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時間がたつのは早いものです

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私は今森に息を潜めて今晩の獲物を狙っています。今晩は猪のお肉をいただきたい気分なのです。ゆっくり忍び歩きをして猪の背後に近づきます。相手は気づいておらず優雅にお食事を取っているようです。私は音を立てないようにナイフを投擲します。一時的に動きを鈍らせる毒付です。持続時間は短いですけどね。私の存在に気づいていなかった猪は風を切る音と共に近づいてきたナイフに反応することが出来ずダメージを受けます。猪は痛そうに顔をゆがめながらうなり声をあげこちらを憎悪の目で見てきます。


「さすが大きいだけあるな。けっこう塗っといたはずなんだが」


目視できる量の毒だったんですけどね。適度に痛めつけないと駄目そうですね。私は細身の剣を抜き猪に向かって全力で突っ込みます。猪は戦闘体勢だったので勢いをつけ突っ込んできます。さすがに私の体では簡単に吹き飛ばされるのでバックステップで一旦距離をとり右に転がります。今まで私がいた場所を猛スピードで猪が吹っ飛んでいき、背後の岩に衝突します。苦痛の声を発していますがまだまだ元気そうなので師匠に習った弱点を突き沈めます。やったね、今晩の食事ゲットだぜ。でも生き物をさばいて調理できるお嬢様ってどうなんでしょうね?私最近自分がお嬢様だったことを忘れそうです。


猪を引きずりながら家へ戻ります。あれから5年たったわけですが何も変化はありません。変わったことといえば家事がすべて私になったことぐらいですかね。あ、呼び方がジグさんから師匠になりました。何かそう呼びたかったので。意味はないです。今日師匠は用事とかで家にいないので晩御飯を自分で狩るところからしなければならないので疲れるんですよね。しかし猪の解体にもなれました。最初のうちは吐いてましたが今ではこんな考え事しながらすいすい出来てしまいます。本当になんでしょう私って。


解体し終えた猪は私考案『冷蔵庫』に入れておきます。魔法道具の作成も楽になりました。何か魔術式みたいなものを展開できるようになりプログラミングのように作っていけば良いみたいなのです。もちろん『電話』も作りました。伯母様に渡してあるのでいつでも連絡が取れて便利です。


私が家の裏で手を洗い中に入ろうとすると馬が走る音が聞こえてきます。あ、師匠かなと思いそちらを見ると師匠と、子供?がこちらに向かっています。年齢は私と同じぐらいでしょうか。特徴といえば目が死んでいます。割と本気で。


「師匠!お帰りなさい。その子はまさか...隠し子!?」


「違うわ馬鹿弟子!こいつは魔力が少し多いやつだ。お前となら気が合いそうだと思って引き取ってきた。」


「引き取ってきたって師匠の息子ってことですか?」


「いや、息子ではないがこれから一緒に住むからよろしくたのむ」


師匠面倒見よすぎでしょうよ。私は改めて少年の顔を見ます。長すぎる前髪で顔はよく見えませんが銀色の髪をしています。体は痩せ細っていて今にも折れそうです。私たちが会話しているのにも目もくれずただ真っ直ぐ前を見ています。


師匠が馬からひょいと降ろし地面に立たせますが目は何処を向いているか分かりませんのでコミュニケーションが取りづらいですね。とりあえず自己紹介でしょうか。


「はじめまして。私はリリアナだ。これからよろしく頼むよ」


「...」


はい、もちろん返事なんて期待していませんでしたよ。分かっていましたよ。でもどこかで見たことのあるような見た目ですね。あったことは無いはずですが。そこまで思考がたどり着いたとき師匠が爆弾を落としました。


「こいつの名前はリュート・アルフィートだ。仲良くしろよ」


まさかの攻略対象でした。

ありがとうございました。

誤字訂正

体制→体勢

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