城下町へ
今日も日にちが...。
誤字訂正等お願いします。
お兄様と城下町に来ました。私が見たことのある町とは違い、人や店が多く、人々の声が絶え間なく響き続けています。
「王都にはたくさん人がいるのですね」
「そうだね。ここは物流の中心地だからね。気になる物はあるかい?」
お兄様にそういわれぐるりと周りを見渡します。どうでもいいですがお父様に話し方がそっくりになりましたね。親子だから仕方ないでしょうけど。
私たちのいる場所は食品エリアとなっており辺りからはおいしそうな匂いがしてきます。私が前世の料理を広めたおかげかは分かりませんが、数年前までは見なかった屋台がたくさんあります。もちろんリリーパンもありました。しかし専門家と言うのはすごいですね。知識を自分の物にするだけでなくそれをどんどん発展させていくのですから。
別にお腹がすいている訳でもないですし、見渡しながら道なりに進んでいきます。食品エリアが終わると次は生活用品エリアと言う感じです。その1つに雑貨を取り扱う店があったのでお兄様に聞いてみます。
「お兄様、あそこのお店に入ってもいいですか?」
「もちろん。欲しい物があったら言ってごらん?」
私が店内に入ると、カランカランとドアに取り付けられたベルがなります。中は女の子向けのアクセサリーや日用品が並びます。お兄様は女性のお客が多かったので小さく
「...外で待っているよ」
と言って出て行きました。
可愛らしい小物に目を奪われながら歩いていると、すれ違った人と軽くぶつかってしまいます。相手はぶつかった反動で少しよろめきますが倒れたりはしなかったようです。しかし買い物かごを落としてしまい中身が飛び散ります。
「ごめんなさい。大丈夫でしたか?」
私は相手の荷物を拾い集めながら声をかけます。相手もあわてて拾い始めます。
「す、すみません!こちらこそ余所見をしてしまって」
相手の女の子は髪留めやメモ帳、ペンなどを買っていたようで壊れた様子はなかったので安心しました。品数もそれほど入っていなかったようで拾うのもそれほど時間がかかりませんでした。
「本当にごめんなさい。それは私が買い取るわ」
お兄様ごめんなさい、お父様からちゃんとお小遣い貰っているのです。プレゼントはまた今度にしてもらいましょう。
「だ、大丈夫です!幸い壊れたりしてませんし」
女の子はバッと顔を上げて私の顔を見ます。その瞬間目を見開きながら口をパクパクさせます。私の顔に何かついているでしょうか?私は顔をぺたぺたしながら相手の女の子を見ます。
茶色い髪をセミロングほどに伸ばし、目も茶色です。普通の体型ですが守ってあげたくなるようなはかなさがあります。分かりにくいかもしれませんが可愛いと言うことです。
「あの、私の顔に何かついてますか?」
これで顔が怖かったとかだったらどうしよう。軽く泣くかもしれない。そんなことはないと信じながら相手に聞いてみます。
「あ、その、すみません!知り合いに似ていたので」
「そう?それならいいけれど...」
知り合いに似ていたからと言ってあれほど驚いた表情をしますかね?どちらかと言えば宿敵にばったりあってしまったみたいな感じでしたけど。
「それはそうと、本当にいいの?それ」
「はい。大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
ぺこっと頭を下げながらレジに向かっていきます。私も何か買おうと周りを見渡すと他のお客さんがこちらに注目していることに気づき、そそくさと店を出ることにしました。
「ん?もういいのかな?」
「はい、他のところへ行きましょう」
あの状態で買い物を出来るほど私はメンタルが強くありません。見られることはあまり好きではないのです。
ありがとうございました。
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体系→体型