お友達
正直あまり展開が進まない。
誤字訂正等お願いします。
私は夢を見ていた。
家族や友達との何気ない日常の夢。懐かしいなと思いながらその景色が流れるままに見続けていると、ふと気になる場所を見つける。
何の変哲もないただの道。周りにはたくさんの人がいて、普通に過ごしている。私はただ1人取り残されたように立ち尽くす。
ズキンと頭が痛くなり耐えられなくなる。もう少し、もう少しだけ。私は痛みをこらえながらうっすら目を明けるとそこにいたのは。
「私...?」
そこにいたのは制服姿の血まみれの佐久間玲の姿だった。
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目覚めは良いとは言えませんでした。自分の死体なんて見るものではないですね。ただ自分に死んだと言う記憶がなかったのでこれですっきりしたと言えばしましたが。
時計を見ると朝の6時。お兄様に町を案内してもらい寮に戻ってから寝てしまったようですね。まったく記憶がないですけれど。
寮母さんに貰ったパンフレットを開き、この寮の注意事項を確認します。
①朝食は朝5~10時まで食堂で食べることが出来ます。夜は4~8時まで。各自取れるようになっています。
②男性立ち入り禁止。男性が立ち入る場合は寮母まで。
③朝5時前と夜9時以降は寮からの出入りを禁じます。
などなど。この3点ぐらいしか関係なさそうだったので頑張って覚えることにします。今は6時なので朝食は食べれますね。食堂へ行きましょう。
食堂へ降りると寮母さんともう1人おばさまがいました。
「おはよう、ございます。貴方はユーフィル様でしたね。朝食は取られますか?」
「はい、お願いします」
「ではあちらのアマンドさんのところで受け取ってください。席は好きな位置でいいですよ」
寮母に話を聞いたとおりにします。アマンドさんのところに行くと笑顔で迎えれます。
「あらあら、早起きですね~。今日はコーンスープとオニオンスープの二種類ありますよ~」
「コーンスープでお願いしますわ」
選べるのは嬉しいシステムですね。どちらも好きですが今日はコーンスープの気分なので。私はスープとサラダ、パンを受け取り席に着きます。あまり入居者?がいないのとまだ時間が早いのもあり、私と寮母さんとアマンドさん以外に人は見当たりません。私は無言でもそもそと食べながらお腹を満たします。とてもおいしいです。
確か今日、サリーがこちらに着く予定になっているので学園の入り口にいなければいけませんね。まだ連絡がないのでそれまでは待機ですが。荷物も数着の服と、制服。歯ブラシや身だしなみを整える道具を少々持ってきているだけなので荷物の整理もいりませんし結構暇ですね。
制服...どうしましょうか。一応制服と言う物は存在するのですが何せお嬢様、お坊ちゃんの集まる場所なので着てくる人は少数らしいのです。やはり自慢したいのでしょうかね?○○のオーダーメイドですの、的な感じですかね。私は制服のデザインが可愛いのでぜひとも着たいのですが目立つのは好きではないですし。どうしましょうか。
私が1人でうんうん悩んでいると、暇なのか寮母さんとアマンドさんが話しかけてきます。
「ユーフィル様はご令嬢にしては、変わってますね」
「そうですね~。お嬢様自らご飯取りに来るなんて~」
「そうですか?」
目立たないと決めていたのに早速目立ってしまったようです。いや、でも寮母さんやアマンドさんに持ってきてくださいと言うのは私の良心が痛みますし。
「良い意味で言ったんだ、喜んでおけばいいのさ」
「ん?何か今...?」
「何でもない。空耳です。空耳。」
「リーハ、隠しきれていませんよ~?」
「そ、そうか?今年こそお嬢様みたいに喋っとこうと思ってたんだけど失敗したよ。ハッハッハ」
「正直、何を今さらと思っていたので正解だと思います~」
えっとこれはどういう事でしょうか。寮母さんの口調が一気に変わっていますね。
「猫かぶっていた...?」
私のボソッとした呟きはお2人の耳に届いたようで一気に注目されます。
「リーハの変わりようにお嬢様が驚いていますよ~?」
「にしても猫かぶっていたはひどいな。今年のお嬢様は面白いな。普段はこんな口調だから気にしないでくださいませ?なんちゃってな」
「えっと、喋りやすい口調で大丈夫ですので。どれかに統一してください」
こうして仲良くなった初めてのお友達はおばさま方でした。
ありがとうございました。
誤字訂正
寮長→寮母