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古の都1


 闇夜に響く風の音。なびく金色の長い髪。身の竦む思いがする森の道で、旅の精霊は足を止めた。そして、空を見上げる。星月も見えない闇空に、一瞬何かが光のを見留めた。それは、命芽吹いた調べか……。精霊は満足そうに頷いた。そしてまた足を進める。


 街の明かりが見えた。精霊の隻眼が蒼く輝く。その街は、神々のみが知る、地図になき村だった。




太陽神


 世界に君臨する絶対唯一の神である。千里眼を持ち、千年先の未来も見通すことが出来るなり。

 

これほど、神の中の神と呼ぶのにふさわしい神はいるだろうか。いや、いない。


 太陽神は、我等の為に御座す。我等が太陽神は、未来永劫その名を轟かす。我等が太陽神に、栄光あれ。




 三人と一匹は夜道を歩いていた。迷い森から少しも離れない内に夜になり、森が見える位置で野宿をするのは癪に障ると満場一致で、歩き続けていた。だが少しも、森から遠ざかったように感じない。


「まずい。グールが来る」


レイラが近くの木を見上げて言うと同時に、腐敗した死鬼が現れる。すぐにナジェルとジルフォートは剣を抜き、グールを斬りつけにかかった。だが、切れども切れども、グールは数を増やしていくばかりで、滅する気配がない。


「魔術師も応戦しろ」


少しも油断せず、剣を振りながら、ナジェルは叫ぶ。


「無理を言うな。俺は剣を初めて持つんだ。それに、グールやゾンビは、切った所で意味がない」


レイラは少し下がった所で、二人を見ていた。言葉を聞くと同時に、二人はレイラの後ろへ跳躍する。すぐに、レイラは結界を張った。


「なぜ、それを早く言わない」


ジルフォートが怖い顔をしている。


「それくらい知っていて当然だ。剣の部は、そんなことも教えてくれないのか」


さらりと嫌味を言う。授業に出てもいないのに、教えてくれるも何もないのだ。


「で、あいつらはどうすればいいんだ」


ナジェルは腕を組んで尋ねる。


「朝まで待つ」

「それは絶対嫌だ」


レイラが言うと、即座に二人は揃って叫ぶ。


「だいたい、グールは屍を食らう低級のジンで、人を襲うことはないはずだぞ」


ジルフォートはそっぽを向く。


「普通はな。だが、封印の扉が開かれた今、普通や常識などない」

「じゃあ、朝まで待つ以外に、方法はないのかよ」


まだ、迷いの森が見える。それが癪に障るナジェルは、尋ねた。


「方法はある。神の血を引く者だけだが使える、最高の精霊魔法。ジルフォート、出来るよな」

「解魂の術か」


レイラが頷く。ジルフォートはベルトから小刀を抜いた。レイラが結界を解く。ジルフォートはグールの真上に跳躍すると同時に、縦に掌を斬りつけた。


「汝、あるべき姿に戻れ。解魂」


そして印を組み叫んだ。あれほど沢山いたグールの姿が、塵と化す。それを確認すると、ナジェルが走り出した。負けず嫌いの心が働いたのか、ジルフォートも続く。


「おい。ちょっと待て」


レイラが叫ぶが、二人は止まらない。コタロウも、トテトテ走り出す。レイラは盛大にため息をつくと、仕方なしに走り出した。



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