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ニポン17歩目 モンスターに囲まれた! 代わりに!

「改めて、岸風花だ……。この学校の生徒会長をしている。3年」

「辺見芽瑠です……。1年です」

「星城結です。2年です」


三人が私に向かって自己紹介してくださった。だが、何故ユイまで?


「あの時は助けてくれてありがとう。いや、私の後輩が被害にあったので懲らしめてやろうと思っていたのに、実際に遭うとあのざまだ。すごく、怖くて……君には感謝している」


纏めた黒髪を振りながら思い切り頭を下げる岸先輩。姿勢もよく本当にフラウに似ている。

すらりとした身体が引き締まっていて洗練された印象だ。胸も小さくない。


「あ、あの! わたしも、ありがとうございました。あの、わたしも、庇ってくれてありがとうございました」


岸先輩に倣ってぺこりと頭を下げる辺見さんは、素朴な顔立ちだが照れたように笑いちらちらと見る様は小動物を思わせ本当に可愛らしい。とても小さいのに胸はかなりある。ギャップが凄い。


「私も! 助けてくれてありがとう! いっぱいいっぱい今まで助けてくれてありがとう!」


ユイも何故か礼を言ってくる。何故? 勢いよく迫ったせいで胸が揺れている。


「ほう……君達も鈴木君に助けられたのか。奇遇だな。……私は彼にその後怖くなかったかと優しく心配してもらったんだが?」


だが?


「……わたしは、かわいらしいと言って頂きましたが?」


たが?


「私も、僕はアルタイル、君はベガって言ってもらったことが」


ベガ?

いや、そもそも言った記憶もないのだが……。


「【ノリオ】君に。言ってもらったことが」


ユイがにこりと微笑みながら二人に話しかける。

その時……空気が震えた。

岸先輩も辺見さんも笑っている。笑っているが、怖い!

なんだ……ユイの後ろに、ド、ドラゴンが! 岸先輩の後ろにタイガーが! 辺見さんの後ろにリスが!? 見える! 見えるぞ!

いや、辺見さんの守護霊のようなもの弱そうだが!?


「ねえ、【ノリオ】君」


そう言ってユイがこちらを見て口を開く。背後のドラゴンが炎を吐き出しているように見える……!


「そうか、私にもそういうロマンチックな事を言ってくれてもいいんだぞ、【ノリオ】」


なぜ急に呼捨て? いや、そんなことよりひらひらと手を振る岸先輩だが、背後のタイガーが爪を研いでいる。


「わたしにも言って欲しいです。【ノリオ】先輩」


辺見さんが上目遣いでこちらを見てくる。背後のリスが木の実を物凄い勢いでかじっている姿が見えてくるようだ。かわいい、かわいいが怖い!


な、なんだ!? 何が起きているんだ!


「【私の】ノリオ君は、そう簡単にロマンチックな事言わないんですよねー。やっぱり特別な時、特別な人にしか言わないんじゃないかなー」


ユイのドラゴンが灼熱の炎を吐き出した。


「ノリオ。あまり、自分の世界を狭くしてはいけないぞ。広い視野を持つべきだ。そうだ、生徒会に入らないか? 君の世界を、その、お、お姉さんがもっと広げてやろう」


岸先輩のタイガーがひらりと躱し、爪をふりかざす!


「ノリオ先輩。わたしはノリオ先輩にもっともっといろんな事おしえてほしいな……」


ドラゴンとタイガーの隙を突いて、辺見さんのリスが迫る!

辺見さんも迫る。ぷにと柔らかい胸の感触ががががががが!

きききききやせするタイプなのですね! すごい戦闘力が露に!


「わ、私は、ノリオ君にいっぱいいろんなこと教えられちゃってますけどね!」


ユイ!? それなんのことを言ってますか?!

そして、ユイの、ユイのががががががが!

ドラゴンが! 巨大なドラゴンが!! 強力な攻撃を!


「わ、私が年上の魅力を教えてやろう」


岸先輩が迫ってくる。タイガガガガガガガガ!

なんとバランスのとれた攻撃!


「さあ、ノリオ。私が大人のレッスンのつ、続きを……!」


続き? 妄想ですよね?


「ノリオ先輩! 結婚式は洋風ですか? 和風ですか?」


洋風? 和風? 妄想ですよね?


「ノリオ君、ごはんにする? お風呂にする? それとも……」


妄想ですよねぇえええええ!?


「「「それとも」」」


ド、ドラゴンとタイガーとリスが迫ってくる!


「「「ハーレムにする?」」」


ドラゴンとタイガーとリスが。ドラゴンタイガーリスドラゴンタイガーリスドラゴンタイガーリスどらごんたいがーりす!


「は、ハーレム万歳ぃいいいい!」


いやっほう! やっぱりハーレムは最高だぜ!






「……ということがあったと俺は妄想していたんだが、実際の所、ノリオどうだった?」


妄想じゃないかぁああああああ!


お昼休みのあと、暫くしてゴブリンが帰ってきた。ゴブリン兄は帰って来なかった。

帰ってきたなり聞かされた。

私は思わずため息を零してしまう。


「まったく……助けてくれてすぐにそんなに身体を見せつけるなんて事が現実にあるわけないだろう? 馬鹿な事を言うな」


何事も積み重ねていくものだと私は考えている。

そんなにすぐに惚れてすぐに身体を許す女性など……う! 頭が……!

そういえば……ヴェルゲルガルドのノリオ様の恋人たちは……すぐだったなあ……。

ユウナ様も一瞬だった。

いや、ノリオ様の魅力がすごかったのだろう。破廉恥だったわけではない! と、信じたい。

と、考えているとユイさまが私の袖を引いている。


「ねえ、ノリオ君……さっきの『僕はアルタイル、君はベガ』っていうゴブりん君の妄想だけど……い、いつ言ってくれてもいいからね」


頬を赤らめて言ってくるユイさま。これは私の妄想では、ないのだよな……?


『まー、ユイは、もう一人で完全に積み重ねちゃってますからね。妄想のレベルが違います。ドラゴン級です』


いつの間にか元に戻った超賢者様が何か言っている。


「あー、お熱いお熱い。じゃあ、俺は彼女とイチャコラ超豪華夢の国『ねえ、ゴブりん! 口元にクリームついてるよ、ぺろ、えへ、間接キスだね。もういっそ直接キスする?』デートでもしてくるか……」


いや、ゴブリン、それ完全な妄想ぅうううう!


お読みくださりありがとうございます。


折角のコメディーなので、新しい試みを。

使います! とは保証できませんが、学校や上京あるあるやネタ、シチュエーション募集します。もし、何かあれば。

使うとは保証できませんが。


また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。

少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。

今まで好きだった話によければ『いいね』頂けると今後の参考になりますのでよろしくお願いします!


また、作者お気に入り登録も是非!


完結済をよこせという方!

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『英雄たちのアシナガおじさんが冴えない私なので言い出せない』

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