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4話

のんびり不定期連載です

町へと辿り着いたものの、さすがに国境を越えてすぐだからか 警備が意外と厳しいみたいですね。 門の前には大行列が出来ています

 私もさりげなく行列に並んでみました。 ええ、なにやら注目を浴びてるようですね まぁそれは仕方がありません。 血統のせいか、自分の見た目が麗しいという事は王宮で教育を受けていたころから常に言われてましたし、15歳の少女が共も連れずに1人で…それも徒歩で辺境の町に来たのです 普通に考えて『訳あり』だと思われているのでしょう

衣服は王都で購入した冒険者風になっていますが、顔だけ見れば貴族令嬢にみえるのでしょうね。 しかしまぁそんな事を気にしてもどうにもなりませんのでスルーしましょうか


 あっ フード付きのローブを纏うのを忘れていましたわ。 これは失敗ですね、今からでもローブを纏いましょう。

 背負っている革のリュックから出すふりをして~ 魔法で収納していたローブを引っ張り出します。 うむうむ、完璧ですね


 フードを被り目立たなくなって安心しましたが、行列の中 町の中には入れたのは2時間後でした。 ぐったりしますね

 なんだか並ぶだけで疲れてしまったので、食材の補給を済ませたらさっさと次の町に向かいましょう。このような辺境の宿に泊まるくらいなら 魔法障壁を展開して外部から隔離し、収納してある自分のベッドで寝る方が遥かにマシでしょう。 自分で管理しているので衛生面では特に安心できますしね


 野菜や果物をメインに購入し、さくっと町を出ます。 ここから街道は3方向に分かれています 真っすぐ西へ向かう道、南のトリュフ王国に向かう道、北のポテチ王国へ向かう道… 名前だけなら北なんですがね、とりあえず追手がかかっているかもしれないので、南のトリュフ王国方面に向かいつつ 途中で西に方向転換しましょうか、 ええそうしましょう


 門を出てから僅か3秒でこの結論に至り、南へ向かうのでした




 アリシアが追放を言い渡された日の翌日、フェブリー公爵王都邸での出来事


「なんだと?アリシアが婚約破棄された挙句に貴族籍剥奪の上で国外追放されただと?」


声を荒らげているのはフェブリー公爵家の現当主であり、アリシアの父親だ。 報告に来ていた老執事に向かって怒鳴っているのだ

「あのバカ者が! 王太子妃になれば我が公爵家の権威も上がったというのに」

「お嬢様の報告では、王太子殿下の言い分は全て冤罪であり 王妃殿下が付けていた監視者が記録結晶で撮影しているので無罪を主張するのは容易いと言っておられました。陛下が視察から帰られたら申し立てをすれば公爵家の名に傷はつかないと言っておられ、慰謝料もかなり申告できるとも…」

「元凶はあのバカ王子か…しかしあれほどの魔力持ちだ、追放で失うには惜しいな 追手を出して捕えてくるよう手配しろ。 あいつはまだまだ利用価値は十分にあるだろう、それと申し立ての書類を書き上げて王宮に出せ」

「承知いたしました」


老執事はその場を辞し、書類を書くために自分の執務室へ向かった。 お嬢様が少しでも遠くに逃げられるよう時間をかけて書類を作成し、 最後に追手の手配をするのであった



アリシアが追放を言い渡された日から3日後、王宮での出来事


「なんだ?フェブリー公爵家から申し立てが来ているだと?書類を見せてみよ」


つい先ほど 視察から戻ったばかりの国王陛下だ、隣には王妃もいた


「は? 婚約破棄に貴族籍剥奪…国外追放しただと? 男爵令嬢に非道ないじめをしたという冤罪をかけてパーティ会場での断罪…あのバカ者めが! 今すぐ王太子をここに連れてこい! そして記録結晶でアリシアの行動を全てチェックして いじめの事実があったかどうかの確認も!」

「そういえば、ずいぶんと礼儀のなっていない男爵令嬢が学園に編入したと言ってましたね。 息子もたいそうご執心だったという話も聞こえてます、 陛下、男爵家も呼び出して調べた方が良いと思いますわ。 それと追放されたアリシアの行方も追わないといけません あの子の力はこの国にとってとても重要です、手放すわけにはいきません」

「わかっておる、これで公爵家の言い分が正しいのならば あのバカ息子は廃嫡にし、第2王子を立てないといけないな。 男爵家は事と次第じゃ国家反逆罪で一族郎党処刑も考えておかなければ」


 その後、記録結晶の確認が行われ いじめをしていたという事実はなかった事が確認された。 そして最後に確認したパーティ会場での記録


「おい宰相、これはお前の息子じゃないのか? なにやら偉そうにアリシアを攻め立てているが…これはお前の差し金なのか?」

「いいえ、とんでもありません。 あいつは一体何を…」

「お前に対しても罰を考えねばいけないな、降爵と宰相職の剥奪は覚悟しておくんだな。 もう1人写っているのは騎士団長の息子だな? 騎士団長をここに連れてこい! それと証言したという者も全てだ!」

「ははっ」


 宰相と呼ばれた貴族が青い顔をして部屋を出て行った。 騎士団長に陛下がお呼びであると伝えると 急いで息子を王城に来るよう使いを出した



「父上、お呼びでしょうか?」


 王城に多数ある会議室の1室、上座の席に王と王妃の両陛下が陣取っていた。 そこに入ってきたのはまだ年若い少年だった


「急な事だが、お前を立太子する事が決定した。明日からは次期王として、今以上に勉学に励むがいい」 

「兄上はいかがなされたのですか?」

「あいつはもうだめだ、男爵令嬢ごときに唆され、アリシアに冤罪を被せて婚約破棄して国外追放にしたのだ。 すでに廃嫡して幽閉する事に決めている」

「そうですか 立太子の件、確かに承りました」

「うむ、お前は元から聡いから心配してはいないが 精進するがよい」

「わかりました。ところでアリシア様の行方は掴んでいるのですか? あの方の力は我が国に必要な力だと思っていますが」

「現在捜索中だ、何せ追放したのが3日前の事だからな すっかり後手に回っておる。 3日前に冒険者ギルドで登録した後王都を出た…という事しかわかっておらぬ」

「そうでしたか…公爵令嬢が身一つで外に出て無事でいられるか 心配ですね」

「なんとしても我が国に戻ってもらい、国のために働いてもらわねばな。 では下がるがいい」

「はっ 失礼致しました」


 会議室を出た第2王子はニヤリと笑い出した


「愚かな兄上…勝手に自滅しましたか。 しかし、あのような男が次期王など 未来を考えればあり得ませんでしたから、むしろ良い事をしたって事でしょうね」


 笑みを浮かべたまま自室へ戻るのだった

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