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家族

昨日投稿するの忘れてたことが悲しい。

誤字訂正等お願いします。

馬を走らせること数十分。懐かしい私の家に着きました。服装はサリーに選んでもらった紺のワンピース。全体的に花柄がついていて女の子らしいデザインとなっています。そして家の門の前に着くと伯母様が馬からおろしてくれます。警備の人たちは1人が門を開け、もう1人は走って玄関のほうに行ってしまいます。


そして私は緊張のあまりいやな汗を流しながら少し伯母様に隠れるように歩いていきます。久しぶりに見る家は懐かしい物ばかりです。庭の全体のデザインは変わってないようですね。私が庭を観察しながら家に向かうと家の中からバタバタと走ってくる音がして私たちが玄関から入ろうとした瞬間玄関の扉が勢いよく開きます。そして中から人が飛び出してきます。


お母様、お兄様です。お父様は後ろから駆け足できますがお母様たちは全速力です。そしてタックルを決めるかと思う勢いで2人に抱きしめられます。おぉ、すごく照れくさいですがなすがままになっておきましょう。しばらく待っていると2人の拘束が解かれ顔が見えるようになります。


お母様は...6年たちましたが変わりが見られません。本当に人間ですか?とたずねたくなるほど若々しいままです。お母様は目に涙をためながら私の名前を繰り返し言っています。


お兄様は大人になりました。身長がだいぶ伸びてお父様と同じぐらいになっています。お兄様はすごくニコニコしながら私の手を掴んで離してくれません。


お父様もお変わりありませんね。変わりはないですが...怒ってますね。確実に怒ってます。顔はにこやかですが目が笑ってませんもの。


他にも仲良くしていたメイドさんたちの姿が見られ懐かしい気持ちになります。しかし、正直に言いますとお母様たちが「家族」と言う認識があまり持てないのです。最低な人かもしれませんがたった2年しか一緒に過ごせなかったのがいけなかったのかもしれません。私の「家族」は師匠と感じてしまいます。私は心の罪悪感と照れくささを感じながらとりあえず家の中に入ることになりました。

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「とりあえずお帰りリリアナ」


家の中に入るとお父様がそう話を切り出しました。お父様嬉しく思ってくださるのは私も嬉しいのですがその目をやめてくださいませんか?主に伯母様とサリーに向けられていますが時々こちらを見てにこっとするのがとても怖いです。


「はい、ただいま戻りました。お父様」


「やっと帰ってきて嬉しいわリリちゃん。いいえ、もうリリアナね」


「可愛い妹の姿が久しぶりに見えて嬉しいよ」


こんな私を受け入れてくれる家族の暖かさを感じているとお父様のほうから「さて、」と言う言葉と共にぞくぞくした空気を感じます。


「リリアナ。何か言いたいことはあるかね?」


私はがくがく震えながらサリーの方を見ます。ちなみにサリーの雇い主は私になっているそうです。なので手助けを貰おうと思いましたがサリーからは「頑張ってください。」と言う応援メッセージしか届きません。


仕方ないので震えを抑えながら言葉を選びます。


「勝手に出て行ったことはいけなかったと思っていますわ。それでも私は伯母様、スカー様についていくことが自分のためだと思いましたの」


「それで?」


「それで?!えっと、師匠のところにお邪魔させてもらいまして鍛えてもらいましたわ。おかげで強くなることが出来ました。守れる力を手に入れましたわ!」


「うん、で?」


「えっと、そのですね。勝手に出て行って心配をおかけして...ごめんなさい」


私は次のお父様の言葉を待ちながらうつむいてぎゅっとこらえます。しかしいくら待っても言葉は聞こえません。顔を上げようとして瞬間、私はお父様に抱きしめられていました。


「まったく、私達がどれだけ心配したのか分かっているのかい?リリアナが行ってしまってからスカー様が説明をしに来たよ。これはリリアナの意思だってね。だから僕たちは彼女らを罪に問わなかったんだ」


抱きしめるお父様は少し体が震えていて声は震えているのでおそらく、泣いているのでしょう。お父様が泣いたことをきっかけに隣でお母様が後ろでお兄様が泣き出します。


私は本当に自分のことしか考えていなかったのだとこのときに思いました。自分勝手な行動がここまで周りに影響を与えることが分からなかったのです。私も恥ずかしさから涙が零れ落ちます。もう泣かないと決めていたのに。駄目でした。


ユーフィル家の優秀な執事たちはいつの間にか部屋から出ていて家族四人で泣き続けました。

ありがとうございました。

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