ニポン18歩目 高校初日でバズった! 代わりに!
朝から更新ごめん☆
「おい、ノリオ……ちょっとツラかせや」
「断る!」
「おいぃいいい!」
何事もなく学校初日が終わり帰ろうとしていた時だった。
ユイさまがクラスメイトの女子に呼ばれ、それを待っているとオーガから声を掛けられた。
ちなみに、ごぶりんじは妄想の恋人と楽しそうに会話をしている。放っておこう。
ユイさまがこっそりオーガを治療してくださったのでほとんど怪我は残っていない。
ユイさまがこっそり『レオとの時間を……』とかなんとか言って股間に聖魔法を喰らわせていたがそれ以外は治っていた。
なので、内股だ。
「いいからツラ貸せや! テメエのせいで俺が恥かいたんだろうが」
知らない。
ごぶりんじを殴ったオーガが悪いのにもう忘れたのか?
しかし、一人では負けたことはしっかり覚えていた様で今回は、
「へ、へへ……テメエの為にわざわざ五人だ。光栄に思え」
仲間を引き連れていた。昼休みにオーガと一緒にいたものの手を出さずに逃げ帰ったものもいるが……。
「おい、大賀……ガチでやんのかよ?」
「当たり前だろうが! テメエ、俺を置いて逃げやがってよ!」
「でも、お前……ケガしてねえじゃん……その、股間以外」
「ちげーよ! あんな動画拡散されてんだぞ! これ以上ナメられるわけに行くか! おめえはただ撮ってりゃいいんだよ!」
オーガに怒鳴られている男はこちらをちらちら見ながらすまーとほんを構えている。
「動きたくねえなら、もういいわ。ここでやってやるよ。……ぶっ殺す!」
ぶっ殺す?
「ほう。【殺す】か……」
面白いな。
「な、なんだよ! そうだよ! テメエなんかぶっ殺してやる!」
ヴェルゲルガルドよりも平和なニポンで。
「ひ、ひいいい! お、おい! 大賀! アイツの目……」
殺すという意味が分かる人間がいるとは……!
「やべえよ! 絶対アイツやばいって!」
「う、うるせえ! 絶対ぶっ倒して今バズってるバランを超えて上書きするんだよ!」
ならば、全力で応えよう! 私の最終奥義で!
私はゆっくりと構えを取る。
全身に水の魔力を纏い大きく息を吸い込む。
そして!
「みずの呼吸!」
ありったけの私の水の魔力が籠ったブレスがオーガを襲う。
「ぶべええええええええええ!」
これがノリオ様から伝授していただいた奥義『みずの呼吸』だ!
「呼吸じゃなくて、ブレスって読むかんな~。そこんとこガチでよろしく~」
いつの間にか賢地谷超子様がいる! すまーとほん構えている!
何を仰っているかは分からないが、多分大切な事だろう!
呼吸じゃなくてブレスですよね!
しかし、このブレス……懐かしいな……。
私の脳裏に、ふとヴェルゲルガルドでのノリオ様との思い出が蘇る。
『やっぱ今最強なのはみずの呼吸だよなー。モブ騎士出来る?』
『みずのこきゅうですか……呼吸という事は……や、やってみます! ぶぼおおおおおお! ど、どうですか!?』
『ちょwwwおまwww呼吸でブレスてマ?www……そ、そうそう! それ! それがみずのこきゅうだよ、モブ騎士君。その技は、ぶふ、き、君にあげよう!』
『は! ありがとうございます!』
そうして、私はノリオ様からみずの呼吸を受け継いだ。
ノリオ様は私に伝授されてしまったせいかそれ以降みずの呼吸を使わなかった。
だが、やはりみずの呼吸は最強だ!
「ま、現代の鬼退治と言えば~これだよね~」
そうですよね! 賢地谷超子様! よく分からないが私もそう思います!
みずの呼吸!!!
「ぶぼおおおおおおおおおおおお!」
「うっぎゃああああああああああ!」
「ぶしゃあああああああああああ!」
「ほぎゃあああああああああああ!」
「あばああああああああああああ!」
「ぐへええええええええええええ!」
全員を吹き飛ばしたものの、殺してはいない。
悪い鬼でも滅ぼし殺すことはない最強の技だ!
流石ノリオ様!
