ニポン11歩目 ジュギョウを受けた! 代わりに!
朝一更新!
皆さんの通学・出勤・一日の始まりが笑顔になりますように!
きーんこーんかーんこーん。
チャイムが鳴りいよいよ授業が始まる。
学校自体に行った事がない私としてはどきどきするが楽しみだ!
ちなみに、エルフ古江は、歯磨きをして帰ってきた後、髪をいじりながら帰ってきた。
口の臭さはなくなっていたようだった! よかったな!
まあ、その分体臭が今度は気になった。エルフは基本肉がすくなく野菜が多めの者が多かったので、あまり臭わないと聞いたので、エルフ古江は肉ばかり食べているのかもしれない。
いくらエルフ並みの美形でも匂いは気になるぞ。気を付けろ。
だが、
『あー、マジミスったわー。昨日、ニンニクギョーザとかいっちゃったからなー。やべやべ調子こいたわー。あー、マジミスったー』
と言っていたんだが。
なぜわざわざ言った? 逆効果じゃないか? ちゃんと歯を磨いていないことがみんなにばれてしまったぞ。
『マジ教えてくれてありがとな。おかげで昨日ニンニクギョーザいっちゃってたの思い出したわ。いやー、マジニンニクギョーザ、怖いわー』
と、礼を言ってきた。
あと、教師大上もユイさまの覚醒魔法(こっそり無詠唱)によってすぐに気が付き、私をじっと見ながら教室を出て行った。
というわけでホームルームも無事終わり、授業を迎えようとしている。
最初の時間は英語らしい。
「グッモーニン、エブリワン。レッツスタートイングリッシュクラス。それでは、英語始めましょう」
そう言いながらかなり年上に見える女性の教師が教室に入ってくる。
髪がかなりくるくると巻かれていて……その、蛇のようだ。
ああ、ヴェルゲルガルドでああいうメデューサがいたな。
『メデューサ。髪の毛が蛇になっており、本人と目が合うと恐怖により身体が硬直し石になってしまう』
超賢者様、解説有難うございます。
ただ、それはいつも誰に向かって言っているのですか?
まあ、あくまで髪も蛇のようにくるくるで、目つきが鋭いだけだ。
落ち着け、レオンハルト、彼女はメデューサではない。
「ハーイ、ミスタースズキ、エンン、ミズセイジョー。アイム、サリ、メデユウ。目出夕紗理よ、よろしく」
メデューサだった。
いやいや、違うぞレオンハルト。名前が似ているがただそれだけで。
「メデューサ、今日も髪の毛くるっくるじゃん」
「あれ、毎日セットしてるらしいよ」
メデューサだった。
ニックネームもメデューサだった。
「はい、クワイエット! そこ、静かに」
ひそひそ話をしていた女性と二人がメデューサ先生に注意された。
メデューサ先生に睨まれ二人は縮み上がっていた。
石化は恐ろしいものな。分かる。
ユイさまがいるから平気だが、本来石化解除魔法は困難を極める。
そう思ってユイさまを見ると目が合う。何故かメデューサ先生ではなく、こちらを見ていたようだ。
「レ、レオ……?」
驚いているユイさまだが、私はただユイさまの凄さを再認識していただけなので称賛の微笑を浮かべる。すると、
「ぴぎ!」
固まった。
「レオ微笑……たすかりゅ……」
溶けた。
なぜ?
それにしても、なぜこちらを見ていたのか。ああ、メデューサ先生に石化をかけられては大変だからか。治療できるユイさまはお守りせねば……って違うぞ! レオンハルト!
ここはニポンだ! ヴェルゲルガルドではない!
いかんな、まだ色んなものをごちゃ混ぜにしてしまう。どうにも分けて考えるのが苦手だ。
「へい! ミスタースズキ? ミズセイジョー? どうしました?」
いかん、メデューサ先生がこちらを見ている。
また、思考に入ってしまっていたようだ。そんな時、思わぬ助け船が入る。
「目出夕先生、鈴木君はなんかちょっと変なこと言っちゃうので、その辺『配慮』してもらえたらうれしいかなー」
エルフ古江……!
フォローしてくれたのか?
やはりお前は呪われていたのだな! 急に性格が良くなったじゃないか。
だが、何故かみんなのエルフ古江を見る目はちょっと訝し気だ。
「古江のヤツ、今完全にフリだよな」
「あーあー、鈴木。目をつけられたな」
「目出夕先生、絶対、古江君に気が合って、古江君も分かって利用してる感じだもんね」
みんなが何か噂をしている。
まだ、臭うのか……?
私からは分からない。確かにちょっと体臭は臭うが、男子などある程度はそんなものだぞ。
ねえ、ユイさま?
と、ユイさまの方を見ようと振り返ると、もの凄く至近距離にユイさまが。
流石ユイさま! アサシン並みの背後の取り方だ。
「はぁーはぁー……いけないわ、ユイ。とれたて朝一レオ臭とはいえそんなに摂取しては」
ユイさま?
