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顔合わせ

またテストですよ。休む暇がない。

誤字訂正等お願いします。

ウェーブちゃんが落ち着くまで待ち、私たちの部屋で顔合わせとなりました。私の後ろにはサリーが控えていて、ウェーブちゃんの後ろにはメイドさんがいます。私たちは椅子に向かい合って座っています。


一応、マナーとしては私から話しかけるべきなんですよね。しかしですね。緊張して上手く声が出ないのです。ただでさえ顔が怖いのですから、第一印象は良い印象を与えたいですね。私は軽く深呼吸をして自己紹介を始めます。


「初めまして、になりますわね。私はリリアナ・ユーフィルと言いますわ。よろしくお願いしますわ」


「は、はい。私はソフィア・スミスと言います。よろしくお願いします!」


スミス様と言えば、このお嬢様も異名がありましたね。「壁際のアネモネ」でしたっけ?可愛いのにいつも壁際にいるので勿体無いだとか、髪の色から取ったなどの話でしたね。


スミス家は農業が盛んな土地の領主だったと記憶しています。それを話にすれば会話できるかしら?偏見ですけど本なども好きそうなので聞いてみますか。とにかく話をしないことには始まりません。何かしら話してみましょう。


「あら?スミス様と言えば、「壁際のアネモネ」よね?噂どおり本当に可愛らしい方だわ」


そう言うと顔を真っ赤にして俯いてしまいました。なるほど、こういう仕草が男の方を魅了するのですね。真似してみま...私がやると悪巧みしているようですね。やめておきます。


スミス様は最初はおどおどしていましたが話が盛り上がっているうちに普通に会話できるようになりました。呼び方も「ソフィア様」「リリアナ様」と呼び合うようになりました。


「先ほどは大変でしたね」


部屋が間違っていたことの話題を振ると、ソフィア様は顔をしかめました。この話はタブーでしたか。少し空気が悪くなりましたが、ソフィア様は話してくれました。


「あの方とは領地が近くで、昔から夜会に出ると私のことを馬鹿にしてくるのです。ドレスが古くさいだとか、今日も地味だとか。確かに彼女は流行に乗ったドレスを着ていましたし、周りにはたくさんの人がいました」


幼馴染でしたか。失礼ですけど、あの方と長い時間すごすのは疲れそうですね。


「だから今日、部屋が1人部屋だと分かったときチャンスだと思ったんです。少しでも彼女に勝ち誇ることが出来たらすっきりするかしらって」


ソフィア様はそこで一旦話を区切り、お茶を飲みます。そして苦笑いしながら言いました。


「『2人部屋なんですか?』そう聞くだけで彼女のプライドは傷つけられたと思います。でも、足が震えてそれが出来なかったのです。自分にもう少し勇気があれば、と今でも思っています」


つまらない話でしたね、と笑顔を向ける彼女は悔しさや悲しさで辛そうでした。私は何と声をかけて言いか迷いましたが、思ったことを口にしてみます。


「私は貴方が、ソフィア様がその言葉を言わなくて良かったと思いました」


「え?」


「確かにその場はすっきりするかもしれません。ですが言ってしまった言葉は消えないのです。」


そういう経験ありますからね。主に前世で。あの時は恥ずかしかった。


「それにあのような力を持った貴族に眼を付けられると面倒ですわよ?」


そう、茶目っ気たっぷりに付け足すとソフィア様はクスリと笑いました。何が面白かったのかは分かりませんが笑いが止まらなくなっています。


「そうですね。頭にきて忘れていましたが、彼女私の家より偉いですね。フフフ、こんなに笑ったのは久しぶりです」


その後も2人で楽しくお喋りしながら時間をすごしました。そして念願の同級生の友達が出来ました。

ありがとうございました。

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