しおしおになった大賀達が座り込んでいる。
「な、なんなんだよ……お前……」
「なんなんだよ、か……何度でも言おう! 私は、勇者ノリオだ!」
ノリオ様の代わりに、ノリオ様の名をちゃんとニポンでも轟かせるそれが私だ!
「おっけー、のりお~、名前轟かそうぜ~いいのが出来た~」
そう言って見せて下さったのはすまーとほんだった。
「なんですかこれは?」
「チックトック~」
「ビッグロック?」
ただの大きな岩だと思っていたら実はモンスターだったというあのビッグロック……ではないらしい。
そのすまーとほんの中に何やら歌と音楽に合わせていっぱい現れたのは……。
私だった。
軽快な音楽と可愛らしい声(それと私の映像?)が流れてくる。
♪~
ビュッ! 強すぎてごめん♪
(エルフ古江の脚を吹き飛ばす私。カースト状態を心配している私の顔)
ぶっとばしちゃってごめん♪
(バランでオーガを滅多打ちにする私)
ビュッ! 技出してごめん♪
(バランで飛ばした斬撃でゴブリン兄の髪を切り裂いた私。ごぶりんじに笑っている私)
星になっちゃうよね? ごめん♪
(みずの呼吸でオーガ達を吹き飛ばしている私。微笑んでいる私。確かユイさまにだったはず)
ビュッ! 強すぎてごめん♪
(私がウェイウェイ植物使いに殴りかかるがウェイウェイ草生やし魔法使いが拳の風を利用するように座り込んでいる)
努力しちゃっててごめん♪
(部屋でトレーニングをしている上半身裸の私。何故この姿が?)
ビュッ! 不死身でごめん♪
(ユイさまにボコボコにされて血まみれで登校する私。真っ赤な顔の私)
戦闘力高くてごめん♪
(指一本でジドウシャを止めている私)
ムカついちゃうよね? ざまあw
(『俺は勇者ノリオだ!』と叫んで笑顔になっている私!)
「……なるほど」
「いや、なるほどじゃねえわああああああ! お前色んなとこで何しちゃってんのぉおお!?」
おお、ごぶりんじが気付けば妄想の恋人とお別れしていた。
「ここ数日の~、ノリオの~活躍を、動画編集でつくってみた~。これを全世界に発信~」
おお! それで、ノリオ様の名前が世界に広まるというわけですね!
すごい! すごいぞ! ビッグロック! ヴェルゲルガルドでは顔が怖い岩だったが、ニポンではすまーとほんの中で小さな石にも拘らず頑張ってくれているのだな……。
しかし、なんだろうか……私のここ数日の姿を改めてみると……。
「私もニポンに馴染んできますね!」
「いや、ほぼハリウッドォオオオ!」
ごぶりんじが叫んでいる。
地獄樹? 何故今あの魔物の名を叫んだ?
奴らは幻覚で騙す達人だが……。
なるほど! それくらい私はノリオ様に化け切れてるというわけだな!
「マジでウケ~」
やった! 超賢者様にウケた!
「レ、レオ!」
ユイさまが息を切らせて駆けてくる。
「ユ、ユイさま、何かあったのですか? 先ほど福田殿に呼ばれていましたが」
「ううん、大丈夫! 全部処理したから!」
「なるほど!」
「それより、みずの呼吸を私にも浴びさせてくれないかな!?」
「出来ません! ユイが大切なので」
「キュン! うっ……!」
「ユイ、しんだ~ウケる~キュン死に確定~」
「だ、誰か蘇生魔法を! そ、そうだ! ユイさまなら! ユイさま~! ってユイさまが死んでるんだった! ユイさま~!!!」
「いや! ツッコミ追いつかねえわ! なんなんだよ! お前らマジでぇえええええ!!!」
こうして、私のコウコウ一日目が終わった。
だが、その時の私は知らなかった。
『朝のチカン撃退バラン無双勇者ノリオがチックトックでかわいくてごめんwww』
ノリオ様の名前が全世界に広がっていることに。
お読みくださりありがとうございます。
折角のコメディーなので、新しい試みを。
使います! とは保証できませんが、学校や上京あるあるやネタ、シチュエーション募集します。もし、何かあれば。
使うとは保証できませんが。
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『英雄たちのアシナガおじさんが冴えない私なので言い出せない』
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『俺の固有スキルが『変態』だってことがSNSで曝されバズりまくって人生オワタ。予想通り国のお偉いさんや超絶美女がやってきた。今更隠してももう遅い、よなあ。はあ。』
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