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⑤割とスマブラDXの話

00年台のフリーゲームの話がしたい。セラブルとか。ブルセラじゃないよ

あの頃の人らはどこ行ったんだろうか。だいたい行方不明である

 とにかく話を強引に戻すと、筆者はスマブラが地元で無敵になりすぎた。もう末期はどんなキャラを使ってもだいたい勝ってしまう。よく一緒に遊んでいたTくんとはそれなりに勝負になったのだが、観戦していた他の友人に「なんかお前らのキャラの動き気持ち悪いわ……」と言われた。Tくんと筆者は小学生で既にステップと小ジャンプと急降下を使いこなしていたので、傍から見たら確かにキモかったのだろう。スティックパキパキ弾きすぎてコントローラーを壊しまくり、通算で5個くらい買った気がする。Tくんはマイコントローラーをうちに置いていた。二人で泊まりこみで残機99の対決をやったりした。キチガイか。まあとにかく、筆者みたいな運動音痴兼アクションゲーム音痴(本質的にこの2つは併発しやすいと思っている)でもそんだけやれば上手くなるのだ。地元じゃ負け知らず~♪


 だったのに。世界は広かった。


 寮制の高校に進学した筆者はゲーム禁止なのに早速ゲームキューブを持ち込んでいた。高校生のクソガキなんてゲームがあれば即打ち解ける。そして筆者の部屋がたまり場になるのだ。どっかで見た光景だな。


 エアコンもない蒸し暑い密室。汗だらけの男達が無言でパキパキとスティックを弾く音が響く。筆者以外にも地元最強を名乗る者達が、その部屋にはひしめき合っていた。県庁所在地にあるマンモス中学校の大人口の中で最強を名乗るフォックス。隣県から来た、自在な空中戦を展開するプリン。全キャラを手足のように使えると嘯きキャラ選択を毎度ランダムに変える変幻自在の使い手。地元で自ら賭け大会を主催した上で優勝し賞金を巻き上げた半分カツアゲ犯のガノンドロフ。終点・残機三・アイテム無し。白熱するバトル。その全てをねじ伏せ、地元最強の者達の中の最強を決める戦いは、筆者ともう一人の決闘になっていた。奇しくもお互いにマルスを使用。最終盤、お互い残機1。崖際で筆者の空下裏メテオが炸裂し撃墜 (正直魅せプする程度の余裕はあった。復帰するなら上Bギリギリの距離で崖つかまりしろとかほくそ笑んでた)。響く絶叫。ワオワオ。


「うっせーぞ」


 1年上の先輩が部屋の扉を蹴破る。先輩とすれ違うときは立ち止まって深々と礼をしなければいけないほど上下関係に厳しい寮であった。あったのだが。


「お、スマブラじゃん!」


 前述したように、高校生のクソガキなんてゲームがあれば即打ち解ける。


 そしてこのN先輩が筆者の最強伝説を終わらせた。



 当時筆者の周りにはシークを使用する上手いプレイヤーがいなかったためそんなに脅威と思っていなかったのだが、N先輩はそのシークを使うプレイヤーであり、初戦からその恐ろしさを存分に味わうことになる。


 まず、反撃が出来ない。喧嘩商売 (後に喧嘩稼業)というハンターハンター並み、あるいはそれを超えそうなの休載漫画はご存知だろうか?その中に煉獄という技があるがまさにそれだ。あ、やべえ、今喧嘩商売/稼業の話に脱線しかけた。いかん。本筋を進めろ本筋を。でも田島はもう何年煉獄食らってんだって調べたら三年ですってよ三年。はあーどうかしてるわ木多先生。

 喧嘩商売/稼業読んでない人向けにどういうことかって説明すると、喧嘩商売/稼業に出てくる煉獄って技が格ゲーで言うハメ技で、食らったら打ち手の体力が尽きるまで脱出できないコンボ技なのね。というか「格ゲーで言う」って書いたけど明らかに格ゲーから持ってきたアイディアだよねこの技。あれ、さっき俺スマブラという半分格ゲーのコンボの例えに煉獄持ちだしたけど、これ比喩の循環参照みたいになってないか。いかん無限レープじゃあ!!無限コンボのハメ技だけに。そんなにうまくないな。へへへ。何の話だっけ。

 そう、喧嘩商売/稼業の話。三年くらい前の喧嘩稼業の話がラスボスっぽい男、田島がその煉獄を食らったのね。その煉獄の打ち手が作中パッとしないキャラ、政治家で言ったら二階氏の息子あたりの立ち位置 (政治家に例える必要がどこにあるんだ)で、まあ明らかにあっさり脱出するんだろうな~って感じなんだけど、その後休載で三年間音沙汰なし。だからファンは「田島は三年間煉獄を喰らい続けている」とか言うわけよ。早く続きを読ませてくれぇ!!


 と、そういう煉獄的な感じでシークにボコボコにされた。単純にコンボを繋げられたというより、なんかこう絶妙にこっちの反撃を潰されるような感じ。シークは技の出が凄まじく早いとこの時まざまざと思い知った。あれよあれよと蓄積するダメージ。撃墜。


 こんな事を書くとお前が対シークに慣れてないだけやろがい、と言われそうであるが、敗因はもうひとつある。なんだか間合いがおかしいのだ。前述のとおり、筆者はマルスを使い込むことで全ての攻撃のリーチを完全に把握している。さらに度重なる対人戦、対CPU戦で各キャラのリーチも概ね分かる。その筆者が「おや、なんだかおかしいぞ」と違和感を覚える。


 絶対に当たると確信して振った横強がスカる。逆に、敵の攻撃を当たらんと踏んで反撃しようとするとなぜか被弾する。


 なんだこれはチートか。


 立ち回りもまるで違う。筆者ら自称地元最強勢は緊急回避を多用していたが、どちらかと言うとN先輩はシールド主体である。というかよくわからない場面でもシールドを出していた。そしてすぐにパッと解除する。いままで戦ったシーク、というかスマブラプレイヤーとまるで違う動きに筆者は全くついていけない。


 結局、筆者は当たり前のように惨敗を喫した。


 呆然とする筆者にN先輩は言う。


「なんだお前、絶とかキャンセルとか知らんの?」


 知らんわ。

ティアキンをクリアして手持ち無沙汰だったからパラノマサイトやってるがいやこれは凄い


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