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ニポン12歩目 聖女様に守られた! 代わりに!

「5月26日は0526。0×5と2×6で12ね。じゃあ、ミスターノリオ」


なぜゼロが出てきた?


「5月26日。26引く5で21をひっくり返して12ね。ミスターノリオ」


なぜひっくり返した?


「先生、シンデレラが好きなの。シンデレラと言えば12時。12ね、ミスターノリオ」


シンデレラってなんだ?


「はい! 今、12分~! ミスターノリオ」


すごい慌てて授業を詰めたな。


という風に、メデューサ先生は何度も私を当てる。よく分からない計算で12にして。

ありがたい。

これで、私がノリオ様として活躍する機会が増えるというわけだ。

今のところ、そう難しい問題もないので正解を続けている、はず。

超賢者様とユイさまとトーダイ受験レベルまで勉強したからな。


しかし、灯台か……灯台の人間がニポンでは一番優秀らしいが、世界は広いな。

いや、恐らくニポンの海はヴェルゲルガルドに比べて過酷なのだろう。

クラーケンがいくらでもいて、海も雷が雨のように降り続ける海やセイレーンの呪い以上の何かが起きるようなそんなところなのだろう。であれば、トウダイの人間が重要なのは頷ける。


『ガッコウの勉強に集中しすぎて、一般常識がほぼないですからね』


超賢者様が何か言っている。何かわかりませんがいつも本当にお世話になっています。

そんな超賢者様のあばば教育により乗り越えることが出来た英語。

そのあとは、教室の様子が何かおかしかった。


私をちらちらと見ている生徒がより増えた気がする。

これは……ノリオ様の代わりだと認めてもらえたのか?!

いや、油断するな、レオンハルト……!

ノリオ様の素晴らしさの足元にも及ばずあやしく思われているのかもしれない!


不安になって周りを見渡す。やはり、ひそひそと話をされているようだ。

あれだけ授業中は私を見ていたエルフ古江は歯磨きセットを持ってすぐに教室を飛び出して行った。気にするのは良い事だ。


だが、好意的な眼なのか分からず、隣を見る。

するとユイさまが『安心して』という風ににこりと微笑んでくださる。

流石、聖女様……!


思えばユイさまには助けられてばかりだ。

聖女としてヴェルゲルガルドに来てくださったユイさまは、回復魔法で私達の傷を治し、聖属性の攻撃魔法で敵を撃退、防壁魔法で守って下さったり、強化魔法で攻撃力や速さを上げてくださったり、口を封じる沈黙魔法や速度低下、攻撃力低下などの弱体化魔法、本当に何から何までお世話になっていた。


そうだ。ユイさまに助けられてばかりの私がニポンでもユイさまに頼ってはいけない。

自力で解決せねば。


そう考えた私は、失礼だとは思うが聴力強化でこちらをちらちら見る女生徒たちの声を聴こうと耳を澄ませる。


「ね、ねえねえ、鈴木君ってさ、あんなだっけ?」


やはり疑われている!


「前と全然違うよね」


ち、違うのか!? なんだ、何が違うのだ! 何がいけないのだ!?


「背も伸びて筋肉も凄いし顔もいい感じだし、ちょっとさ……」


ちょっと……? ちょっとなんだ!?


「かっこよ……」


ふわ……と、そこで聴力強化が切れる。

魔法を受けた感覚。

隣を見るとユイさまがニコニコと微笑みながらこちらを見ている。

手には強化魔法向こうの魔法印が浮かんでいるようだ。


「だめだよー、女の子のお話に聞き耳立てちゃ」


ユイさまがそうおっしゃる。


確かに!

女性の会話を盗み聞くなど騎士としてあるまじき行為!

またやってしまったな愚かなレオンハルトォオオオ!


