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第2話 お嬢様との出会い

控えめなノックの後に部屋に入ってきたのは、びっくりするくらいの美人でした。

グラマラスな体系に、つやつや美しい茶髪は緩やかなウエーブを付けて腰まである。なにより、お顔が整っている、少し気の強そうなきりっとした目元に、形のいい唇。思わず見とれてしまう美人さん。


確か先ほどご挨拶した、このお屋敷の奥様。確か名前は、

「ヴァイオレット様」

お母様が、立ち上がりスカートの裾をつまみ姿勢を胸の前に手を添えて腰を下げつつ頭を下げる。

この世界の礼をする。


「嫌ね。私とあなたの仲でしょ。二人きりの時くらい、前の様に接してほしいのよ。」

奥様は、凛とした面持ちから一転、いたずらっ子のようなお茶目な表情をして、お母様へ言った。


「ところで、マーガレットちゃん目を覚ましたみたいで良かったわ。痛い所はない?」

ものすごい美人さんが私の目の前にきて、まるで小さい子にするように、額に手当ててくる。そっか、今は小さい子だもんね。


「マーガレット痛い所はない?」

お母様も心配そうに聞いてくる。

「はい。ご心配をおかけしました。痛い所はありません。」

ちょっと緊張しながらも答えた。

前にお母様に教えていただいた、スカートの裾を持って、反対側の手は胸の前へ片足を後ろに引いて腰を落としながら、軽く会釈する感じ。マーガレットは沢山練習した動きなので、自然にすることが出来た。

「お気遣いいただきまして、ありがとうございます。」

我ながら、上手く礼が出来た。


「お医者様も目を覚ましたら問題ないとおっしゃっていたし。思ったより大きな怪我でなさそうで安心したわ。でも、さすがマリアンヌの娘ねしっかりしているわ。」

ちょっと言葉使いが子供ぽくないかも・・・。不思議られたら困る。顔を上げてお母様の方を見上げる。


「ありがとうございます。苦労をかけているので、最近急に大人っぽくなってしまって。出来れは、もっと子供でいてくれらと思っております。」

お母様は少し、寂しそう。確かに、お父様が亡くなって、お母様が大変そうだからマーガレットは、我儘を言わない。周りの人の言うことを聞くようにしていた。

「娘と同じ歳だから、仲良くしてくれといいのだけれど。」

奥様は方頬に手を当てて困ったわポーズをしながら、答える。美人さんが何をしても絵になる。


「紹介がまだだったわね。娘のアマリリスを紹介するわ。」

奥様がそう言うと、お屋敷の使用人が私と同じ歳くらいの幼女を連れてきた。5歳くらいの幼女は、黒髪ロングサラサラツヤツヤヘアー。まさに、私の憧れ、理想といった髪の持ち主だった。

アマリリス様の顔立ちは、奥様そっくり。凛とした意思の強そう瞳、白いお肌に、赤くて形のいい唇、将来絶対美人になる。と確信するお顔立ちだった。


あまりの美髪っぷりに、はぁ。この世界にこれほどまでに、私の理想の美髪が存在したことに神に感謝を捧げたい。出来ることなら、その美髪にすりすりしたい、梳かしてみたい。と思い目をキラキラさせていたら。隣でお母様が

「初めまして、マリアンヌと申します。こちらは、娘のマーガレットと申します。以後、お見知りおき下さい。」

とご挨拶したことで、ハッと我に返った。


先ほどよりは、ぎこちない例をすると、アマリリス様は、ぶすっとしながら

「頭はもう平気?」

と私に話かけてきた。

「はい。あ、あのベットを貸していただきまして、ありがとうございました。」

「別に、お母様に言われたから仕方なく貸したのよ。私は貸したくて、貸したわけじゃないから。」

不機嫌そうにそう話て、ふぃっとそっぽを向かれた。ちょっとびっくりしたが、直ぐにアマリリス様の耳がピンクに色ついていることに気が付いた。

なるほど、俗に言うツンデレというやつか。


私の理想の美髪を持つ、ツンデレな美人さんに使えることが出来るとは・・・。

なんて光栄なの!!

「いえ。ありがとうございました。これからよろしくお願いします。」

先ほどとは違って、心から話した。


アマリリス様は、ポカーンとした顔をしている。

私なにか変なことでも言った?それとも、この世界の常識的に何か間違ったこといった?


「この子、素直じゃないところがあって、同じ歳の子とうまくいかない事が多くて、少し心配していたの。マーガレットは、この子とうまくいきそうで、安心しました。こちらこそ、これからよろしくね。」

奥様が優しく、笑いかけて下さる。凛とした方が、笑うと優しい雰囲気と相まって、何かの絵画のようだ。

良かった、嫌われたわけじゃなかった。そうか、ツンデレは普通とっつきにくいもんね。


「しっかりお仕えしましょうね。」

お母様は優しいお顔だけど、笑顔になると目尻が下がるとさらに、優しそうな表情になるのが好きだなぁ。


お嬢様を見ると、耳から首を真っ赤にさせながら、

「まぁ。私の侍女にしてあげてもいいわよ。」

フン。と効果音が付きそうな感じで発言しているが、いかんせん、真っ赤な顔で言われても可愛いだけなんだけどなぁ。


アマリリスという名前、黒髪美女で、ツンデレと言ったら、まるで私が昔はまって読んでいた小説に登場していた悪役令嬢だなぁ。

ぼんやり、思っていたところ

「では、エシスフェーロ家の屋敷内について後で案内するから、いったん部屋に置いてある荷物の整理してきてはいかが、旅をしてきて疲れているでしょうし。」

奥様がお話をそうおっしゃ瞬間に、思い出した。


もしかしなくても、お嬢様昔読んでいた小説の悪役令嬢なのでは!?

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