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クラスメイト

構内模試の勉強をやらなければならない。明後日なのに...。

誤字訂正等お願いします。

クラスが張り出され自分で見に行く人や、従者に見に行かせる人で混雑しています。私は人の隙間を縫っていくことも出来ますが私が行こうとするとサリーに止められます。


「リリアナ様、ここは私が」


返事をする間もなくサリーは人ごみの中に消えます。そして数分とかからず人ごみから出てきます。ソフィア様のメイドさんのアイーダさんも行っていたようでサリーと共に出てきます。


「リリアナ様はD組でした」


「ソフィアお嬢様もDでした」


「やった、リリアナ様と一緒だわ!」


「そのようですね。よろしくお願いしますわ」


私はソフィア様と一緒ですね。それは嬉しいのですが自分で確かめに行きたかったですね。もちろんいろいろと確認するために。私は笑顔でいたつもりでしたが、何か考えているのがサリーには分かったようでこそっと耳打ちしてきます。


「レオナール・オ・エンドール様も同じDでした」


私はその言葉にバッとサリーの方を振り向くとニヤニヤした顔で頷かれました。ちょっと待って勘違いしてるから!いや確かに殿下のことも考えてましたよ?でも攻略対象者全員についてですから。そこだけは勘違いしないでくださいね!


私の不満げな顔をどう受け取ったのかは分かりませんがニヤニヤは止まりません。といっても私に分かるくらいの笑みですが。


非難するためにソフィア様に話しかけます。


「そろそろ教室へ向かいません?」


「あ、そうですね。行きましょう」


私とソフィア様が歩き出し、その後ろをサリーとアイーダさんが付いていきます。ソフィア様は制服を正したり、スカートをつまんだりしながらエヘヘと笑っています。


くそ可愛いですね。あ、いえ、すごく可愛らしいです。私は入園式なら制服を着ても大丈夫だろうと言うことで今日は制服です。ソフィア様もどうやら着たかったようで私が着ていたら花が咲いたような笑顔を浮かべていました。色は選べたので私は水色ベースの制服です。ソフィア様は黄色ベースの制服ですね。大変よく似合ってらっしゃいます。


ソフィア様は私の視線に気づいてこちらを見ます。そして自分がしていたことを自覚したのか恥ずかしがりながら笑顔でごまかします。


私が男だったらと今、少し思いましたね。そう言えば婚約者はいるのでしょうか?そこまでプライベートに踏み込めるほど仲良くないので我慢しますけどね。


そこからソフィア様と話しながら歩くと教室に着きます。教室に入るといくつかのグループが出来ていてそこで談笑しています。私はさっと目を配らせ重要人物を探します。


私が見つけれたのは『イザベラ・ウィリアムズ』『レオナール・オ・エンドール』『アリス・オルバー』の3人。しかし攻略対象者がいると言うことはこのクラスに主人公もいるはずである。まだ教室に全員がいるわけではないので、この中にいるか分からないですけれど。


席順が決まっているわけではないようなのでソフィア様と後ろの隅の席に陣取ります。ここならクラス全体を見渡すことが出来ますからね。まだ時間もあるようですしソフィア様と談笑でもしていましょう。


「ソフィア様と同じクラスでよかったですわ。私ソフィア様以外に知り合いがおりませんもの。」


「私もです。他に仲の良い方は他のクラスのようですし。ただ...」


そう言いながらソフィア様はちらりとイザベラの方を見ます。イザベラは制服ではなく派手な赤色のドレスを着ています。体型がくっきりと出るタイプのドレスなので動きにくいとかはないと思いますけれど。その周りにいる人たちも、いかにも派手好きの集団と言う感じですね。


「あのようにいつも気の強そうな方とばかり一緒にいて」


「関わらなければどうってことないわ。あちらを見ないようにしましょう?楽しいことでも考えていましょうよ」


慰めるように言えばソフィア様は不安げな顔を和らげてくれます。こればかりは自分で何とかするしかないですからね。ソフィア様は周りをキョロキョロと見回しさっきとは打って変わったようににこっとします。私はいやな予感がしながらにこりと返します。


「そう言えばかっこいい殿方がいらっしゃいますね!リリアナ様はどなたがお好みですか?」


1番返しにくい質問が来てしまいました。はぐらかしたい。こればかりははぐらかしたい。私の中でも整理されていないのですよ。あ、そうです。


「殿方は中身が大事ですわ。まだどのような方と分かってもいないのに好みと言うのも...」


顔は皆さんかっこいいのではないですかね?と付け足せばソフィア様は嬉々として噂話を聞かせてくれます。


「このクラスで言いますと...まずは殿下ですね。殿下は成績優秀で剣などの技術も秀でているようです。女性との噂はずっと思い続けている人がいるとかいないとか」


『ずっと思い続けている人』の部分にドキッとしながら話を聞き続けます。ソフィア様は私の様子などお構いなしに話続けてくださいます。


「次は殿下の側近のオルバー様ですね。5歳のころから殿下の側近として共におられるみたいですわ。一部の女性の中では殿下の思い人はオルバー様ではないかと言われています」


「へ?」


「あとエメラルド様でしょうか?エメラルド様は女性の影が多すぎてどなたが本命か分かりませんわ。でも負けたくない相手がいらっしゃるとかで自分を鍛えているようですわ」


うん。それ私かもしれません。ではなくて、殿下の思い人はオリバー様?ちょっと待ってください。そんな別ゲームへ行ってしまうような事は止めてくださいよ殿下!


「それから...」


ソフィア様の噂話は授業が始まるまで続きました。ソフィア様楽しそうで何よりですが私の頭痛の種を増やさないでください。

ありがとうございました。

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