隣の席とはいえ近すぎませんか?
は! そうだった!
ユイさまはヴェルゲルガルドの人間の空気を摂取しなければ死ぬんだった!
ユイさま、おいたわしや……!
私は慌ててユイさまの方に席ごと身体を寄せる。
「れ、レオ!?」
「あ、あのー、ほら、私は、まだニポンに慣れていないので……色々教えて頂けると……」
「イロイロ!? 色々教えていいのね……ごくり……」
怖い。
なぜだか分からないが、ユイさまの後ろに涎を垂らしたフェンリル様が見える気がする。
「ハーイ、じゃあ、レッスンスタート、エンジョイイングリッシュ! では、早速なんですが、前回習ったところ、仮定について」
そう言ってメデューサ先生は私をちらりと見て笑う。良く授業を聞いておけということだろう。
「ペラペラペラペーラ、ペラペラペラペーラ」
メデューサ先生の言葉に教室がざわつく。
「え? なんて?」
「前回やったぽい単語は聞こえたけど」
みんな聞き取れなかったようだ。確かにかなり早口だった。
「はーい、クワイエットクワイエット……それじゃあ、これの答えを……」
ざわつく教室を静かにさせ、メデューサ先生が誰に答えさせるかを考えている。
「それでは、今日は5月26日なので」
なので?
「5と2と6を足して13の」
の?
「先生やっぱりみんなになんでも一番を目指してほしいから1が好きなので」
なぜ?
「1を引いて」
なぜひいた?
「12番の鈴木ノリオ君」
なぜだ?
どういう計算なのだ? 分からない。だが、メデューサ先生にも何か深い理由があるのだろう。いや、これは……
「メデューサ、絶対わざとだよね」
「アイツ、古江にガチだからな」
みんながざわついて私とメデューサ先生を見ている。
なるほど、そういうことか……。
私がちらりとメデューサ先生を見ると、ニヤリと笑っている。
見れば、エルフ古江もだ。
やはり、これは……ノリオ様だとアピールするチャンスを下さっているのだな!
私は全力の笑顔で感謝を伝える。
すると、メデューサ先生が固まった。メデューサなのに。
だが、流石に耐性があるようで直ぐに持ち直し眼鏡を直しながら口を開く。
「ヘイ! ミスター鈴木? デキルノデキナイノー?」
なぜ片言?
私は覚悟を決めて立ち上がる。
先程のメデューサ先生の質問に自信はない。自信はないが。
答えるしかない!
「ペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラペラペラペラペーラ(訳)もし私が私の尊敬する勇者になれるのならば、この世界を平和にしたいと思います。そして、家族を大切にし、友人を大切にしたい。また、聖女様をお守りするのは勿論のこと、様々な依頼をこなし、魔物を倒し、みんなの力になれるようにがんばりたいと思います。この世界で改めて勇者ノリオの名前が皆に知れ渡るように誠心誠意粉骨砕身一生懸命やっていきます」
「……は?」
メデューサ先生が目を見開いて固まっている。メデューサなのに。
石化したのか? 自分で鏡を見てしまったのか?
恐らくメデューサ先生の問題は『(英語)『もし~ならば』を使って、自分の理想や夢について語ってみて』だったはず。だから間違いはないはずなのだが……。
『完全不器用クソ真面目馬鹿ですからね。努力スキルが高い上に勉強も出来るユイが超絶熱心に教えてましたからね。日本語も英語もかなりのレベルです。まあ、若者言葉は流石に無理でしたが。ねえ、ユイ』
「はぁあうぅん、レオの英語かっこいいよぅ……」
『あ、駄目だ。もうユイは残念聖女にクラスチェンジです。ダーメの神殿で転職です』
超賢者様とユイさまが何か仰っている。
「オ、オーケーオーケー! ノープロブレム。では、授業を続けましょう」
何も返されなかったんだが?
いや、違う! これは……ノリオ様の領域に達していないということを暗に教えて下さっているのだ! ありがとう、メデューサ先生! 私はもっとがんばります!
その後も何度も私を鍛える為にメデューサ先生は私を指名して下さった。
クエストでもそうだが指名されるのは信頼の証! うれしいものだ!
一生懸命答えさせていただいた!
だが、その間ずっとエルフ古江がこっちを見て固まっていた。
いや、何故お前が石化した?
お読みくださりありがとうございます。
折角のコメディーなので、新しい試みを。
使います! とは保証できませんが、学校や上京あるあるやネタ募集します。もし、何かあれば。
使うとは保証できませんが。
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『英雄たちのアシナガおじさんが冴えない私なので言い出せない』
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『俺の固有スキルが『変態』だってことがSNSで曝されバズりまくって人生オワタ。予想通り国のお偉いさんや超絶美女がやってきた。今更隠してももう遅い、よなあ。はあ。』
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