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宇宙統一戦線  作者: 音羽
3/10

特別科準備室にて

「失礼します、高等部二年、龍族、青竜のアシュです。」

 「失礼します、同じく高等部二年、ウィンディーネのサラです。」

 特別科準備室に行くと、ちょうどヴァナラ族のレインが応募をしに来ていたらしい。

 成績は学年で5本の指に入るほど賢い。しかもかなりのイケメンで、女の子にすっごくもてている、らしい。

 レインはアシュ達を見ると、口の端に笑みを浮かべて部屋を出て行った。

 「ああ、サラ、よく来てくれたね。その隣の子は、さっき体育館でも一緒にいた子かな。」

 「はい、龍族、青竜のアシュです。」

 ガイア先生は、サラにしか意識が言っていないらしい。

 「サラ、突然だけど、推薦枠で特別科に入ってくれないかな。」

 「え、」

 「な、」

 なんだと、と言いたいのをアシュは必死にこらえる。

 何度も言うが、サラは成績が良くない。特別科に入るなんて考えられない、なおさら推薦枠でなんてあり得ない話だ。

 「私、成績、よくないですよ…」

 「能力実習のことか。確かに40点、欠点ぎりぎりだね。基礎能力研究の成績もあんまりよろしくないのかな。数学とか化学物理も苦手そうだね。」

 「うう。」

 ガイア先生が、机のパソコンに向かう。サラの成績を改めて見直しているのだろう。

 「いや、ね、特別科のチームに一人は回復役がほしくてね。回復系の能力にたけている子はなかなかいないじゃない。それで、私が欲しいタイプの回復系がサラだったわけなんだけど、どうかな。特別科に、きてくれる?」

 サラは一度アシュの顔を見た。アシュはというと、できるだけ無表情になるようにと努力しているらしい。

 「はい、喜んで。」

 サラのいい返事を聞くと、ガイア先生はとてもうれしそうな顔をした。

 「それで、アシュだったかな。」

 「あ、特別科の応募に来ました。」

 「昨年度のクラスと順位を教えて。」

 「A組27番です。」

 この学校では、成績が良い順に、A組、B組、C、D、最後はH組となっている。さらに、クラス40人の中でもテストごとに順位がつけられる。先ほどのレインはA組の3番。一方サラはF組9番。何度も言うが、推薦を受けることが信じられない。

 「どの教科も素晴らしい。若干英語が足を引っ張っている気がするが、その英語も平均点よりは10点近く上だときている。頑張っているんだね。」

 「ありがとうございます。」

 素直に頭を下げるアシュ。

 いったいこの先生は、何を基準に特別科への入学を決めるのだろう。

 「特別科の試験を受けることを認めよう。明後日、午前九時半に第三能力実習室に来ること。一応、サラも来てほしい。持ち物は特にないけど、動きやすい服のほうがいいかもしれないね。」

 「わかりました。」

 二人そろって返事をし、準備室を出る。


 試験が楽しみだ。


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