ニポン28歩目 王様ゲームした! 代わりに!
『前回までのあらすじ。ヤリサ●を槍サーと勘違いしたレオンハルト。ただの合同飲み会だと騙されて酔わされた姉を守る為に、頑張ってやったメイクも落とし、股間装備がショートソードだったサークルのリーダー格、伴ディックのズボンを思い切り持ち上げ、ショートソードを二又の小剣に進化させ、出血効果をもたらしたのだった』
さぶ賢者様が何かを誰かに言っている。
なんだかよくわかりませんがありがとうございます!
そして、股間の出血しているであろう小剣をおさえた伴がうずくまりながらこちらを睨んでいた。
「か、かひゅ……て、てめえ、マジで許さねえからな……俺のヤリサ●を滅茶苦茶にしやがって……! お前も、あの女どもも滅茶苦茶にして後悔させてやるからな!」
「は?」
何をこいつは言っている?
女性を傷つけようとしておいて被害者面か?
ヴェルゲルガルドでも、いた。
薬を飲ませ、意識を奪い、攫って、女性を襲う賊が。
私が……。
「お前のような輩を今までどうやってきたか教えてやろうか……?」
「ひ、ひぃいいいいいいい! こ、殺される!」
私が近づくと、伴はさっきまでの態度が嘘だったかのように縮み上がる。
首を掴み無理矢理立たせ、椅子に座らせ壁際にやる。
「な、何するつもりだよ!」
「お前は……拷問を受けたことはあるか?」
「ご、拷問? プレイのことか……束縛とかそういう……」
「プレイ? 言っている意味が分からんが、まあ、そういうものだ……」
『いや、ちがうちがう。プレイがつくだけで全然ちがう』
サブ賢者様が何か言っている。
「だ、だから、なんだよ? お、俺を痛めつけようってか!?」
「それも考えた。だが、痛みとは一過性のものだ。恐らくお前にはそういったものが意味ないと私は考える」
痛みを受ければ自分は許されたと考える者もいる。
コイツもそうだろう。何度も罪を重ねてきたに違いない。だが、繰り返す。
なら、ダメだ。コイツには真の恐怖を与えねばならない。
「そういえば、王様ゲームなるものをしていたな」
「へ?」
奥の方でやっていたのを見ていた。ミオリ様やそのお友達は参加していなかったが、かなり破廉恥だった。
「ほら、王様は貴様にくれてやろう」
私は、赤いしるしのついた棒を伴に渡してやる。
すると、分かりやすく伴は表情を明るくさせる。
「マジかよ! え? イミフだけど、マジラッキー! じゃあ、お前、土下座しろ。王に向かって失礼な態度をとったんだから土下座しろ」
「なるほど」
伴王はにやりと楽しそうに笑う。
私は、騎士だヴェルゲルガルドでは王に従ってきた。
「だが、断る」
「はあ!? 王様ゲームの意味分かってる!?」
「貴様は、王様の意味が分かっているのか?」
「は?」
「王とは、その国を統べるもののこと。王が暗愚であれば、民は従わぬ。王が暴君であれば……!」
私は持っていた2番のハシを、伴王の右首すれすれを抜けて壁に突き刺す。
「王『様』はころされる」
「わ、割りばしが……刺さった?」
伴の首をかすめたようで一筋赤く染まっている。
ここはヴェルゲルガルドではない。殺すつもりはない。だが、王の罪をしっかりと受け止めてもらおう。
「王様、だ~れだっ!」
「ほぎゃあああああああ!」
3番のハシを左首スレスレに。もう伴王の首は固定されて動けない。
「王様、だ~れだっ!」
「みぎゃああああああああ!」
右目と同じ高さで顔面スレスレに4番が突き刺さる。
「王様、だ~れだっ!」
「ごめぇえええんん!」
謝って済んだら王国なんていらないっ! 5番を左目スレスレ!
「王様、だ~れだっ!」
「許してぇええええええええ!」
お前は世界史を学んでこなかったのか? 暴君の最期を! 6番が左脇ぶっささってます!
「王様、だ~れだっ!」
「なんで俺がこんな目にぃいいいい!」
弱きものをいいように使ったのだ。王様ぁあ! 人心知らねば、謀反は起こりうるものなのですよ6本目ぇええええ!
「王様だ~れだ! 王様! 王様! 王様だ~れだっ!」
「ひっ! ひっ! ひっ! ひいいいいいいいい!」
『うーん、シュール』
サブ賢者様の呟きを聞きながら、伴の身体に沿うように7番、8番、9番、10番を指していく!
