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ニポン10歩目 カーストジョウイと戦った! 代わりに!

『インキュバス。男性の夢魔のこと。男版サキュバス。悪魔の一種族。夢魔に分類される。サキュバスの対となる存在。美形の男性の姿で女性の枕元に立っては性的な意味で食べるデキちゃわせるというど助平悪魔』


超賢者様が何か言っている。

わ、わた、わた、わたしは決してそんな存在ではない!


ヴェルゲルガルドでもあの悪魔は本当に迷惑した。

ユイさまが撃退して下さったが、激しい戦いだった。




『あのね、レオンハルトさん、今日、私、インキュバスと戦う事になるじゃない』

『はい。……あ、あの、ご無事を、祈っております』

『きゅううううん!』

『きゅうううん?』

『あ、なんでもないの。こっちの話。それでね……もし、よかったらなんだけど、超賢者ちゃんに教えてもらった【夢見の法】っていうのがあってね……あの、この、私が作ったお守り、お守りなんだけどね! これをレオンハルトさんが枕元に置いて寝れば、私の夢の中に来られるらしいの』

『なんと流石超賢者様!』

『だから、それで今日、私の夢の中に来て、私を助けてくれないかな』

『そ、それは……勿論。ですが、私で良いのですか? ノリオ様のほうが……』

『レオンハルトさん……? 友達の話なんだけどね』

『友達の話』

『頼りにした男性に他の男性を紹介されたくないらしいの。ハーレム願望インキュバス野郎なんて特に』

『なるほど……分かっていませんが分かりました! 私が力になりましょう!』

『あああああありがとう! それじゃあ……夢で【逢おう】、ね……?』

『はい、夢で会いましょう』

『ほわあああああ! 寝れないかも!』

『何故!?』

『……』

『……』

『ここが夢の中、だが、これは……何故、私の絵がこんなに大量に』

『れ、レオンハルトさん!』

『ユイさま!? これは一体!? 何故私の上半身裸の絵がこんなに!?』

『イ、イ、インキュバスの仕業なの! な、なんで、今日に限ってぇええ! 今日以外ならいくらでも……じゃなくて! 今日は! 今日はもう大丈夫! ああああ安心して! あの、レオンハルトさんの解像度激低インキュバス野郎はぐっちゃぐちゃのミンチにしたから!』

『それはそれでユイさまの精神状態が心配なんですが!? あと、何故私の上半身裸の絵が』

『いいから目覚めて~!』

『え? この巨大なメイスで殴られても夢の中だから大丈夫ですよね!? あと、何故私の上半身裸の絵が……がぎゃあああああ!』




思い出すだけでも汗が噴き出る。結局あの夢は何だったのか教えてくれなかった。

ユイさまはなんかすっごくツヤツヤな顔で翌朝を迎えていらっしゃったが、私の顔を見るなり真っ赤にして去っていらっしゃった。なんだったんだろうか。


「いてぇ、おい! ノリオてめえ! 誰に何をやったか分かってんのか!?」


おっと、考え事にふけってしまっていた。

私をインキュバス野郎みたいな事を言っていた男がこっちを睨んでいる。

結局なんて言ったんだ? いんきゃかす野郎?


「おい! 何やってる?」

「先生! コイツが俺の足を蹴ってきたんだよ!」

「はあ? おい、ノリオ。古江の言う事は本当か?」


エルフ? じゃなかった、古江? と呼ばれた男の言葉を聞いて教師……たしか、大上が私に詰め寄ってくる。

なるほど、なんとなくわかった。

この教師は、フルエを優遇しているようだ。

確かに、エルフのような美形で出来そうな感じはする。

この教室の中では優れた存在なのだろう。皆の視線で分かる。


だが、指導する立場の人間がそれでよいのか?

