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宇宙統一戦線  作者: 音羽
7/10

試験4

 試験が始まってから5分が経過した。ここから折り返し地点、正念場だ。

 試験監督たちは、Cチームの様子の変化が気になっていた。

 「壁役が一人になったのね。土の子は体力切れかしら。あら?土の子のお世話をしている子は誰かしら。ミストレ先生、調べて下さらない?」

 「氷の壁の子もよくやるね。向こうは炎が強くてすぐに氷が解けそうなのに。」

 ガイア先生とルシフェル大将様がCチームのモニターにくぎ付けになっている。

 「わかりましたよ、あの子は3位のヴァナラ族のレインです。得意な能力は水系なので、このチームではサポート役に徹しているようですね。」

 「風を送っていた子と何か話した後に、風の子が1人減ったわね。体力が持たなくなりそうなことに気づいてきたのかしら。」

 「彼は、賢いね。おや。彼が氷の壁の子をサポートするようになってから、小売りが解ける速度が減っている。」

 「気温を下げているのかしら?まったく、器用ね。」

 ガイア先生とルシフェル大将様がCチームを見ている間も、ミストレ先生はBチームの様子をしっかり見ていた。

 陣形に変化はない。時々、メンバーを入れ替えつつやっているようだ。

 「あ。」

 画面に映っている生徒の一人が赤く点滅し始めた。けがをしたようだ。

 「ガイア先生、ルシフェル大将、Bチーム、一人けがをしました。」

 「あらら。」

 「それは、意外だね。」

 2人はBチームの画面を見直す。

 Aチームと違い、けがを治そうとしている子がいる。氷か何かで出血を止めようとしているのか。

 しかし、けがが大きすぎた。

 30秒もしないうちに、死亡判定のブザーが鳴る。

 「試験終了ね。ミストレ先生、よろしく。私は下に行くわ。」

 「わかりました。」

 ミストレ先生は試験終了の放送をかけるべく、マイクを手に持った。


 「これより、試験を終了します。全員、能力の発動をやめるように。」

 この放送が聞こえたとき、アシュは焦った。

 まだ10分は経っていないはずだ。いったいどうしてこんなにも早く試験が終わってしまうのか。誰か、このチームで死亡判定がついたひとは・・・。いないようだ。

 いったいどうして。

 悩んでいるうちに、元の第三能力実習室に戻った。

 みんな呼吸が荒かったり、汗を大量に掻いたりしていて、しんどそうだ。

 「受験生は第三能力実習室に移動してください。」

 放送が鳴ってから、移動していたチームの人たちが返ってきた。

 「ごめん。」「気にするな。」という声が聞こえてくることから、ほかの2チームは死亡判定がついた人がいるらしい。

 俺たちは合格したのだろうか。

 「みんな静かに、」

 ガイア先生が実習室に入ってきた。

 「今の試験は、個人技を見るのはもちろんのこと、チームワークやリーダーシップ性を見ていました。これから2次試験に移ります。」

 2次試験もあるのかよ、という声があちこちから聞こえる。

 アシュもレインもこの試験しかないものだと思っていた。

 こんなに疲れている状態で、2次試験はきついな。

「呼ばれた人から、第2能力実習室に行ってください。ほかの人はこの教室で待機です。待機しながらモニターで、ほかの人の試験を見ます。試験の内容は、演武、今持てる最高の能力で演技しなさい。今回の試験では人外化はなしです。人間の姿で、より激しく、より美しい能力の使い方をしたものを評価します。試験の順番は、A、B、Cチームの学年順位が下の人からよ。」

 ここで、ミストレ先生とルシフェル大将も実習室に入ってきた。先生たちも、ここで試験を見るらしい。

 「まず、Aチーム、カーバングルのエソラ。第2実習室に入ったら好きなタイミングで能力を出しなさい。制限時間は能力を発動してから1分間です。」

 カーバングルのエソラが第2実習室へ移動する。

 土系の能力者はどのような演技をするのだろう。


 エソラは第2能力実習室に入ると、深呼吸をして精神統一。

 いきなり大量の砂埃を巻き上げた。

 エソラの姿が見えなくなるほどの大量の砂。画面にも砂しか映っていない。

 それから一瞬で、2つの大きな竜巻になった。能力を使って、砂を2つに分け、風の方向を変えて作ったのだ。

 これは、土系統の力にたけているだけでなく、風系統の力も使える必要がある。

 さっきの1次試験の影響もあってか、1分演技をし続けることはできなかったが、圧巻だった。

「次は、」

 次の生徒も、その次の生徒も、素晴らしかった。今まで準備をしてきていたのか、というほどだ。


 「次は、龍族ワイバーンのクラウ。」

 いよいよ、学年1位の生徒のお出ましだ。

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