ルームメイト
明日は先生方が成績会議。ドキドキ。
誤字訂正お願いします。
入園式、2日前。いつものように早起きをしてアマンドさんに朝食を貰い食べていると、寮母さんに話しかけられます。
「今日、お嬢様と同じ部屋になっているやつが来るから面倒見てやれよ」
寮母さんは私のことをお嬢様と呼ぶことにしたようです。ユーフィル様、リリアナ様、リリー様、などなど呼ばれましたがお嬢様がしっくりきたようです。
ちなみにサリーも正面で一緒に朝食をとっています。本来従者と食事を共にするのは駄目なことらしいのですが、1人で食べるのも寂しいですし、いつものごとく人は私たち以外誰もいないので気にしません。もちろん寮母さんとアマンドさんには驚かれましたけど。
おっと話がそれました。何の話をしていましたっけ?私の呼び名、ではなく。
「ルームメイトが来るのですか!?」
私は思わず立ち上がり大声で聞き返してしまいます。その姿に寮母さんたちはびっくりしながら説明をしてくれます。
「あ、ああ。名前とかは原則として話せないが今日来ることになっているよ」
「リリアナ様、食事中に立つのはマナーがなっていませんよ。もう1度ガトー先生にしごかれますか?」
私はその言葉を聞いて、ブルリと身を震わせながら席に座ります。しかしこうしてはいられません。さっき汗かいたのでとりあえずお風呂へ入りましょう。今日の服は...大丈夫、普通です。髪型は少し直してもらいましょう。あとは失礼のない程度に化粧をして...部屋を掃除しておきたいですね。別に汚くはないですよ?今まで私だけが使っていたわけですし。ちなみにサリーたち、メイドさんの部屋は私たちの部屋の隣にあります。
私は朝食を急いで食べて、サリーと共に部屋に戻ります。
「サリー!何処を掃除したほうがいいかしら?」
「そうですね、床を軽く拭く程度でいいと思いますよ?そもそもリリアナ様。基本この部屋にいないじゃないですか。汚れるはずがありません。と言うことで床は拭いておきますのでお風呂へどうぞ」
「分かったわ。じゃあ行って来るわね」
私は1番まともな服を持ち、お風呂へ向かいます。部屋に1つお風呂がついていて、本当にアパートの一室のような感じですね。お風呂は1人で入れる年齢ですし、1人で入っていた時期が長かったので説得しました。すごく渋りましたけど。
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私たちはやれることはすべてやりきり、食堂で時間を潰しています。その間も私はそわそわしてしまいます。仕方ないでしょう?私前世でも友達少なかったですし!今世なんておばさま2人とナズナさんしかいないいんですよ!?レオナール様、今は殿下とお呼びするべきでしょうか、お友達なんておこがましいですし。そもそも覚えてくださっているかも分かりません。泣けてきますね。
そんなことを考えていると玄関のほうが騒がしくなります。
「何ですって!?私の部屋が2人部屋ですって!私を誰だと思っているの?イザベラ・ウィリアムズなのよ!」
何か玄関から甲高い声が聞こえてきます。イザベラ・ウィリアムズと言うとこの国の有力の貴族ですね。ユーフィル家よりは下だった気がしますけれど。この1年で貴族について覚えさせられたので大体の情報は分かりますよ。確か、イザベラと言えば、夜会で『赤いバラ』と呼ばれていたはず。もちろん見た目の美しさと言うのもありますが、触ってみると痛い目見るぞと言う意味も含まれていたようですね。
どうやら私のルームメイトは彼女のようですね。何て言いますかね。もう少し女の子で可愛らしい子を期待していたので少し残念です。彼女は彼女で『お嬢様』って感じがして好きですけどね。
どうやら彼女より位が上の貴族で1人部屋は埋まってしまって、彼女の家の要望が通らなかったようですね。諦めればいいのにと言いたいところですが、あの高い声を毎日聞くことになるのはさすがにきついですね。
「リリアナ様、ドンマイ☆」
サリーが笑顔でそう言ってきます。その可愛らしい笑顔、物理攻撃で変えて差し上げましょうか?私たちが睨みあっていると向こうでは何か変化があったようです。
「あ、あの。私は2人部屋を希望していたはずなのですが1人部屋になっています...」
そう寮母さんに声がかかります。その方を見ると小柄で小動物のようなご令嬢でした。髪は緑の少しウェーブのかかった髪が腰ぐらいまであります。
どうやらイザベラが争っている間に彼女が来て確認したようですね。
「ちょっとどういうことですの!こんな底辺貴族に1人部屋なんて!今すぐ確認しなさい」
「申し訳ありません。少々お待ちください」
寮母さんはなにやら手帳をめくり確認した後なぜかこちらに向かってきます。
「ユーフィル様。1人部屋空いたようなのですが、どうされますか?」
寮母さん、顔で「めんどくさいから譲ってやれ。」って言うのやめてもらえませんか。まあ、譲りますけれど。
「どうやら彼女は1人部屋がいいようですし、私は2人部屋でかまいませんわ」
「ありがとうございます」
今、アマンドさんの気持ちが分かりました。敬語が似合いませんね、寮母さん。
あちらでなにやら話し合いをしているようでご立腹だったイザベラの機嫌が不機嫌くらいになって行きます。そして多くの従者を従えながら自分の部屋へ向かっていきます。
本当にあのような貴族がいるのですね。天然記念物でしょうかね。あの方と同室でなくて本当に安心しました。そう言えばあの小柄なご令嬢は何処の方なのでしょうか?名前は聞けば分かるのですが、見たことないのでわからないのですよね。今は荷物とかを運ぶので急がしそうなので後にしましょう。
ありがとうございました。