表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

XY:ZN












もはやホラーなんかじゃありません。普通の後日談です。

―数日後の夏コミ初日・東京ビッグサイト・雅子、?―


今日は夏コミ初日。

同人即売所には「う●●れ●もの」のコスプレをした男と女がそれぞれ2人、飯を食いながら、時々来る客の相手をしていた。


女の方はコンビニで買った具沢山のサンドイッチを片手に、携帯電話のRPGに没頭している。

男の方はインスタントの焼き蕎麦を食いながら、ハダカ新聞を片手にあぐらを掻いてくつろいでいた。


「いやー…手塚(・・)先輩。

毎年の事ながら付き合ってくれてどうも有り難う御座います」

女の方。とは勿論、我らが主人公・楠木雅子の事である。

頭にケモミミを着け、腰に獣の尻尾を着け、赤白で構成されたアイヌ民族風の衣装を着込み「●た●れ」の正ヒロイン・エル●ゥに扮する雅子は、隣にいる仲良しの先輩に向かって礼を言った。



「良いって事よ…俺とお前の仲だろうが…。


ところでよぉ…雅ァ…。

確かお前何日か前にルスツリゾート行ってたよな…?」

顔には角の生えた風変わりな白い仮面を付け、青・城・黒という涼しげなカラーリングで袖と裾の長い独特な衣装を着込み、頭にロン毛のヅラ、右手に長めの鉄扇を持った長身の男―「う●わ●」の主人公・ハク●ロに扮し、後輩である雅子にそんな疑問を投げかけるのは、裏でUMA・禿げ狗として名を馳せる異形ゲーム誌記者・手塚松葉。



「事件の事ですか…?

やっぱりアレニュースになってたんだ…」

データを保存し、RPGを中断する雅子。

ルスツの事件(アレ)よ…日本異形連盟(ニチイレン)で結構ネタになってたぞ…。

ついでに聞くが…昨日日異連の新参名簿にお前の名が有ったんだがよ…どういう事だ?」


日異連…正式名を日本異形連盟と言い、異形―人や獣の姿をしているが、老いとも病とも縁がなく、それぞれが人知を超越した様々な能力を持つ種―を保護するNGOである。

また、シンバラ社とも友好関係にあり、緊急特務科の機関員は全てが異形か、異形について知っている者であったりもする。


「あー…そういや報告忘れてましたね。

どういえば良いかな…

何っか入ってきた奴ガソリンで焼き殺したんですけどね、帰りの車ん仲で突然ブラジャーきつくなりまして」

「…異形化とテメェのその美乳が膨らんだのになんの繋がりが…」

「で、不安になって●大の付属病院で診て貰ったら、先輩の話でしか聞いたことのない診察室を紹介されまして」

「…異形専門総合科…通称『フリーク・ホスピタル』か…」

「で、血とか髪の毛とか色々調べて頂いた後で診察結果頂いたら」

「見事異形化してたと…」

「はい。胸が膨らんだのはその反動だとかで」

「んーで、何の異形だったんだ…?」

「はい。『変化』の異形だそうです」

「変化ェ?」

「何でも、色々な固体に変身したり、液化や気化も出来る能力らしいですよ」

「成る程な……そりゃご苦労なこって。


ようこそ。異形の世界へ。

日異連東京チーム一員として歓迎するぜ…ま、お前の所属は岡山チームだろうけどな」

「でしょうね。宜しくお願いします」


と、其処へ新たに客が現れる。

此方もコスプレイヤーのようだ。

ヨーロッパ系であろうか、細身の美青年で、此方は全体的にシンプルな着こなしをしており、メインキャラの「オ●ロ」に扮している。

「あのーすいません。


この『栗栗栗』って本、1〜6まで全巻頂けますか?」

「あ、はい畏まりました。

それでは…えーぃとォ…お会計が500円5点に700円が1点で3200円になります」


「あ、3200円ですね。

はい。これで丁度」

雅子に千円札三枚と百円玉二枚を渡す男。

「丁度お預かりします。お買い上げ大変有り難う御座います。

これからもどうぞ『HELL'S PARADISE』を宜しくお願いします」

「此方こそ。同人活動頑張って下さい。期待してます」

と、ここで松葉が口を挟む。

「いやぁ〜それはそうと、お兄さんよくお似合いですね〜。

お国はどちらで?」

「イタリアです」

「イタリア!

はぁ〜イタリアねぇ。

イタリアの家庭料理と言えば、ボルシチでしたっけ?」

「そうですね。


ところでその声…失礼ですけど、仮面とって貰って宜しいですか?」

松葉が仮面を取ると、男は驚きのあまり口を手で覆う。


「手塚さん!手塚松葉さんじゃありませんか!」

「ほう、この手塚をご存じで?」

「当然ですよ!貴方の本は全部持ってますし、ブログやホームページもなるべく毎日診てます!

『●た●れ●も●〜散●ゆく者●の子●歌プレイ日誌』読みましたよ〜!

貴方が手掛けた公式ノベライズ版『The stated one〜白き皇帝の生涯』も全巻読ませて頂きました〜もうマジ泣きですよ〜!」

目を爛々と輝かせながら、イタリアンの青年は語る。






こうしてまた、夏は過ぎていく。

本当は禿狗禄の時みたいに色々語り尽くしたい事とか有るんですが、面倒なんで省きます。

あと手塚松葉って誰だよって方は禿狗禄を読んで下さい。

大変貴重な時間を割いてここまで読んで下さった親切な方々が、どうか末永く幸せでありますように。


―2009,8/14,4:09 蠱毒成長中

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