お兄様……です
私は自由だ!テスト終わったからな!
誤字訂正等お願いします。
ソフィア様に連れられ来たのが主に3年生が集まっているところ。ソフィア様から
「探してくるからそこで待っていてください」
と言われたので大人しく隅の方で待機しております。その間にこのイベントについて整理することにしました。
今回のイベントでわかることは『誰が好感度が一番高いか』と言うこと。パーティーが始まり主人公であるサクラちゃんに最初に近づいた人が今のところのナンバーワンです。
ゲームの主人公は、友人キャラに好感度を教えてもらっているはずです。しかし私は敵役なので誰を攻略しているかも分からないし、そもそも知り合っているかもわからない状態なのですよね。
リュートとレオナール様が行かなければ私はそれで良いのですがね。他の方はどうでも良いですし。いや、レオナール様が行ってもいいですよ。ええ、本当に。
そんなことを考えているとソフィア様は一人の男性を伴ってやって来ました。身長は小柄なソフィア様より頭2つ分くらい大きいので190程度でしょうか。薄い緑の髪をしており顔は……無表情です。イケメンではありますが。
「リリアナ様お待たせしました!こちらが兄のクレバーです。お兄様、リリアナ・ユーフィル様です」
「兄のクレバーと言う。好きなように呼んでくれてかまわない。この喋り方でかまわないか?」
「リリアナ・ユーフィルですわ。もちろん構いませんわ。年上なのですし。...では失礼してクレバー様」
私の言わんとしたことが分かったのかクレバー様の目が光ります。
「何だ」
「今日私は天使を見ましたわ」
「奇遇だな、俺もだ。……リリアナ嬢とは仲良くなれそうだ」
私とクレバー様が微笑みあっている側で頭にたくさんのハテナを浮かべるソフィア様に、私たちの笑みは深まります。やはりこの方相当のシスコンですね。いつもお兄様を見ていたので分かります。お兄様と言うものはそう言うものなのでしょうかね。
しばらく談笑していると開会の挨拶が始まり、本格的に盛り上がってきました。
私はクレバー様のところにまだいると言うソフィア様に声をかけ、サクラちゃんを探します。と言っても、さすが主人公、といった感じで人々の視線を集める先にいました。まだ攻略対象者はいないようで近くのウェイターさんに頼んで瓶を開けてもらい、飲み物を片手に遠巻きに観察します。
さすがに一方向だけ凝視するのもおかしいので、回りもチラチラと見ています。しかしどの学年も同じようで、権力、財力のあるもののところに集まったり、女性陣はイケメンの元へ群がっています。飴に群がる蟻のようですね。
おっと最初にサクラちゃんを接触したのはオルバート様ですか。あ、だからドレスはピンクがいいと言ったんですね。
さてと、今回の目的も終わりましたし何をしましょうかね。とりあえず知らない殿方に捕まらぬようにしなければ。あ、このブドウジュース美味しい。
ありがとうございました。