第3話 お嬢様は悪役令嬢!?
最近、体調を崩してしまいまして、投稿が空いてしました。
申し訳ございませんでした。
楽しんでいただけたら、嬉しいです。
奥様のお話から、思い出したのは昔夢中で読んでいたファンタジー恋愛小説。「女神の愛子~王子との恋~」を思い出した。
確か、女神の愛子である主人公と第一王子の恋愛小説だった。その王子の婚約者で、主人公と王子の関係に嫉妬に狂い主人公を殺そうとした、悪役令嬢の名前が、エシスフェーロ・アマリリスだったのだ。夜空を彷彿とさせる黒髪に、気の強そうな切れ長の瞳を持つ美女という設定だったはず・・・。
挿絵にあったその悪役令嬢の絵が、まさに後10歳くらい成長したお嬢様だ。
まじか。私もしかしなくても、恋愛小説の悪役令嬢の侍女に生まれ変わったの!?
まてまて、落ち着こうか、自分。深呼吸しよう。
お嬢様が悪役令嬢のだとして、最終的にエシスフェーロ家がどうなったっけ?
女神の愛子である主人公を婚約者の王子の好意が向いているという嫉妬に駆られて殺そうとした、悪役令嬢はその計画がバレて卒業パーティーで断罪されて、生家はおとりつぶし、本人は主人公と王子の目の前で処刑されたはず。
おとりつぶし=失業。それだけは、お母様の為に阻止しなければ。
女神の愛子とは、協力な光の魔力と治癒魔法の、使い手で国の繁栄の象徴とされている。確か女神教と呼ばれる、女神を信仰する人たちにとっては神と等しき存在とされている。そんな、愛子を暗殺しようとした悪役令嬢は、無条件で大罪人になってしまうという訳だ。
そう言えば、この世界には魔法が存在している。
待って、マーガレットの記憶が正しければお母様は魔法が使えるので、マーガレット自身も少なからず素質はあるはず!
現状、5歳なので7歳の洗礼式に教会で魔法属性が有るのかを調べる儀式があり、そこで自分の魔法属性が分かるの。お嬢様の属性は、確か火属性で、その魔法で主人公の髪を焦がしたり、脅したりする描写があったような。
とりあえず、あと2年は不明だけど、魔法属性があればもれなく国立王宮魔法学校に通うことになり、お嬢様が断罪されるはずの卒業パーティーにも参加可能になる!
つまり、あと2年で何とかして魔法を習得出来れば、フラグ回避出来るのでは!?
卒業式に行われるパーティーに、火の魔法を使い主人公を害そうとした悪役令嬢は、その場で婚約者である第一王子の水魔法で攻撃されて、自分の炎で焼かれてその美貌も美髪もぐちゃぐちゃになって醜くなってしまう。美貌も地位も一晩でいろんなものを失ってしまった悪役令嬢は、その後、反逆者として大衆の面前で、公処刑になってしまうのだ。
私は悲しい。こんな美しい理想の黒髪が、この世からなくなるなんて、許し難し。
よし。理想の黒髪・・、いやお嬢様を守るべく自分の記憶を駆使して、お嬢様を悪役令嬢にせず、平和な世界を目指そう!!
そして、お嬢様の黒髪を愛でる日々を過ごそう。
うん。よし、頑張ろう!!
ひとり、決意を固めているところで、
「そなた。その。もしよろしかったら、仲良くしてあげてもよいわよ。」
お嬢様が自ら私に話かけて下さった。耳を真っ赤にしながら差し出された小さな手。
「はい。わたしこそ、仲良くして頂けると嬉しいです。」
手小さいすべすべ、ツンデレ美幼女とか、萌え。可愛い。
例え、将来悪役令嬢になってしまうとしても、今はこんなに可愛いらしいのだ。どこでどうねじ曲がったのか、分からないけどお嬢様は私が悪の道に行かないように導いて見せる!
固く心に誓ったのだった。