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第4話

変にネガティブな考えを持っていてもしょうがない、ということで適当な本を選んで本棚から手に取ってみる。言語が同じなのかも分からず、目に入った本を静かに開いてみた。


(……まったく別の世界、というわけね。)


見たこともない言葉で書かれる其れは、明らかに翻訳出来るとは思えないけれど何故か頭の中でするすると文が思い浮かんでくる。


どうやら手に取った本は、過去に私自身が書いた日記のようだ。


○月○日___今日は気に入らないメイドの運んできた料理を地面へ捨てた。私が食べたいと思っている物を考えることも出来ない料理長が______、


×月×日___今日は私の噂話をしている執事に罰を与えた。私が悪魔に取り憑かれているとかなんとか。主人に向かってそんな口の利き方は有り得ないので____、、


△月△日___今日は天気も良くて楽しい事が起こりそうだと思っていたのに、最悪な日になった。執事やメイドが私のことを「冷酷女」と呼んでいた。侮辱にも程が_______



あまりに酷い内容を認識したくなくなり、閉じる。

脳裏に多少の同じ記憶が流れるが、私が同じ立場に立ちたくないのでもう読みたくない。


どうしてこんな最低な内容を書けるのか意味が分からず、思考を逸らすために表紙から裏表紙まで見つめ、ふと目が惹かれる。



(アコリス・ジェンティーレ…?)



私の名前、らしい。

頭の中で知識として思い浮かぶのは、私について。


アコリスが謂わば名字であり、ジェンティーレが名前だ。そして私はアコリス家の長女であり、この家を継ぐであろう長男が一人居る、らしい。


正直落ち着いてはいるものの〝前の私〟と記憶が混濁している可能性が0ではないので断言しないでおく。


「…アコリス・ジェンティーレ。」


口で唱えたとしても、どこかしっくりこない異国の綴りに首を傾げつつ、本棚に沢山並ぶ背表紙を見つめれば、小説と共に長年書き続けているらしい日記、他にも何かの図鑑や数えきれない本がある。


試しに数年前の日記を覗いたが、やはり内容が内容で思わず顔を顰めてしまった。そして、納得がいく。


先程のメイドがどうしてあんな、怒りや悲しさ、沢山の感情を含ませては泣きそうな顔をしたのか、ほんの少しだけ、理解出来たような気がする。


(前の私がもう居ないにしても、此処に居る人たちに行ったことが消える訳じゃない。)


何か出来ることはないか、ともう一度本棚を見上げては気になる本を数冊手に取った。

お久しぶりです。星河ハルです。


主人公の名前をどうするか、恐ろしいほど悩んでしまい、また恐ろしいほど時間をあけてしまいました。


定期的に更新するのは正直、ちょっと無理です。すみません…


ブックマークしてくださった方、ありがとうございます。とても嬉しく思います。


誤字脱字等あると思います、申し訳ありません。

読んで頂きありがとうございました。

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