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緊張なんてシテイマセンヨ?

何故かクラス対抗ドッジボールやるんだと。インドア派の私には地獄だ。

誤字訂正お願いします。

パタパタとはたきで埃を落とし、箒で床を掃き、雑巾で部屋全体を拭きます。今日でこの部屋ともお別れです。思えば長い間お世話になりました。感謝の気持ちをこめて隅々まで綺麗にします。荷物はもともとあまりなかったのでまとめる必要はありません。今の時刻は朝の5時。伯母様がこられる時間は9時なのであと4時間ありますが伯母様なので予想も出来ないようなことをしてきます。なので早めに起きてやりたいことをやることにしました。


部屋の掃除を終え、外へ出ます。まだ少し薄暗く吐く息は白くなります。私はこの家でやったことをたどりながら家の周りを回ります。


洗濯や調理、狩りもしました。最初は銃の扱いが上手くいかず的に当たるまで家の中に入れてもらえないなんてこともありました。今思えば笑えますがあの時は死ぬかと思いましたね。ええ本当に。


森へ入ると来た時はまったく分からなかった森の違いが見えてきます。場所によって生えている植物も違いますし木の形も柄も見分けられるほどになりました。


フフフ。懐かしい思い出がどんどん出てきて楽しいですね。皆さん言いたいことは分かりますよ。はい、現実逃避しています。悪いですか?知りません☆


自分のキャラなんて捨てなければやっていけません。何故なら今日は、お母様とお父様とお兄様、屋敷の人たちと久しぶりに会うのですから。緊張しないわけが...いや、してません。断じてしてません。そんな家族に会うのですから緊張なんてするわけがないです。と言いつつもそわそわしてしまう体が憎い。


「やっぱり緊張します!」


私が大声で叫ぶとバサバサと鳥たちが木から飛び立ちます。すみません、朝からご迷惑を。だって6年!6年あっていなかったのですから緊張もしますよ。お母様とお父様は変わりないかと思いますがお兄様が19歳です。もう大人に成長しています。そう言えば結婚できるお年ですがお相手などは決まっているのでしょうか?ぜひ惚気が聞きたいです。


でも、一番怖いのが...お母様です。罪悪感を最大限まで引き出す必殺涙目は効きました。この数年間あれでうなされる日々もありましたから。


お父様は何ででしょうか。印象が薄いのであまり興味がわかないと言いますか。どうでもいいといったら悲しみますかね。


家族に会うシミュレーションを森で独りでぶつぶつ喋っているとがさがさと後ろから音がします。後ろを振り向くと師匠が立っていてニヤニヤしながら言い放ちます。


「楽しんでいるところ悪いが朝飯、作ってくださる?」


絶対に「作ってくださる?(笑)」と言う感じだった。私は顔を真っ赤にしながら家に向かって全速力で走りました。

-----

家に帰ると7時半でした。これは簡単な物しか作れませんね。そうです。最後にふさわしいあれにしましょう。


師匠はしばらくたってから戻ってきました。そのときちょうど出来上がったので笑顔で突きつけます。


「最後の晩餐、ではなく最後の朝餐にふさわしい物を作りましたわ。ジグ様?」


「相変わらずその喋り方はなれねえな。そもそもお前男装だぞ?」


「あら、中身は乙女ですのでご心配なく。さあ食べますわよ」


何でしょうか。今の言い方は勘違いされそうですね。そんなことはおいておきましょう。私が作ったのはサンドウィッチです。ここに来て初めて調理をして料理です。さあ師匠、味わって食べてくださいね。


「あー楽できるのが今日で最後か」


「だからお別れの日にその台詞はひどくないですか。まあ、師匠らしいですが」


「お前は最後まで憎たらしいやつだな」


そんな会話をしながら最後の師匠との会話を楽しみます。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう物です。伯母様が来るまであと十分をきります。


師匠も私も少し気まずくなり言葉数が減りだします。私も言葉にしたいことはたくさんあります。でも言葉にするのは気恥ずかしいですし、黙っておきましょう。


すると師匠は突然立ち上がり師匠部屋に行きます。音がしばらく鳴り続け、やんだと思ったら師匠が何かを持って戻ってきます。そして無言で国語辞典ほどの大きさの箱を渡されます。それをお礼を言いながら素直に受け取りあけてみると。


「わぁ...!」


青色の魔法石の入った小さなナイフとナイフホルダーが入っています。私は貰った物と師匠を交互に見て最後に師匠を凝視します。


師匠はテレくさそうに頭をかいていますがそれでも見続けます。するとおもむろに口を開きます。


「一応、卒業祝いだ。知り合いの性格は悪いが腕だけはいいやつに頼んで作ってもらった」


それだけ言うとぷいっとそっぽを向き自分の椅子にドスンと座ります。私は泣きそうな気持ちを抑えてニヤニヤしながら卒業祝いを眺めていると9時になったとたんドアが開き伯母様とサリーが入ってきます。


「さあ、用意は出来ているねリリアナ!服を着替えて出発だよ!」


「お嬢様ー!お久しぶりです!ささお召し物を着替えましょう!」


ぐいぐい私の背中を押してくるサリーとテレ顔の師匠に突っかかる伯母様に一言言いたいのは


「もう少しだけ空気を読んでください...ませ」


私の呟きは騒がしい室内では意味を持たなかった。

ありがとうございました。

誤字訂正

シュミレーション→シミュレーション

レテ顔→テレ顔

いいた→言いたい

報告感謝です

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