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二日酔いから醒めたら異世界に生きる   作者: レベッカジャスミン
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ミスリルの短剣《ダガー》と塩 その2

 聖なる森・・・精霊たちの領域

 初めてエルフの森に、足を踏み入れた時も感じていたことだ。

 何か空気が、違うのだ。

 山のアウトドアには、興味も無かったし・・花粉症の影響もあって敬遠してた。

「これはこれで、美味い空気ってことなんだろうけど・・・」

 えりりんは首をかしげながら、初めて質問してきた。

「この森に何か不満か?」

 本当に・・・単刀直入の質問って、やりづらいよね!?

「不満なんて・・ありませんよ」

 社交辞令です・・正直文明の違いでトイレにも困ってますけど・・・

「なぜ結界を張ってるんですか?」

 これも頭の中で残っていた疑問の一つでもある。

「今から35年前・・北の領主が我ら相手に戦争を仕掛けてきた」

「不干渉を今まで続けてきたが、野心ある相手には対抗処置が必要だ」

「あぁ・・分かりやすい話ですね」

 北の領主の情報は、入れておく必要がありそうだ。

 この国の勢力全体が解るとありがたいのだけど・・聞けば聞くほど、フラグが立ってきそうで自滅しそうだな。

 不思議なことにこの森は、色んな木々が沢山共存している。

 自給が可能な理由の一つかもしれない。

 足元の情報も揃ってないのに、情報源を広めるのも自分の首を絞めてしまわないか・・

 こののどかな景色を見ながら感じてしまう自分がいる・・

 自然の美しさが逆に、不安な予感を呼び覚ましてるような気さえ感じる。

「人間とエルフは今、かりそめの休戦状態ってことですか?」

「こちらから仕掛けてはいない・・」

この世界で最初に、意識を戻した場所は北の最果ての村だった。元の世界から、転移した原因が埋まっている可能性は高い。

 自分自身が勇者様でも賢者様でも無いのだ。

 世界の気まぐれに巻き込まれたとしても、ゲームの様に楽に日々がすごせる世界では無い事だけは理解しているつもりなんだけど・・・・

「今は目先の仕事から片付けるとするか・・とほほ」

 日が暮れて、暗くなる頃には西の街ぎりぎりの境までたどり着くことが出来た。

「朝外壁の門が空くころに侵入しましょう」

 外敵から守る為であろう高い城壁が街を囲んでいる。

 今夜はエルフの森の敷地内で、野宿するのが無難だと説明した。えりりんも同意してくれた。

 保存食の干し肉と水をコップ一杯分・・ささやかな夕食だ・・・

「食べ終わったか・・」

「ええ・・ごちそうさまでした」

「そうか・・」

 えりりんは小声で何やらつぶやき始めた・・

「あ・・っ・ね・・む・い」


「・・・」

「ふぅ・・ぅわぁぁ・・・zzz」

 晩酌なしで、こんなに熟睡したのはいつ以来だろうか?栄養不足はあるかもだけど・・疲れるほど仕事してないんだよな・・昨日は

「起きたか・・」

「昨日・・・僕に何かしました?」

「寝かせただけだ・・」

 そうかよ・・お前か!・・魔法とかインチキな技使って寝かせたのか!

「おかげで・・・ぐっすり寝れましたありがとう」

 寝かせるなら前もって言えよ!こっちは腹わた煮えくり返ってるけどな!!

「そろそろ出発する・・」

 そうそうそちらのペースでいかれてたまりますかって!!!

「この近くに川は無いですか?」

「あるにはあるがどうした?」

「ただちに寄ってください」

 これから商談だってのに身支度くらいさせろや!

 朝早くの川で行水・・寒・・寒いわ! 季節はまだ夏の後半とはいえ、朝の森林は寒いよ

 とりあえず身を清め、折り畳みのブラシで髪を整え止めのフレグランスで準備万端!そしてこちらに着てきたスーツ姿に変身完了!!今の俺はビジネスマンこれから行くのは俺の戦場・・・

「すいません・・えりりんさんお待たせしました」

「なぜその服に着替えた?」

「この服の方が上手くいくんですよ・・多分・・」

 こうして俺たちは、西の街の城門を抜け新しい街へと進みだした。

「まずは前回に短剣ダガーを売ったお店に連れて行ってもらえませんか?」

 この世界の情報収集も今回の目的だ

「分かった」

 まずはここから戦闘開始だ!!

 

 



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