「す、すみません……! ユイさま、このレオが間違っていました! 止めてくれてありがとうございます!」

「ぴわ!? う、うう……そこまで言われちゃって手を握ってくれてありがとうございますだと罪悪感がすごいよぅ……」


そういって視線を逸らすユイさま。

は! 声を潜める為に近づきすぎてしまった。

いかんいかん、冷静さを失うのは悪い癖だぞレオンハルト。


落ち着け。色んなことを誤解するのが私の良くない所だ。

さっきユイさまの耳元まで近づいた時に聴力強化が掛けられていたのだって気のせいだ。

きっとそうだ。うん。


「あ、あのー、鈴木くーん!」

「はい?」


気付けば女生徒がこちらに手を振って、近づこうとしている。

なんだ、私の身体を見て顔を赤らめているが……。


「あ、あのさあ! その筋肉ちょっとさわら……あ、あれ……?」


だが、途中で立ち止まる。


「どうしました?」

「ん? あ、いや、うーん。いや、今はやめとく。なんか、うん、なんかイヤな予感がするから。また今度にするー」


そう言って女生徒が席に戻っていく。

ん? これは、魔除けの防壁魔法?

見れば、私の周りに結界が張られている。


これは……ユイさまの御力のようだ。

邪心持つものが近寄れないようになる結界魔法。

ユイさま……私の為に!


『ま、どちらかというとユイの悲願の為ですけどね』

「超賢者ちゃん、うるさい……!」


超賢者様とユイさまが仲良くお話されている。良い事だ。

そういえば、ユイさまも男子生徒から凄く見られているな。

本当に可愛らしく美しいお方だからな。


「おい! 鈴木!」


教室の入り口から声が聞こえる。

おお! エルフ古江! 戻ったのか!

エルフ古江が気持ち白めの歯を見せてこちらにやってくる。


「お前、不登校の間に随分にこそ勉したみたいだけどな」

「誰がコソ泥だぁああああああ!」

「……言ってねぇえええええ!」


言ってない、だと……?


「いいか! あんまり調子に乗るなよ! 急に高校デビューとかマジでキモ……!」


そこまで言いかけてエルフ古江が、急にふらふらとし始める。

エルフ古江?

近づくと、力が弱っているようだ。ん? 口臭も弱まっている!

よかったな! エルフ古江! 歯磨きは大事だな!


しかし、これは……攻撃力低下・防御力低下・速度低下の三重弱体化魔法!?

振り返るとユイさまが手をかざしている。


「レオンハルトさんにキモいとか言うな」


何か言っている! 聴力強化が解除されたのでよく聞こえないが!


「ふにゃ……なんだぁ……ちからがはいらにゃ……」


そうだろうそうだろう! ユイさまの弱体化魔法はヴェルゲルガルドでもトップクラスだからな!


「ほぐわーつ!?」


と、エルフ古江の股間が急に光り、目を見開いて、股間をおさえる。

これは……聖属性の攻撃魔法?


「レオンハルトさんに言いがかりつけて絡もうとしないでね、天罰だよ☆」


ユイさまだった。

こわい。

大精霊様のような迫力がある。何かゴゴゴ……という音が聞こえる気がする。


だが、


私はユイさまの元へ行き真っ直ぐ目を見てお伝えする。


「ユイさ、ユイ……ユイの援護は本当に有難く感謝しています。ですが、私も騎士の端くれ……これから訪れる困難に自分の力で立ち向かっていきたいのです! ユイを守る為にも!」


そうだ、ユイさまをお守りするのがノリオ様の代わりにニポンにやってきた私の役目。であれば、いつまでもユイさまにおんぶにだっこではいけない!


そう思い、自分の気持ちを伝えるとユイさまは。


「ぴやぁああああ!」


倒れた。


『聴力強化状態で呼捨てと【ユイを守る為に】のダブルコンボ、おまけに邪心を思い切り持ってたせいで自分の防壁で焼かれて、輝くレオンハルトの光属性の笑顔で無事浄化。ユイ……天罰ですね』


あああああああ! ユイさまが! ユイさまが!

倒れた!

か、回復を! ユイさまを回復させねば! 回復をユイさまお願いします!

って、倒れているのユイさまだったぁあああああああ!


お読みくださりありがとうございます。


折角のコメディーなので、新しい試みを。

使います! とは保証できませんが、学校や上京あるあるやネタ、シチュエーション募集します。もし、何かあれば。

使うとは保証できませんが。


また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。

少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。

今まで好きだった話によければ『いいね』頂けると今後の参考になりますのでよろしくお願いします!


また、作者お気に入り登録も是非!


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