特に股下は徹底的に。漏らしているようだが構わない。
だが。
「はあぁ……! はあっ、や、やった! も、もう終わりだろ! 10番までしかなかった、はず……!」
「王様、国民が10人までなんてあるはずがないではありませんか……!」
私は、店で見つけた大量の箸を指に挟み見せつける。
これ以上ワリバシを使うのは、だめだ。ワリバシの使い過ぎは環境によくない。そうてれびが言っていた。なので、ヌリバシを使う。魔力でコーティングするから大丈夫。
あとで、洗えばまた使えるさ。
「さあ、王様だ~れだっ! だっ! だっ! だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ! 補充。だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ! 補充。だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ! 補充。だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ! 補充。だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!」
伴王の周りにハシを突き刺していく。頭上には股間同様多めに刺しておいてやった。
気絶しているのか、王は動かない。
だが、
びき、ビキビキビキィイ……!
音を立てて王の身体に合わせて空いた穴が罅によって繋がり、バタンと倒れる。
そして、王もまた椅子と共に倒れる。
「あ、ひゃ……」
人型に抜けた壁に寝転がる王。椅子も耐えかねたのか音を立てて壊れてしまう。
股間には水たまりが。
ん? あまりにも恐怖で縮み上がり過ぎたのか? へこんでくぼみになっているように見える。そこに泉が生まれた。きたねえ泉だ。
「……王様、だ~れだ?」
「お、おれは……おうさまじゃありません。ど、どれいでもなんでもいいから王だけは……もういやだ……!」
そして、小さな王国はその日終わりを迎えた。
その後、酔わされていた女性陣は、さぶ賢者様の状態異常回復魔法で治療され、さぶ賢者様のあばであばされた男達の金でたくしーに乗って帰っていった。あばされた男達は
『大変もうしわけございませんでした!』
『これはお土産です。ご家族でお召し上がりください!』
『だましてすみませんでした!』
『実は、槍のサークルじゃなかったんです! ごめんなさい!』
と、土下座謝罪をしながら見送っていた。
あばされた男達が駆けずり回って集めた高級スイーツに、戸惑いながらも女性陣は喜んで受け取り楽しそうに帰っていった。比較的酔いが薄く恐怖の記憶が刻みつけられた女性にはさぶ賢者様が白く優しく包み込むような記憶消去魔法を使ってくださっていた。
ありがたい。ヴェルゲルガルドでも、本当に助けられた。
ん? でも、それが出来るのであれば、あばは……?
『余計なこと考えるなビーム!』
「あばばばばばば!」
あばは大事! ノーあば! ノーライフ!
ちなみに、たくしーの金とお土産の金は、男達に準備させた。
さぶ賢者様が。相当な額のように見受けられたが。
『やつらは地下強制労働場で働かせましょう。ざわ……ざわ……しますね』
ちょっと何言ってるか分からなかったが、超賢者様やさぶ賢者様に任せれば問題はないだろう。
『鉄板で土下座……鉄骨を渡る……チンチロリン……沼……17……』
何やら私も心がざわざわしてきたが、気にしないようにしよう!
いつおありがとうございます!
『圧倒的感謝』
ちょっと何言ってるか分からない!
「私は地下王国のどれいです! よろしくおねがいします!」
伴が黒服に連れられて行く。黒服もちょっと扱いに困っているようだ。がんばれ!
ちなみに、店の人間も連れられて行った。犯罪の片棒を担いでいたのだ、仕方がない。
ここはその金貸しの会社によって、ぱちんこ屋になるらしい。
カジノはノリオ様も提案していたが、ヴェルゲルガルドで結局設立できたのだろうか。
『俺、運カンストしてっから爆儲けでウハウハよ!』
そうノリオ様は言っていた。流石だ。
私はノリオ様ではないからな。運も良い方でない。元々孤児であったわけだし。
だが……。
「ん、にゅ……ふわ……ここ、どこ……って、えええええええ!?」
ミオリ様が目を覚ます。あまり動かないで欲しい。情けないが、この体勢で支えるのは本当に難しいから。
「な、な、なんで、ノリオがあたしを、お姫様だっこしてんのぉおおおお!?」
そう、私は、ミオリ様を『お姫様だっこ』していた。
いや、本物の姫様をこんな風に扱ったら大変な事になると思うんですが、というか、これこそ暴君や賊の振る舞いなのでは……?
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