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禁断の扉4



 昼間だというのに森の中は薄暗い。それでも、レイラは迷うことなく進んでいく。


「ここは……。迷いの森だよな。なぜ、あいつは迷わない」


ジルフォートは、前を行くレイラを見て尋ねる。


「それは、わいの言うこことじゃないさかい。いつか、レイが話すやろ」


コタロウは長い尻尾で、ナジェルの背をぴしゃりと叩いた。




 どれくらい歩いたか分からないが、一行は開けた場所に出た。


「ここなら、誰にも見つからないだろう」

「そやなぁ。ほな、わいは寝るで」


コタロウはそう言うと、ナジェルの肩から飛び降りた。一度目を閉じ、パッと開くと、そこには一つだけふかふかのクッションが現れる。コタロウは、そこで丸くなった。


「自分のだけかよ……」


恨めしそうに、ナジェルは呟く。


「こいつは、そういうヤツだから」


レイラは、その場に腰を下ろす。二人もそれに続いた。



 三人は、円陣を組んで座った。


「ナジェル。魔法について、お前はどれくらい知っている」

「どれくらいも何も、俺は何も知らないよ。存在を知ったのだってここに入ってからだし、魔術の何たるかなんて知るはずが無いじゃないか」


レイラは頭を押さえた。これでは、先が思いやられる。


「……まず、基本から行こう。魔法とは、自然を中心とし、自然界と契約をして、得られる力のことだ。


 魔法は、大きく分けて三種類ある。一つは元素と契約し、精霊の力を借りて、自然を操る『精霊魔法』。二つは精霊と契約し、精霊自身を操る『召喚魔法』。三つは自分の力を以て相手に干渉する……さっきの、言霊みたいな物だ。それが『干渉魔法』。これが、一番難しいと言われている。


 俺の専門は召喚魔法だが、お国柄で一応全ての種を使うことが出来る」


レイラが話し、ナジェルは一言一句逃すまいと、一生懸命聞いている。その間することのないジルフォートは、魔法大辞典を読んでいた。


「えーと。俺が教えてもらうのは、精霊魔法……。元素と契約して……精霊の力を借りて……自然を操る……。合ってるか?」


レイラはニヤリと笑って頷いた。ナジェルは、良い生徒のようだ。楽しくなってくる。


「スペル呪文は沢山あるから、辞典を貸す。気に入った物から覚えていけ。それから、四大元素とも契約するから、そこも目を通しておくこと。どの精霊魔法にしても、元素と契約出来なければ、使えないからな」


ナジェルはただ感心するしかなかった。


「魔術師は、何時、そんな契約をしたんだ」

「俺か。俺は……四つだったかな。いや、五つだったかも…」

「……もういいです。とにかく、ガキの時か。魔女、お前は」


レイラが深く考え込んだものだから、ナジェルは話を逸らそうと、ジルフォートに振った。


「さぁ。覚えていないな」


ジルフォートは辞典から顔を上げずに言う。


「……。聞かなきゃぁ良かった……」


ナジェルは頭を垂れる。一気にやる気をなくしたのだ。




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