2人
季節の変わり目は風邪にご注意
誤字訂正等お願いします。
殿下とあまり人のいない道を無言で歩いております。何か会話を、とは思うのですが何を話してよいのかがわかりません。
殿下の方をちらりと見ますが話をする様子はないですね。このようなときは殿方に引っ張って欲しいのですが仕方ありません。精神年齢的には上の私から頑張りましょう。
「殿下がまさか覚えていてくださったとは光栄ですわ。お元気そうで安心しました」
「…リリアナ嬢の事を忘れた日はなかった。私は君に謝らなければならなかったのだ。本当にすまなかった」
そう言って深く頭を下げる殿下に私は動揺します。軽く世間話のつもりが凄く重たいことを話始めてしまいました。
とにかくこの状況を何かとしなければ大変なことになりますね。主に私の学園生活とかが。
「殿下、頭をあげてください。もう過ぎたことですしお気になさらないでください」
私はそこで一旦区切り、殿下が顔をあげたことを確認してからそれに、と付け足します。
「殿下をお守りすることが出来たことがとても嬉しかったですから」
最大限の笑顔を殿下に向けます。殿下はとても辛そうな顔をしていて、見てるこちらも辛くなります。
そんなに悩まないでほしいものです。これから貴方は私のことなど忘れて自分の人生を歩むべきのですから。
完璧に忘れられるのは悲しいので片隅には覚えていてほしいですね。先程から希望ばかりが出てきて困ったものです。
しばらく無言だった殿下も苦笑をしながら話しかけてきます。
「リリアナ嬢にはかなわないな。……君の方も元気そうで何よりだ。これから3年間を楽しみにしてるよ」
「はい。殿下と共に学べることが、とても楽しみです」
そう言うと殿下は少し不満げな顔をされます。何か気にさわるよな事を言ったでしょうか?
「……名前では呼んでくれないのか?」
へ?そこですか。と私がポカーンとしていると顔を真っ赤にしながらそっぽを向いてしまいます。何この生き物可愛いです。
私はクスクスと笑ながら要望に答えます。
「はい。レオナール様」
拗ねながらも嬉しそうにされる姿を見て、何だか嬉しくなります。やはり弟のような感覚になりますね。恋愛感情ではない気がします。
それから私たちはしばらく2人で校舎を回り、それぞれの寮に帰っていきました。
ありがとうございました。




