8話
のんびり不定期連載です
「では、今ギルドにあるだけの現金を使って鱗と牙を買い取りたい。 それで大至急売り上げをあげるから、その収益を使って眼球と心臓を買い取りたい。 売値次第では逆鱗も欲しい所だな」
「鱗と牙の配分はどうしますか?」
「半々で頼む。 書類上ギルドにある現金だと、犬歯4本と鱗が4枚だな。 大至急金を集めるので素材の準備を頼む」
「素材…というか、死体をそのまま収納しているので レッドドラゴンを出せる広さの場所と、素材を回収できる人材を出してほしいのですが」
「レッドドラゴンをそのまま収納って…恐ろしい程の魔力なんだな。 確か大きさは、尻尾まで入れたら全長20メートルくらいだったか、訓練所を使うしかないな。 場所もすぐに手配する 少し待っていてくれ」
「わかりました、それでは先に宿を取ってきますので、その後にまた来ます。 それで、この町で一番高級な宿はどちらになりますか?」
「ああ、今うちの職員に案内させる。 1階で待っててくれ」
「わかりました」
ギルドマスターとの話は一時中断とし、言われた通り階段を下りていきます
アリシアがギルドマスターの部屋を出ていった後、ギルマスは机の上に置いてあった鈴を鳴らした
「お呼びですか?」
「ああ、今来ていた冒険者シアに この町で一番高級な宿まで案内してやってくれ。 薄々気づいてるとは思うが、間違いなくあいつが使徒アリシアだ そして元と言っていたが公爵令嬢でもある、丁重にな」
「…了解しました」
「お待たせしました、宿までご案内します」
「よろしくお願いします」
1階で待っていると、先ほど案内してくれた受付嬢が 今度は宿まで案内してくれるそうだ。 受付の仕事は良いんだろうか、まぁギルドマスターの指示だろうからいいんでしょうね。 さぁ行きましょうか!
受付嬢に案内された宿は、ギルドの建物から徒歩10分ないくらい いかにも貴族専用です!という雰囲気を醸し出した綺麗な宿ですね。 最近はクリーンの魔法ばかりだったので 今日はお風呂には入れそうです。 やはりクリーンの魔法だと清潔になるんだけど、お肌や髪の毛の水分補給はできないので 潤いが足りなくなるんですよね。 受付をしてみると、1泊金貨5枚だそうです。 なかなか高いですね
一応3泊分支払いを済ませ、部屋をキープできました。 次はギルドでレッドドラゴンの解体でしたね、 さくっと終わらせて迷宮を覗いてみましょうかね。 迷宮に入るために必要な物があるかどうか確認しないといけませんね
来たときと同じく 受付嬢に先導されてギルドへ戻ってきました。そのまま訓練場へ連れられて行くと、すでに解体職人が待機していました
「おっ 来たな。 それじゃあここに出してくれ」
「わかりました、犬歯4本に鱗が4枚でしたね」
「ああ、まずはそれで頼む」
ギルドマスターの指示に従い、訓練場の真ん中でドサっとレッドドラゴンの胴体を出す。 背後で職人さんの「ぅおお、でけぇ」 なんて声が聞こえます。 最後に斬り落とした頭部を出して終了です
「では、お願いします」
「よし、解体を始めてくれ!」
「「おおっ!」」
職人が動き出し、犬歯を取り外すため仕事を始める
「そしてこれが犬歯と鱗の買い取り分だ、犬歯が1本金貨200枚、鱗が金貨50枚。合計金貨1000枚だ。 検めてくれ」
「わかりました、それで一つ質問なんですけど 迷宮には誰でも入れるのですか?」
「迷宮に入るための資格は冒険者ランクE以上なら誰でも入れるぞ。 もちろん怪我なんかは自己責任だがな」
「ランクE以上ですか…そういえば私、登録してから一度も依頼を受けていないのでランクFのままでしたね、がっかりです」
「マジか…まぁレッドドラゴンを討伐できるくらいだ、俺の権限でランクCまでだったら上げてやれるぞ?」
「本当ですか?それならばランクDまで上げていただきたいですね。 ランクCだと指名依頼やら強制依頼やら受けなくてはいけなくなるんですよね? それはちょっといただけませんのでランクDが望ましいですね」
「Dか、わかった。 おいっDまでランクを上げてやってくれ」
後ろにいた先ほどの受付嬢に、またしても連れられ 受付カウンターまでやってきました
「それでは昇級手続きを行います。ギルドカードをこちらへ」
カードを受付嬢に渡すと、脇に置いてあった水晶にかざしながら何やら作業をしています
「本来であれば、レッドドラゴンを討伐したなんて功績で FからDまでの2段階昇級なんてありえないんですけどね… ギルマスが言ってた通り、ギルマスの権限だけでもランクC その後正式に審査してB、もしくはAまで昇級してもおかしくない功績なんですよ」
「そうは言いましても、私としても昇級する事で発生する義務を請け負う訳にはいかないんですよ、やらなければいけない事もありますのでね」
「そうですか…ところでここだけの話なんですが、ガーナ王国のフェブリー公爵家の令嬢だったんですよね?」
「ええまぁ、元ですけど」
なにやら受付嬢の目がキラリと光ったような気が…
「という事は、第1王子の 王太子の婚約者だったんですよね? その辺はどうなったんですか?」
「それは… ノーコメントという事で、気にしないでいただけると」
「いえいえ、気になりますって 王太子妃であり次期王妃様だった訳ですよね?憧れるじゃないですか!」
「そうですか?まぁ少なくとも王太子殿下は見た目以外全てダメダメな男性でしたけどね」
「そうなんですかぁ 私達にとっては隣国の王族のお話なので、なかなかそういった情報が入ってこないんですよね 貴重なお話をありがとうございます。 カードの更新が終わりました、今日からランクDです 頑張ってくださいね」
「ありがとうございます、そろそろ解体作業も終わりましたかね」
「では訓練場に行きましょうか。 本日はこれから迷宮に入るんですか?」
「いいえ、今日はゆっくりお湯に浸かって旅の疲れを癒そうと思っています。入るとすれば明日ですね」
「わかりました。 しかしローブの隙間から見えるお肌はとても綺麗ですが、何か秘訣が?」
「ガーナ王国で市販されている化粧水をつけている程度ですよ、お肌の潤いは大事ですからね」
「なるほど…参考になります」
「そ、そうですか?」
訓練場に行くと牙と鱗はすでに回収されていた。 レッドドラゴンの胴体と頭部を再び収納して宿屋に戻ろうとした時に、ギルドマスターから声がかけられた
「3日後までに全て売り払うから、その時にまた頼む。 金額次第だが、心臓は必ず買い取りたい所だな 滅多に出ない素材なうえ、高価すぎるのが難点だが 買い取る機会があるならこちらも全力を尽くそう」
「は、はぁ わかりました。 3日後ですね? ではそれまではこの町に滞在する事を約束しましょう」
「うむっ よろしく頼む」
やっと終わりました。 今日の売り上げは金貨1000枚、しばらくお金には困りませんね。 ふふふ
ニマニマと頬を緩めながら高級宿屋に向かうのだった




