試験2
チームで話し終わった後、Cチームは第三能力実習室に残るように言われ、A、Bチームはそれぞれ第一、第二能力実習室に移動していった。
Cチームは心なしか龍族が多い。龍族はほかの種族に比べて種類や人口が多いから仕方がない部分もあるのかもしれない。
女子も一番多い。白龍のカグラにシルフのルイ。それにワルキューレのカナデ。
このメンバーで試験に受かるのかが心配になってきた。
「これより、試験の説明を行う。」
放送がかかってきた。男の先生の声だ。
「試験監督の先生は、1年特別科のエルフのガイア先生。2年特別科で、軍少将のグリフォンのミストレ先生。そして、軍の大将、悪魔のルシフェル様だ。」
軍の大将様まで出てくるのか。特別科すごいな。
「試験の設定を説明しよう。君らはほかの星の調査に出ている。」
能力実習室があたり一面の草原になった。あ、映像で映しているだけで、ワープとかはしてないです。
「で、人間の軍に絡まれた。」
かなり大量の人間が湧いて出てきた。しかも全員何かしらの武器を持っている。小さい銃やら大きい銃やら、あれは・・・大砲か?
「10分後に援軍が来る。それまで逃げ切るように。一人でも死亡判定が出たチームは失格とする。敵を攻撃しても構わないし、逃げるだけでもいい。とにかく死なないようにしろ。」
死亡判定とは。敵の人間も映像みたいなものなので、別に銃で撃たれてもいたくはないし、実際死なない。しかし、自分の体に血の映像みたいなものがでてきて、その量が一定量に達すると、死亡しました、という文字が目の前に出てくる。
それが一人でも出ると、失格、というわけだ。
「それでは、カウントダウンを開始する。10、9、」
「銃相手だと、逃げるのは得策じゃない。スイ、防御壁を頼む。」
「了解!レイン!」
レインの指示にスイがうなずく。
スイの防御壁なら、耐えられるだろう。問題は、スイのスタミナだ。一人で壁を出し続けるのは、10分といえどもきつい。それに、スイはスタミナのあるほうじゃなかったはずだ。
「俺も、氷で壁を作る。」
氷なら土とも相性は悪くないし、防御もできる。
「3、2、1、スタート!」
試験が始まった。
スタートと同時に敵が銃を撃ちまくった。
スイとアシュがすぐさま防御壁を出す。
アンドレが、龍化。空を飛び、雷で攻撃する。龍の姿になれば、うろこで球をはじき返せる。そういうことだろう。
ルークもそれに続いて、龍化。火を吐き、焼き尽くす。
レインは防御壁が炎と雷で温度が上がらないように、とこちら側の温度を調節する。まったく、器用な奴だ。
カグラとルイが暴風を巻き起こし、人間は立ち続けることもできない。炎の勢いもさらに増していく。
カナデは遠隔操作で、銃を暴発させている。
この調子だと、人間をすべて倒して終わりなんじゃないかと思われた。
しかし、試験はそう甘くない。わんさか人間が湧いてくる。映像のいいところか。実際にはあり得ないことなんだろうけど。
Cチームの滑り出しは非常に良かった。