弟になりました
学校で竜巻を見ました。
誤字訂正等おねがいします。
パチパチと燃える炎を間に挟みリュートと対面します。さっきの言葉で私を傷つけたと思っているのか、それとも野宿に対する罪悪感かは分かりませんが気まずそうな顔をして座っています。ここは年上としてリードしますか。
「昔、誘拐されたことがあるんだ」
「え?」
ポツリと呟いた私の言葉を聞き返すリュートに微笑みながら話を続けます。
「といっても事情があってな。俺が狙われたわけじゃないんだ。だけどそのときに俺は、自分の力を信じすぎていたんだ。大失敗だったよ」
リュートは私の話を顔をゆがめながら聞いています。その姿に私は安心しながら思いました。この子は化け物なんかではなくむしろ心優しい子だということに。私は立ち上がりリュートの隣に行き座り込みます。リュートはビクッと肩を揺らしましたが拒絶はしませんでした。内心で喜びながら語ります。
「守りたいものもろくに守れず、魔力の暴走を起こす始末。しかも魔力の暴走はどんなやつだと思う?」
私は少し笑いながらリュートに問いかけました。リュートは迷ったあと私の顔をよく見てから答えました。
「瞳が緑色だから竜巻を起こす...とか?」
「ああ、それもあったかもしれないな。でも違うな。俺は意識がなかったから聞いた話によると。魔法という魔法を周りにぶちまけていたそうだ。それをコントロール出来るようになるためと、強くなるために師匠の元に来ているってわけだが」
私はすぅっと息を吸って一息おきます。そして意気を決して尋ねます。
「俺は化け物なんだろうか...?」
心臓を握られるような圧迫感を感じ少し苦しくなります。それに笑顔で耐えながらリュートの答えを待ちます。私は化け物といわれたらリュートのように強く生き続けられるだろうか。不安でどんどん苦しくなっていきます。リュートが考えていたのは数十秒でしょうが私には何十分、いや何時間のように感じます。
「化け物なんかじゃないよ。僕を救ってくれたヒーローだよ!誰がなんと言おうと僕は否定し続けるよ」
その言葉を聴いた瞬間に私の目からはらはらと涙が零れ落ちました。それを見てリュートは目をぎょっとさせます。そしておろおろして一緒に泣き始めます。その姿を見て私は泣きながら笑い、リュートもそれにつられ泣きながら笑います。
私は誰かに否定してもらいたかったのでしょう。自分が化け物でないと自信を持って言えるようになりたかったのでしょう。だって今の私はとても晴れやかな気分なのですから。
そうして2人で泣きながら、笑いながら夜を明かしました。
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夜が明けて道が見えると意外と家の近くだということが分かりました。歩きながらリュートが問いかけてきます。
「僕はなんて呼べばいいの?」
一瞬理解できませんでしたが私の名前だということが分かったので希望を言ってみます。
「出来れば姉さんと呼んでくれないか?」
「え?」
「え?」
私たちは立ち止まりお互いに向かい合います。リュートは挙動不審になりながら問いかけてきました。
「女の人...だったの?」
師匠、帰ってきたら一発食らわせてやりたいです。
ありがとうございました。
誤字訂正ありがとうございます
行って見ます→言ってみます
ビクッと方を揺らし→ビクッと肩を揺らし
一息起きます。→一息おきます。