自己紹介
俺様ティーチャーの新刊発売が嬉しすぎた。
誤字訂正等お願いします。
「今日からこのクラスを担当するアルド・マーチンだ。よろしく」
担任の挨拶をすると女子生徒の間から黄色い悲鳴が少しだけ上がる。少しだけと言うところがお嬢様ってことですかね。担任が自己紹介を促し、自己紹介タイムが始まりました。席はそのままで良いようなのでひとまず安心です。
結局攻略対象者はこのクラスに集まったようです。イザベラたちのグループは早速アプローチをしていたようでした。肉食系女子怖いですね。
私たちのクラスには平民の方も少数ですがいるようです。その中に見たことのある顔を見つけました。確か彼女は雑貨店でぶつかってしまった方ですね。同じクラスになるとは偶然ですね。一応名前を覚えておきましょう。
彼女の順番が回ってきて慌てて立ち上がります。その様子を見て他の貴族はくすくすと笑います。何と言いますか嫌な笑い方ですね。私は少しムッとしますが何とか堪えます。これでも空気ぐらいは読めるようになっています。ここは平常心です。平常心。
「初めまして!サクラと言います。チュリア地方出身です。よろしくお願いします!」
はい。サクラちゃんですね。覚えましたよ。しかしどこかで聞いた自己紹介ですね。名前も。サクラなんて名前の友達はいませんでしたし。しかしどこかで...?
記憶を辿っていくうちにパズルのピースがはまるように抜けていた記憶が蘇ります。
『初めまして!サクラと言います。チュリア地方出身です。よろしくお願いします!』
あ、と私は小さく声を出してしまいます。ソフィア様のほうを見るとどうやら声は聞こえていなかったようで安心しました。しかし彼女は主人公でしたか。ゲームでは顔が隠れていたので素顔を見ると、何故隠していたのでしょうか?と思うほど可愛いですね。
もちろん主人公と分かったら関わるつもりはありませんよ。私は私で楽しく学園生活を過ごすのですから。相手から仲良くしましょうと来てもおそらく警戒してしますでしょうし。
そして最後に私の番がやってきました。自己紹介というものは何度やってもなれませんね。緊張しながら立ち上がりクラス全体を見回します。そして深呼吸をしながらはっきりと喋ります。
「リリアナ・ユーフィルと言いますわ。あまり知り合いがおりませんので、仲良くしてくださると嬉しいですわ」
スキル『マナー』を使いながら完璧な仕草で挨拶をします。もちろん声色はなるべく優しげに感じるように努めます。私が席に付いた後シーンとしてしまって誰一人として喋りだしません。あれ?私何か間違えてしまったでしょうか?
私がキョロキョロと周りを見渡すと、担任の先生がハッとしたように指示をし始めます。
「今日はここまでだから寮に戻るなり、交友関係を築くなり好きなようにしていいぞ。では解散」
その合図と共に各々好きなことを始めます。担任の先生いや、アルド・マーチン先生フォローありがとうございます。沈黙が耐えられませんでしたよ。豆腐メンタルなので。
「リリアナ様かっこよかったです!」
「ありがとうございますわ。ソフィア様はもう少し噛まないようにしたほうが良いかもしれませんね」
「あぅ、そうですよね。リリアナ様のように頑張らなくては」
私とソフィア様が談笑しているところに2人の男性が近づいてきます。おおよそ誰かは察しが付いていますが心の準備と言うものがですね。出来ていないのでもう少し待っていただけませんか。
「リリアナ嬢。久しぶりだな」
ええ、分かってました。分かってましたとも。だからもう少し待って頂きたかったのに。
私に話しかけてきたのは紛うことなきレオナール殿下でした。
ありがとうございました。