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3話

のんびり不定期連載です

さてさて、追手がかかる前に最低でも王都は出ておかないといけませんね。 なにせ普通の能力しかない王太子殿下を出汁に私を王家に取り込もうと画策したのは両陛下なのですから、王太子殿下が両陛下が不在の時を狙ったのも それが関係しています。


 それはともかく、王都を出る前に新しく身分証を作らなければいけません。 そうです!冒険者ギルドに登録なのです!


 金貨しか持っていないので、登録料を金貨で支払い お金を崩してしまおうという考えもあります。 小売業が相手では、お釣りの都合で金貨は断られる場合が多いのです


 ああ、もう公爵令嬢ではなくなったので 少し言葉遣いも変えた方が良いですよね… 変えれるかしら。 まぁいいでしょう その辺はおいおいという事で。 それでは今度、特に喫緊の行動としては…

① 王城にて貴族籍剥奪の証明書の発行。 これがないと国王陛下の権限で どこに行こうとも連れ戻されてしまいます

② ついでにフェブリー公爵家からの離縁届。 これをしないと上記の理由と同様で、父親である現公爵から政治的道具として使われてしまうかもしれないから

③ ギルドにて冒険者登録。 これをしないと身分証明書がないので、町を出入りするために入場税の納付と審査があるため時間がかかってしまう


 王都でこれだけやっていれば、この国を出るまで特に問題は起きないでしょう。 何かあれば違う国に入ってからやればいいのです



 ふぅ やっと役所関係が終わりましたわ。しかしこれで 私は晴れて平民でありこの国の民でもなくなりました。 重たかった足枷がようやく取れたという感じですね、 さぁのんびりしていては日が暮れてしまいます 冒険者登録もさくっと済ませて出奔してしまいましょう


キィィィ

 軋むような音を立てながら開かれるギルド王都支部の扉、 さぁギルドに登録時と言えば定番の絡みがあるかもしれません、魔力を込めて身体強化を施しておきましょう。 これでオーク程度ならワンパンで頭部を破裂させれるくらい楽勝です


何も起きませんね… やはり王都のギルドは洗練されているのでしょうか。 残念ですがまぁいいでしょう 登録しなければっと


 登録料の支払いも終わり、なんとか日が暮れる前に終わらせる事が出来ました。 さて、食料を買い込んで…いざ!出奔!


 …と、意気込んではみたものの さてさて、どの国へ行きましょうかね。 学んだ地理では、地球でいうユーラシア大陸ほどの大きな大陸に 無数の国家が存在しています。 この国 ガーナ王国は大陸の東の端っこを国土とし北側にポテチ王国、南側にトリュフ王国、西側にクランキー王国と 3国に囲まれています

 北側のポテチ王国は年中寒く、土地が痩せているので作物の育ちも悪くて 代わりに魔獣の肉がメインの食材な為、美容に余り良くありませんので却下で。 南側のトリュフ王国は… 私、前世ではキノコが大嫌いだったのですよ、なので国の名前だけで却下ですね

こうなると西に向かうのは必然という事でしょうか。クランキー王国…なんとなくおいしそうな予感がしますね

 では改めて、西へ向かって出奔!

この国にいれば、いくら王太子殿下の命令で貴族籍剥奪だったとしても、すぐさま王命で却下されるでしょう。 しかしこの国を出さえすれば、王家の権力も届かなくなります。周辺国とはそれほど仲がいいって訳ではないみたいですからね


 身体強化魔法を用いてひたすら走って跳んで、一気に王都を離れていきます。 さすがに見ず知らずの地に向かって転移魔法は使えませんからね、観光も冒険者としての活動も隣国に着いてからやりましょう その方がゆっくり落ち着いてできますからね


 走って跳んで、とても公爵令嬢とは思えない行動で 王都を出てから3日目… とうとう国境を越えました。 ああ、元公爵令嬢でしたね 訂正訂正。 王都と公爵領しか知らない身なので、ここからは周囲の風景を楽しみながら歩く事にしましょう。 王都も公爵領の領都も、ガーナ王国では都会の部類になりますので 田舎な風景は情緒があっていいものです

前世の記憶を辿ってみても、東京出身だったため 田舎には少々憧れがあったものです


 ここで少し前世を振り返ってみましょうか。 前世での最終学歴は大卒、中学高校では剣道部に所属し、高卒時点で2段を所持。 その時の記憶は…正直あまり役に立ってませんね。というか却って邪魔になってます、 剣道というものは竹刀を使う事により 打たれる事も視野に入れて有効打を放つものです。 この世界、敵を相手に打たれる事を視野に入れては大変な事になります、 必殺魔法の第2段であるライト○ーバーは、相手の武器や鎧も豆腐のように切り裂きますので、相手の剣戟をうっかり受ける事も出来ません。 なので防御は魔法障壁で行い戦うという結論に達しました

大学では特に部活やサークル活動はやってなく、アルバイトに明け暮れる生活でしたね。 問題は卒業して就職した事により発生した極貧生活 就職先は所謂ブラック企業で、貧乏暇なしを体現していました。まぁ貧乏の理由は超絶安月給のせいでしたが、 前世での最後の記憶は 会社に泊まり込んで仕事をしていて、休憩しようかと寝袋に入る所までです。 おそらくそのまま過労死でもしたのでしょうね…


 だからという訳ではありませんが、公爵家、王家の婚約者という柵が無くなった今 もう好きに生きても良いですよね? ダメと言われても好きに生きますよ!

世界中のおいしい物を食べて、自分が守りたいと思った者だけを守り、行きたい所に気分のまま赴く。 ふふふ、俄然やる気が出てきますね。


 脱線しましたが まぁそういった経歴なわけで、小説などでよく見る生産チートというのは出来そうにありません。 マヨネーズは使うものであって作った事も無ければレシピすら知らないのです、多少の料理は出来ますけど 前世で使っていた調味料が無い以上、この世界で覚えた料理をするしかないですからね… こうなるとわかっていたなら勉強したのですが、まぁ後の祭りですね


 料理に至っては 行く先々で、その地にいる料理人のお世話になりましょう。 自分で料理するのは旅の道中のみという事で、塩胡椒をたくさん買ってありますので何とかなるでしょうね 塩胡椒は万能ですから!


 妄想しながら歩いていると、隣国 クランキー王国に入ってからの初めての町が見えてきましたよ。 冒険者ランクが当然Fなので、移動する前に1回くらい依頼を受けてもいいかもしれませんね


 さぁ町に入っていきましょう!

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