マナー
お気に入りやらなんやらに小躍り。ありがとうございます。何故私はこんなに文章を書くのが下手なのか……。
「お嬢様!あごを引きすぎです。まっすぐ前を見てそうです。あ、今度は歩きが変になってますよ!」
私にビシビシと指示を出すのは長身つり目ババア、もといマナーの先生のガトー先生です。こげ茶色の髪をきゅっと見た目痛いくらいに引っ張り後ろでくくり、びしっとした姿勢は品が漂います。イメージ的にはどこぞのア〇プスにすんでいる少女が主人公のアニメの〇ッテン〇イヤー氏でしょうか。そっくりです。
「今日は遅刻した分、それから今までサボった分。少し詰め込みますよ!」
何でこんなことになったかと言うと時間は少しさかのぼる。
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私がサリーに呼ばれホールのような場所に行くとガトー先生が待っていました。ガトー先生は厳しく、しかしこの国でもトップレベルのすごい先生らしいですが私は記憶を取り戻す前、この先生が嫌いでよくサボっていたようです。
「遅刻とは何事ですか。淑女たるものなんとかかんとか・・・」
すごい独り言が多い方ですね。私に言ってるんでしょうけどほとんど聞こえませんし。まあ、悪いのはこちらですので素直に謝っておきましょう。
「申し訳ありません。ガトー先生。それにこれまで来なかった日があったことを謝ります」
するとぶつぶつ言っていたガトー先生がピタリと止まり、ポカーンとした表情でこちらを見てきます。何ですか、そのおかしな物でも食ったんですかと言いたげな表情は失礼ですな。中身変わってるから驚くのは無理もないけど。
「ガトー様」
サリーが声を掛けるとハッとして意識を取り戻しました。
「お嬢様...改心なさったのですね」
その声には隠し切れない感動がありました。そんなにですか。
「今まで、お嬢様は何をやらしても「嫌!」と言ってなかなかやってくださいませんでしたが、これからは今まで以上に私ガトーがんばらせていただきます」
「へ?いや、そんな力を入れなくても...「さて今までの分を取り返しますよ!」はい」
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そして今に至るわけである。困ったものです。と言うか私体力ないんですから勘弁してください。
「そこはこうです!分かりますか?」
分かりません。なんて口が裂けてもいえません。私は素直に死んだ目をしながら「はい。はい」と唱え続けるのでした。ちゃんちゃん。
「おや、もうこんな時間ですか。お嬢様今日はここまでにしておきましょう。次は復習からですから忘れないようにしてくださいね」
「ハイ。ワカリマシタ」
私がそういうとガトー先生は満足そうに帰っていきました。貴族のお嬢様って3歳なのにこんなハードなことやるのかしら。
「お嬢様は物覚えがよろしいのでガトー様、すごく張り切っていらっしゃいましたね」
エスパーですかサリーさん。過剰な運動はかえって体に悪いです。
「ウフフ。秘密です」
絶対に心読まれてますねこれ。私はがくがくする足を引きずりながら部屋に戻ります。部屋に着き扉をサリーが開けてくれ、ベットにダイブします。ふかふかで癒される。
「少し休憩なさいますか?」
「そうします」
「では何かあればおよびください」
そういってパタンと扉を閉める音がします。まぶたが閉じる。目を開けていられません。ああ、今後の人生設計を...すやぁ。
読んでくださりありがとうございます。作者はお菓子が大好きです。