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ニポン23歩目 つんでれ妹とがんばる! 代わりに!

今日は時間ががが……

「ちょっとまたランニング行ってたの?」


リオナ様が眉間に小さな皺を作りながらやってくる。


「あ、ああ……」

「もー、先に言ってよね。ドリンクだってすぐ用意できるわけじゃないんだから」

「いや、リオナが昨日ラインで聞いていた問題に答えようと思って早めに……それで起こすのも悪いし」

「は? レオお兄ちゃんばか? それでもしレオお兄ちゃんが倒れたらどうするの?

「……」


私が受け取ったドリンクを飲みながらタオルで汗を拭いているとミオリ様がじっとこちらを見ている。


「あ、ね、姉さん。おはよう」

「おはよ、お姉ちゃん」

「あんたら、仲良くなったわね……」


ミオリ様がそう仰って下さる! うれしい! だが。


「「いや、全然」」


リオナ様と声が揃う。やはりな。


「だって、レオお兄ちゃん。わたしが心配してるとか何も気にせずに、ランニングとかトレーニングとかするんだから、マジでわたしの事理解してないもん」

「いや、面目ない」

「……」

「すんすん、はい、汗臭い。シャワー浴びて来なって。臭いのわたし嫌いだからね」

「わ、分かってるから……ごめん」

「……」


いつもリオナにしかられている。あの魔の者呼ばわり事件から一週間が経ち仲良くなった実感はあるが、まだまだだ。ノリオ様の代わりならもっとリオナの心が見えるようにならないと!

ひとまず、シャワーだ!



「すんすん、うん。ばっちり。いい匂いだよ」

「よかった。じゃあ、ご飯にしようか」

「あ、サラダのキュウリ、レオお兄ちゃん食べて」

「駄目だ。自分で食べなさい」

「うえー、レオお兄ちゃんのケチー」

「……」


ミオリ様がじっとこっちを見ている。なんだ、何かおかしいことがあったのか!?


「じゃあ、行ってきまーす」

「もお! レオお兄ちゃん! 早い! 女の子の準備はかかるんだからもうちょっとだけ待ってよ! 今日髪型が決まらないの!」

「そうか? すごくかわいい感じだと思うけど?」

「分かってない! ばか!」

「……」


リオナと出かけるまで、ずっとミオリ様が見ていた。なんだ!? なんなんだ!? 何がおかしいんだ!?




「レオお兄ちゃん、コケそうだから手つなぐって言ったらいいって言ってくれてたでしょ」

「ああ、ごめんごめん」

「……」


いかん! また忘れてしまっていた!

愚かなレオンハルトォオオオ!

慌ててリオナと手を繋ぐ。

それをユイさまがじっと見ている。


「ねえ、なんでこの前からリオナちゃんが一緒にいるんだっけ?」

「もー、ユイちゃん、言ったじゃん。レオお兄ちゃん、とぼけてるところがあるから一緒に登校することにしたって」

「で、でも……リオナちゃん遠回りじゃない?」

「大丈夫大丈夫、ちょっとダイエットしたいから運動も兼ねてるの。レオお兄ちゃん、わたしがいないと危ないんだから」


リオナにそう言われ反省する。まだまだだな。だが。


「リオナ、ダイエットは必要ないと思うけどな。かわいいし」

「はあ!? もっとかわいくなりたいの!」

「な、仲良いね」

「「いや、全然」」

「そ、そう」


そうです。リオナに怒られるくらいなのですから。ううむ、兄としてまだまだだな。


「じゃあね! レオお兄ちゃん、寄り道とかせずに真っ直ぐ帰ってくるんだよ!」

「分かってる」

「……」


駅から出た後もずっとユイさまがこちらを見ていた。

今日は何かよく見られる日だな。

まさか!? 何かボロを出すんじゃないか疑われているのか?

今日はおかしなところなどないと思うが。




「おい、ノリオ。お前休み時間の度にスマホいじってるけど、どうした?」

「ああ、ずっと妹におこられている」

「え!? ずっと? ちょ、ちょっと見せろよ、大丈夫か、よ……?」


ごぶりんが私のすまほを見てくる。


『この前の勉強見てくれたお礼に何かあげたいんだけど』

『いや、いいよ。わるいよ』

『はあ!? なんでわるいと思うの? わたしがあげたいんだからもらってよ』

『わかった。ありがとう』

『で、何が欲しいの?』

『リオナがくれたものならなんでもいいよ』

『はあ!? なんでわがまま言えないの? そこまでわたしのこと信用してくれてないの?』

『いや、でも、リオナが妹でいてくれるだけで十分プレゼントなんだけど』

『はあ!? そういうことじゃないでしょ! あと、学校でスマホ開いてるんだから他の人に見られるかもでしょ! ばか!』


「……仲良いな」

「いや、全然」


まだまだだ。もっと仲良くならねばな。


『じゃあ、わたしのチョイスだけど文句言わないでよね』

『文句なんて言わないよ、いつもありがとう』

『(スタンプ)は~い☆』


「……」


ごぶりんがなにか言いたそうにじっとこっちを見ている。

無視した。




夜になりベッドに入り、スマホの最後の確認をする。


『今日は勉強見てくれてありがとね!』

『いえいえ、今日も頑張ってたな』

『あ。既読付いた。ちゃんと覚えててくれたんだ』

『うん、リオナが寝るまで付き合うよ。ただし、22時までな』

『分かってるってもー!』

「……」

「……」

「……」

『じゃあ、おやすみ』

『(スタンプ)おやすみ~☆』


「「「いや、びっくりするほど仲いいやんけぇえええええええええええええええええええ!」」」


なんだ!? どこかから声が聞こえた気がする!?

気のせいか。こういうところがリオナにぼけっとしていると注意されるところだな。


明日こそ完璧なお兄ちゃんをがんばるぞ!

お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。

今まで好きだった話によければ『いいね』頂けると今後の参考になりますのでよろしくお願いします!


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