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気まずいです

耳に付けるアクセサリーにはまりました。

誤字訂正等お願いします。

「リリアナ嬢。久しぶりだな」


そう声をかけてきたのはレオナール・オ・エンドール殿下でした。その見た目は当たり前ですがゲームで見た姿そのものです。私は久しぶりに会えた嬉しさや、ゲームの記憶を嫌でも思い出させるその見た目に複雑な気持ちを抱きながら返事をします。


「お久しぶりでございます、殿下」


「...少し外で話さないか?」


「!殿下。その者と2人きりになると言うのですか?!それはなりません」


私の返事を遮るように話に加わってきたのはオルバート様。先ほどソフィア様に色々聞いておいたので無駄な知識はばっちりです。


オルバート様はキッと私を睨みながら話を続けています。殿下に口答えするって駄目だと思うのですがいいのですかね?私はその会話に口を挟むわけにも行かないので、黙って微笑を浮かべながら話が落ち着くまで後ろに下がって待ちます。


そう言えばソフィア様は、とそちらを向くと顔を輝かせながらお2人の様子を見ています。お2人の言うのはもちろん殿下とオルバー様のことです。今2人の様子はオルバート様が説教?をしていて、それを殿下が苦い顔で聞いている、と言った状態です。


何が面白いのでしょうか。殿下と言う「王子」がいるからですかね。やはり乙女はお姫様願望があるのでしょうかね。どの世界でも一緒ですね。


私が殿下とオルバート様、ソフィア様を観察していると、どうやら話し合いが終わったようで殿下が笑顔でこちらを見て手招きします。素直にそちらに向かうと殿下の隣に立たされ紹介されるようです。


「リリアナ・ユーフィル嬢だ。リリアナ嬢、こちらがアリス・オルバート。私の側近だ」


「ご紹介に与りましたリリアナと言います。よろしくお願いしますわ」


「アリス・オルバートだ。よろしく」


オルバート様はあくまでもしぶしぶと言った表情で挨拶をしてきます。しかし隠しきれていない感情が表情に出ています。と言うか顔に「お前は嫌いだ」と書いてありますわよ、オルバート様?


「それでは私たちは少し外に出てくる。アリスは先に寮に帰っていていいぞ」


「しかし...分かりました。では失礼します」


解決したようで何よりですが最後まで睨んでいきましたねオルバート様。あ、私もソフィア様に事情を言いませんと。


「ソフィア様。申し訳ありませんが...」


「分かりましたわ!ではごきげんよう」


私が事情を伝える前にソフィア様は帰ってしまいました。急に元気になられましたね。良いことです。そして殿下と2人きりになりハッと気づきます。


そうでした私、殿下と話すの気まずいじゃないですか。何故今の今まで忘れていたのでしょうか。5歳の頃の事件以来会っておりませんし、何より殿下がなんと言いますか。ゲームどおりとは言え、幼少期を知ってしまうと大人びて見えると言いますか。


いいえ、誤魔化しはしません。単刀直入に言いますとかっこいいのです。親の欲目とか恋は盲目とかそういうのではなく、さすが攻略対象者ですね。と褒め称えたいほどです。この顔を直視しろと言うのですか神様。私を萌え殺す気ですね。


殿下は私のそんな心中など知りもしないので普通に接してくださいます。


「それではいこうか」


そう導かれて教室を出た私は気づいていなかった。教室を出る際に私を見つめる視線が2つあったことを。


ありがとうございました。

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