ワーウルフのような毛が生えた腕で私を掴んでくる。


「おい、どうなんだ?」

「私は真っ直ぐ歩いただけです。古江殿の足が長いせいか出ていたのでぶつかったのかもしれません。ですが、私は、まっすぐ歩いただけです」

「それを蹴ったというんだろうが」

「言いません、蹴りというのは……!」


私は多少力を入れて何もない空間を蹴る。

何もないは嘘だった。

ワーウルフ、もとい、教師大上の妙に長い鼻毛を回し蹴りで刈り取る。


「多分、このような技のことかと」


まあ、ノリオ様の蹴りには遥かに及ばないが、それが幸いしたな。

あの方の蹴りで魔物は刈られていたからな。


教師大上は顔を青くして白目を剥いて倒れる。


「教師? 教師大上ぃいいいいい!」


教師大上が倒れた。ば、馬鹿な……この位の力の見せ合いはヴェルゲルガルドでは日常茶飯事! なんだったら、ノリオ様はやたら冒険者達の髪の毛をちょんと刈り取るのが趣味なのだろうかというくらいコレをやっていたぞ!?


「お、お前、マジで調子こいてんな」


振り返ると、エルフ、じゃない、古江がこちらを見て震えている。

古江、震えてる。


「カ、カースト最下層がカースト上位の俺達にたてつこうだなんて」


は?


「今、何と言った?」

「ひ、ひい……カ、カースト最下層」


今、コイツはとんでもないことを言った。


「そこじゃない」

「……カースト上位の俺達にたてつこ」


コイツ本気でいっているのか?

私は、エルフ古江の身体を掴み思わず叫んでしまう!


「お前、カースド状態なのか!? なんだ!? どこが、どこが呪われているのだ!?」

「……言ってねぇえええええええ!」


『カースド状態。いわゆる呪われた状態。悪魔や呪術師などに呪いを掛けられる。もしくは、呪いの道具を装備することで状態が何かしら悪化したことを言います』


超賢者様、ご説明ありがとうございます!

誰に言ってるのか分かりませんが!


だが、言ってない、だと……?


「本当か? 本当に呪われてないのか?」

「のろ? 呪われてるわけねえだろ!」

「本当か? だが、さっきから性格が歪んでいるように感じるし、妙にユイさまの胸を見ている気がするし、何より口が臭うぞ」

「なば!?」


こういう攻撃的な性格になる呪いは見たことがあるし、性欲が高まる呪いも見たことがある。口が臭くなる呪いは知らないが、この口の臭さは呪いか何かではないだろうか。じゃなきゃ、歯磨きをしなさすぎだ。

皆も分かっていたが、呪いのことを気にして指摘しなかったようだ。

目をそらしている。

呪われ子は差別の対象になったりするからな。気を使ったのだろう。

だが、本人がカースド状態と言っているんだから気付いていたのだな。あれ? カースド状態じゃないんだっけ?

だが、首に下げている十字の首飾りもなんだかちょっと似合っていないし、これが呪いの装備じゃないのか? でも、これは、言わない方がいいのか?

エルフ古江が涙目になっている。

どっちだ? どうすべきなんだ? カースド状態ならユイさまに呪いを解いていただくべきだ。ただ、口が臭いなら、歯を磨くべきだ!

ひ、ひとまず……。


「歯を、磨いてきたらどうだ?」

「……ぅん」


エルフ古江が教室を出る。歯磨きセットを持って。


「うわぁああああああああ!」


エルフ古江が駆けていく! 歯磨きセットを持って!

おい! エルフ古江! 廊下は走っちゃいけないらしいぞ! 張り紙に書いてあった!

クエストなのかな! 攻略しやすいクエストだよな!

あと、あまり、口を開かない方がいいぞ!


お読みくださりありがとうございます。


どうでもいい話ですがSHISHAMOさんの『君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!』を聞きながら書いてます。ユイ視点で楽しいです。


また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。

今まで好きだった話によければ『いいね』頂けると今後の参考になりますのでよろしくお願いします!


また、作者お気に入り登録も是非!


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