ニポン16歩目 ゴブリンに拡散された! 代わりに!
今日もあなたに笑って欲しくて、更新更新!
「てめえ! 大賀君に何やってくれてんだよ!」
ゴブリン兄が叫んでいる。
何って。
「エクスカリバランで殴っただけだが」
「いや、そう言う事聞いてるんじゃないし、病院でネーミングセンス診てもらえ」
隣のゴブリン弟が私を嗜める。
そうか……病院では名づけの才能も治すことが出来るのか……。
「いや、マジ出来ねえしー、レオ常識なさすぎ~」
超賢者様が更に正してくれる。
そうか……病院では名づけの才能は治すことが出来ないのか……。
「なに、ぶつぶつ言ってんだよ! い、いいか! さっきの動画で撮ったからな! ひ、ひひ! 暴力事件だよ! これ、バラされたくなかったら! 俺らのいう事聞け!」
ほう、脅迫か。ゴブリンらしいやり口だ。罠にはめて身動き取れなくさせようと。
たしか……すまーとほんだ。魔導具のようなあれを私達に見せつけている。
「そ、それと……! せ、星城を差し出せ。そしたら、許すことも考えてやるよ……」
ゴブリンらしい顔だ。とてつもなくいやらしい顔をしている。
「て、てめえ~燐太朗。脅して迫るなんて、なんて厭らしい……うらやましいぞ!」
ゴブリン弟もいやらしい顔をしている。なんて正直な男なんだ……。
「じゃなかった! うらめしいぞ!」
私と超賢者様の視線を受けて言い直した。うらめしい?
「ひ、ひひひ! 要はここの使い方よ。馬鹿には分からないだろうけど」
ゴブリン兄が自分の頭を指でこんこんと叩く。そして、超賢者様の方を見つめる。
「そ、そこの女も、お仲間なんだろ? おい、お前も従え。胸はないが、超絶美人じゃないか」
超賢者様も厭らしい目で見ながらゴブリン兄が舌なめずりをする。
「胸がおしとやかなのがステータスだろうが! このくそ馬鹿兄貴が!」
ゴブリン弟が本気で怒っている。怒るところ、そこか?
だが、超賢者様もユイさまも差し出すつもりはない。
それに……。
「私は屈しない! 貴様のような卑怯者に屈してたまるか! 仮に、それでコウコウをやめることになっても!」
ノリオ様は決して頭を下げなかった! 勿論ちーと能力とやらで強かったから下げる必要がなかったとも言えるが……だから、私も卑怯者には絶対に頭を下げない! それに!
「まあ、別にそれが知られてもなんとかなるっ!」
「いや、ふわっとした事顔決めて言うんじゃねえよ! くく、でも、そうだな! お前が暴れたのは俺が原因だ。だから、俺も付き合うぜ。地獄までな……」
「……いや、地獄はもう行きたくないんだが」
「例えナンダケドネェエエエ! いった事あんの!? 地獄!」
「うるせぇえええ! なんだよ、リンジの癖に偉そうに……鈴木だって、お前、陰キャカスだったじゃねえ……」
「誰がインキュバスだぁあああああああああ!」
それだけは許さん! 誰がノリオ様曰く『歩く美形猥褻物』だ!
私は思わずバランで生み出した飛ぶ斬撃でゴブリン兄の髪の毛を少し切り裂いてしまう。
「落ち着けノリオ! お前の地雷怖すぎるんだよ!」
「ひ、ひぃいいい! ももももう本当に許さん! 後悔しろ!」
ゴブリン兄がすまーとほんを使って何かを行ったようだ。
「うわ、ガチー? じゃあ、あーしも拡散てつだったげるー」
そう言って超賢者様がどこからかすまーとほんを取り出し、何かやっている。
「うえーい、拡散拡散―。はえー」
「うお!? すげー勢いでマジバズりだ……ありがとなあ! 鈴木」
「どういたしまして!」
「「マジで礼言ってるわけじゃねえんだよ!」」
ゴブリン兄弟が同時に叫ぶ。流石双子。
「はーい、めっちゃバズってる~。ほらあ~」
超賢者様がすまーとほんを見せてくれる。すると、なんだか、ピロピロ言って沢山言葉が生まれては消えていく。
『バランで人が飛んでるwww』
『ヤンキー、バランに敗北』
『草生えたwバランだけに』
『いや、バランに負けるなよ、ヤンキー』
なるほど……先程の戦いに皆が評価をしてくれているわけだ。
だが、私にコウコウを辞めろという言葉はないようだが。
「まー、ガチでバランで人が吹っ飛ぶと思ってねーだろうしーその為にあーしがレオにアドバイスしたしね」
そう。このバランはお弁当を頂いてる間に超賢者様に持っておけと言われたものだった。
『ニポンはー、ヴェルゲルガルドと違ってっしー、修行だと思ってバランで戦ってみなー。それなら、みんなギャグだと思ってくれっしー』
流石超賢者様! イマイチ今の状況がつかめていないが多分大丈夫だという事だろう!
