」


「はい・・・ありがとうございます。少し・・励まされました・・・では」


と去っていく勇者


その後ろ姿を見ながら思う


(・・・・・・・・・迷い・・・か)


と苦笑しながら自分の部屋へと戻った


すると・・・・・扉の下に何かが挟まっている


それを手に取って見る、ジョルン


それは1通の差出人も書いていない手紙であった


この手紙がジョルンの運命を大きく変えることとなる




=========    ================


ギーコ・・・・ギーコ・・・・


船を漕いで、帝都近くの名もない湖の中央へ行く。


すると・・・・そこには一隻の小船があり、一人の男がいた


「・・・・あなたがこんな所にいると知ったら、法王様は激怒するでしょうね」


「そうでしょうね・・だが・・まさか、いるとは思わない」


そこにいたのは、茶色の髪をした青年だった


「・・・・・・・スタットック殿」


「よして下さい・・・ここからは身分も関係ない・・男同士の話です・・本心を語りましょう・・・誰も聞いていないですし」


年若き、北部総督・・・・・ソロス・スタットックはこちらを見つめていた



=============     ==================



「・・・・神王の件は残念だったでしょう・・・」


ジョルンがソロスの船に乗り移ると、開口一番こう言われた


その事を知っているとは意外だった


「・・・・いえ・・・・」


「その気持ちは幾ばくか・・・自らの手足をもがれるような気持ちであったはず・・・」


「・・・・・・軍令は絶対です・・指揮官に従わなくては軍として成り立ちません」


「悲しいな・・無能な上司を持つと苦労するのは下の者ですね・・・将軍の場合・・あの時ばかりではないはず」


「・・・どういう意味でしょうか?」


ふ・・・と皮肉そうに笑う


「国王は無能な男といったのですよ」


「・・・それは・・不敬罪にあたりますよ」


「はん!!あんな無能に何ができますか・・・・女狐に利用されるだけの駒にすぎない」


そういうと、ソロス・スタットックは遠くを見つめる


そして、いきなり宣言した



「我ら北は帝国より独立します」



その言葉を理解するのに幾許かの時を要した


「それは・・・・・反乱ですか?」


「反乱?馬鹿なことを言わないでもらいたいですね・・・・北部の人間はアートス神なんぞに屈したりしません。100年間も虎視眈々と狙っていたのですよ・・・飛躍の時をね」


スタットック家を継いだのは、男であった。


若くに両親をなくし・・・・・・そしてこの男が北部総督となった。


その後の剛腕ぶりは中央にまで噂が聞こえてきた・・・


だが・・・黒い噂も絶えない・・・


あの一件もある・・・・


油断はできない


「・・・・・」


ジョルンは黙った。


これから重大な決断をすることになるかもしれないから・・・


だが、総督も何も言わずにその場を沈黙が支配する


堪らなくなり・・・ジョルンから話しかけた


「・・・・・なぜ、私にそのような話を?このまま法王様へと報告するやもしれませんよ」


「ハハハハハ・・・真に忠義なら報告すべきですね・・・・だが・・そうしないはず。もともと・・あなたは国王派。これは賭けでした・・・・自分は賭けや勝負事が好きでしてね・・・・しかし・・勝算の低い勝負はしないのですよ」


そしてさらに言葉を紡ぐ


「あなたは法王に不満をもっている・・・実力もある・・・・・だが運がない」


「運・・・」


「そう・・運です・・・あんな無能を主に仰いでしまったこと。上にたつものが無能であること・・・それは罪であるといってもいい」


「・・・・・・・」


「遅くはないですよ・・・自らの上にたつ者は選ぶものです・・・・決められるものではない。我らと共に戦ってもらいたい・・・ジョルン将軍」


その時・・・・風が吹き・・・・湖に波がたった・・・・・・・・・・


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