俺の名前は…
「ネックレスを奪うなんて無理な話だろう、なんせ敵は不死身の化けもんなんだろ。」
俺は、レミリーにミッションの内容を聞かされ落ち込んでいた…
「あら、乗り気じゃないのかな?しかし、ここで朗報よ、ここでネックレスを奪い返せたらあなたの願いを一つ叶えてあげるわ!」
え…それって…
「願い事を増やして都下でもいいのか?」
「あんた、生の世界でいいことなかったからって考えることゴミすぎでしょ、そんなチートも対なことできるわけないじゃない。」
やっぱだめか~でも、
「幸せにしてくださいってのはいいのか?」
俺が生の世界で一番ほしいと思ったものだ
「たぶんOKだとおもうわよ」
「よっしゃ!不死身でも神でも関係ない、この俺様が討伐してやるよ」
「あんた気が変わるの早いわね、まぁこっちもそのほうが嬉しいんだけど。」
「あの…そろそろ戻ってきてもらえますか」
おっと、2人で話し込みすぎて男のことを忘れていた
「ところで、あなたたちの名前聞いてなかったな、俺はファン・サン、みんなからはファーさんと呼ばれている、好きに呼んでくれ。」
「じゃあファーさんよろしくね、私は時の女神様につかえる38番目の下級神、エミリーよ、これからはエミリー様と呼びなさい。」
「こいつの言ってることはスルーしてくれていいぞ、みんな名乗ってくれてなんだが、俺は名前がないんだ、すまない。」
ファーさんが少し戸惑ったのがよくわかったが、本当のことなので仕方ない
「じゃぁ、私たちが名前を付けましょうよ!」
よく思い出してみれば名前なんて気にしたこともなかった。生の世界での父親はクズだったし、特に自分は養護施設の人には「厄介者」としか呼ばれていなかったもんな。
「それはいいですね、あなたでは呼びずらいですし。」
「変な名前はやめてくれよ」
「私、『ボッチ』がいいと思うの。」
こいつ、しばいたろか
「さすがに『ボッチ』は可哀そうですよ、それより『スーさん』はどうですか?」
ファーさんのネーミングセンス…
その時俺は、持ってきたガラクタの中から一つのだれもが知っている名作ゲームカセットを見つけた…
『勇者よしピコの冒険』
俺はふと思いついた名前を口ずさんでいた…
「『ヨシ』」
みんながこっちを見て数秒後、ファーさんが
「いいんじゃないかな、ヨシって呼びやすくてかっこいい気もするし」
「まぁボッチにはかなわないけれどもいい名前だとはおまわないこともないわよ」
「いや、やめてこのビミョーな雰囲気…じゃぁこれからは『ヨシ』と呼んでくれ。」
こうして俺の初めての名前がきまった