「そ、そんな……!」
「ガチでー、その程度でそんなエロ漫画みたいな脅迫成功できるとおもったー? エロ漫画の読みすぎー」
よく分からないが、私もそう思う!
「あとー、なんでこんな小学生レベル以下の穴だらけの脅迫でうまくいくと思ったのー? なんでこういう悪役は考えなく悪事に走るかなー」
よく分からないが、私もそう思う!
「逆に、もうざまぁしてくださいって感じに虫みたいに火の中に飛び込んでいくの、一周回って超ウケるんですけどー」
よく分からないが、私もそう思う!
「ま。だからー、こういう動画撮っちゃうんだろうけどー」
超賢者様がすまーとほんをゴブリン兄に見せつける。
そこには……ゴブリン兄がどこかの店の何かを舐め回している!
正直、気持ち悪い!
「な……こ、これは……どうしてこれを!?」
「いやー、ガチでネットの海きょうふー。ま、これは帰った後に店長いやな予感してーすぐ全部捨てたからよかったけど、店長ガチギレであんた待ち構えてるみたいよー」
流石なんでも知ることが出来る超賢者様!
「まずーこの店行ってー謝って、償いの方法相談してきなー。じゃないと、コレ拡散すっから。今日のバランバズりのせいであんたのアカ注目度高まってっしー」
超賢者様がそう告げるとゴブリン兄は青い顔をして膝をつく。
そんな落ち込む事なら……しなければいいのに。
「それなー」
そんな事を考えてると、ゴブリン弟が兄の肩を掴んで引っ張り上げる。
「てめえ……なんだよ……」
「うっせええ! 今すぐ謝りに行くんだよ! 俺はな! モテたいんだよ! ちゃんと! ちゃんとモテて! ちゃんと彼女が出来て! ちゃんと胸や尻を触りたいんだよ! 俺は! ちゃんと触りたいんだ! しっかりと! 合意の上で! 遠慮なく!」
ゴブリン弟が真剣な顔で叫んでいる。
「だから、こういうのは俺大嫌いなんだよ! 大体お前の炎上動画で俺までモテなくなったらマジ許さねえからな! 俺は! 本気で! 真剣に! 女の子にモテたいんだ!」
ゴブリン弟が真剣な顔で叫んでいる。
「ノリオ悪かったな。ウチのが迷惑掛けて。俺、コイツの代わりに謝るから。だから、さ……これからも良かったら友達でいてくれねえか……? お前が俺の為に怒ってくれたの嬉しかったんだ…俺……」
ゴブリン弟、いや良いゴブリン……。
「勿論だ……私とお前はとも」
「レオ!」
「あー! いた! やっと見つけたぞ! 勇者ノリオ!」
「はあ! はあ……あの! わ、わたしのこと覚えてますか?」
私が言いかけたその時、ユイさまと、そして……あれは今朝チカン伯爵に迫られていた女性。そして、以前ウェイウェイに囲まれていた少女……名札を見ると黄色。一年生だったのか。
「レオ! 大丈夫? よかった……怪我してない? してたら私が治してあげるよ、あの、しっかりと心も身体も……な、なんちゃって」
「すまないな……もっと早く改めて礼を言いに行くつもりだったんだが……その抱きしめられた感覚を思い出してしまって……」
「あにょ! ……あの、さっき見かけてもしかしてって……あの時は本当にありがとうございました。一緒な学校だったんですね……う、うれしいですぅ……ぽ」
一気に話しかけられて混乱する。だが、今はそれどころではない。
「ゴブリン、私とお前は友達だ!」
「友達じゃねぇええええええええええええええ! 裏切者ぉおおおおおおおお! 鈍感ハーレム主人公滅ぶべしぃいいいいいいいい!」
良いゴブが泣きながら去っていく!
なんだ!? どうした!?
「まー、レオ一途だからハーレムにはならんだろうけどー。それにニポンでハーレムはヤバいっしょー」
よく分からないが、私もそう思います!
そして、その時の私は知らなかった。
『朝のチカン撃退勇者ノリオがバランで無双してんだけどwww』
ノリオ様の名前がどんどんと広がっていることに。
お読みくださりありがとうございます。
お店に迷惑マジよくない! あと、モテますがニポンなので! ギャグ作品だけど、ニポンなので!
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『英雄たちのアシナガおじさんが冴えない私なので言い出せない』
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『俺の固有スキルが『変態』だってことがSNSで曝されバズりまくって人生オワタ。予想通り国のお偉いさんや超絶美女がやってきた。今更隠してももう遅い、よなあ。はあ。』
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