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二日酔いから醒めたら異世界に生きる   作者: レベッカジャスミン
2/5

二日目前編 エルフの長老

ようやく二話目が仕上がりました。まだまだ未熟ですが生暖かく見守ってください。

二日目前編 エルフの長老


 異世界に飛ばされて二日目の朝は、目覚まし無しで快適に起きることが出来た。

 前いた世界で、続けていた仕事終わりの楽しみ晩酌を楽しめなかった為だ。

 異世界でも、飛ばされた時期が同じならここは今お盆を過ぎた頃のはずだが・・・森林地帯とエルフの森事態の神聖な、何かで夏の暑さを過ごしやすくしているのか朝はちょっと寒い。

「状況整理かな・・」

 異世界に持ち込めたアイテムは全て鞄の中だ。

 今のマズい状況は自力で脱出するしかない。ちなみにスキルは・・

「いやだめだ・・・心を読まれたら・・」

 昨日の、森での出来事を思い出す。何かしら神聖な力、それが魔法なのかは解らない。だが邪まな気持ちは見透かされるだろう。突然のアクシデントには、とっても弱いハートの持ち主の俺は、動揺を隠せないが前もって準備しておけば何とか乗り切れるはずだ。

「小細工のきく相手じゃなさそうだしな・・」

携帯ブラシで、スーツの汚れを払うとネクタイを締めなおした。

「準備は出来たか?」

 森での最初の出会いといい、気配を消すのが妙に上手い。今回も、まったく気が付かなかった。

「はい!えりりんさん・・案内をお願いします」

 一晩泊まった軟禁ホテルは、どうやら長老の館の一角に当たるようだ。

 案内された少し薄暗い広間には、生きた木々がそびえ森の間と呼ぶにふさわしい。

「人間がこの地を訪れるのは・・久しくなかった 外には結界もあるのだが」

「初めまして!私は ナツキ・・・ナツキ・トウヤと申します」

 広間にはえりりんしか居ない?

 護衛らしきエルフが一人も配置されてないなんて?

 俺は軽く深呼吸をして再び長老に目を合わせる。

「仰る通り私は人間ですが この世界の人間ではありません」

 イメージ通りの絵に描いた様な長老様だ!長い年月を重ねた深いしわに、長いあごひげ!見事なまでの白髪は魔法の杖でもあればゲームに出てくる賢者の様だ。

「ほう この世界ではないとな」

「はい!私は昨日の夜明け前この地の人々が北の終わりの村と呼んでいる場所に・・・飛ばされて来たと言えば良いのか・・ともかく原因も分からずこの地に来てしまっていたのです」

 長老はうなずきながら問う。

「それでこの地に足を運んだのは」

「村で村人からエルフの森の存在を聞いたからです」

「私が住んでいた世界はエルフは神話の中の存在ですが伝承にこんな話がございました」

 ファンタジー小説の定番、エルフは長寿で知識に富む。北欧神話にもでてくるが、神話の知識は詳しくない。異世界の人々との会話が、出来ているのならファンタジーの信じたい事をと・・

「エルフの方々は我々ヒトの種族より知識に優れ長寿と・・」

「そして地理的な問題ですが・・飛ばされた北の終わりの村から栄えた都市まではかなりの距離があると聞きました。」

 これは今の現実だ。

「今私に何が起きたのか?なぜこの世界に飛ばされ・・そして何を求められているのか」

「原因と・・・目的を探求しこの地に伺いました!」

 一通り話し終えると、深呼吸して再び長老に目を合わせる。

「異世界より来た人間・・ナ?ナツキでしたな」

 少し表情が和らいだ様に見える長老は、この世界で初めて名前を呼んでくれた。

「昨日は事情が分からなかったゆえ強引にお連れしたのを詫びよう」

「異種族の者が突然現れたのです・・当然のご判断だったと」

 捕らえられた恐怖が、抜けた訳ではなかったが常識が違うのは予想出来てた。

「昨日調べてみたが・・・結界は破られては無かった」

「何かしらの加護で入ることが出来たのであろう」

 自覚は無いが・・・エルフの長老にすら見えない加護とやらは、いわゆる異世界転移と関係があるのだろうか。

「ナツキよ・・そなたに悪意なく語った事も嘘では無い事は信じよう」

「ありがとうございます!」

「だがそなたの求める答えは・・・我らにも解らぬ!」

「我らエルフの民に災いもあるやも知れぬ!」

 心臓がバクバクしてきた!

「ここは賢者達を集めて再び話し合うとしよう・・・」

 目の前が暗くなり力が入らない。

 バタン!!

「おい?ナツキよ?ナツキよ!?」


  思えば、昨日から一食しか食べてない。

 駅から自宅の間にある中華食堂で、仕事帰りに生を飲みながら晩飯をいただく。

 給料日の至福のひと時・・・もう味わう事出来ないのかな。

「うぅ・・ふぅ・・」

 ようやく目の前がはっきりしてきた。

 立ち眩みを起こした様だけど、少し体が軽い。

 広間には、長老とえりりんさん以外に一人エルフの女性が増えていた。

「精霊の加護魔法が聞いたようだね」

 えりりんさんより少し年上かな?エルフの実年齢なんて判らないが、美人の女エルフ!来た!!

「ミモザ・・ナツキの身体はどうじゃ?」

 長老が訊ねると、軽く微笑みながら女エルフは答える。

「緊張してたんだろうね。それとお腹が空いているんだよ!何か少し精のつく食事でも用意しておやり」

「そうじゃな・・えりりん食事を用意してくれるかな」

 えりりんは、うなずくと広間から席を外した。

「長老・・・加護魔法が正しく効く人間は、そう居ないはずだよ。結界が破られることなくこの森に入れたのも、ナツキと言ったかい?精霊かそれより強い力に守られているんじゃないかと。今は推測の域だけど、しばらくこの森に置いてあげたら?少なくとも邪悪な力は感じないわ」

 大事なことを言ってなかった。

「あの・・介抱していただいてありがとうございます。おかげでだいぶ良くなりました」

「私はこの森に数人しかいない精霊魔法の魔導士ミモザ。よろしくね異世界からの迷子のナツキ君!」

 そう言うとミモザは再び長老に話しかけた。

「大事な用件を思い出した!!そろそろアレが切れかけてる。私の研究にも必要あるけど、なにより村人全員の生活に係わる!また誰かを人間の街に派遣してもらえないかい?」

「前回はえりりんを遣わしたな・・また向かって貰うとするかの・・」

 どうやら村で、何かしらの物資が不足している様だ。

「そうだ!長老!!ナツキにも行ってもらったらどうだい?働かざる者なんとやらさ。異世界の人間でも同じ人間同士だから怪しまれず事が運ぶかもしれないわ」

 北の外れの村では、ほとんど人と会えず情報も手に出来なかった。どうやら、俺にとっても渡りに船って話じゃないだろうか?

「あのぅ・・何をすれば良いのか呑み込めてないですけど、私で役に立つのなら?」

 ミモザは頷きながら話しかける。

「話が早くて助かるよ。長老も異論はないだろ?」

呆れた顔をしながら長老も渋々了解した。

「まったく・・・相変わらず強引に話を進めおって。えりりんに案内と護衛役をやらせるとよかろう」

「仕事の内容は私から説明しておくよ!その前にご飯にしよう。空腹じゃ頭回らないだろ・」

 仰る通りだ。今は腹の虫を何とかしないと。



 


まだまだ内容に不満もあるかと思いますが、日々精進をかさねてまいります。

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